王立探偵シオンの過ち
王立探偵は、王家の利益を図り不始末を揉み消す、王家お抱えの探偵。たとえ逃したペットの捜索でも、愛人との別れ話でも……。その仕事のひとつに、呪いとも言える不思議な力を持ち≪過ちの魔物≫と呼ばれる物具を調査することがある。紫ずくめのインチキ魔術師のような恰好をした王立探偵シオンは、助手の少女ラナと共に、血の涙を流す肖像画を調べるため地方の伯爵家に向かったが?
【電子オリジナル】王立探偵シオンの過ち3 罪よりも黒く、蜜よりも甘く
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【電子オリジナル】王立探偵シオンの過ち3 罪よりも黒く、蜜よりも甘く
2021/10/26 19:59
およそ文庫二冊分の大ボリュームで明かされるすべての謎解明編
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「王家の何でも屋」であり過ちの魔物を封印する王立探偵シオンと助手ラナの物語完結編。
シオンの生い立ちと隠され続けた秘密、彼の「過ち」とは何か。
王太子が何を考えていたのか。
それからずっと黒幕のように存在していた「魔女」の思惑。
一巻目から張られた伏線が怒濤のように回収されて真相が明らかになるの、めちゃめちゃ気持ち良かった。
あれもこれもそれも伏線だったとか、すごい展開!
そんなに大きくひっくり返してくることはなかったので、だいたい想定の範囲だったりしたけど、予想が当たったところもはずれたところもかなり楽しめた!
ある程度想定の範囲内だったとはいえ王太子の性癖と今回の顛末はやっちゃったか!て感じで私は楽しかった。
シオンの過去はすごかった。
昔とある小説のあとがきで「主人公を苦しめるほど話が面白くなるから、作者は主人公を愛しすぎてはいけない」といった作家を思い出した。
そしてなによりラナがもう素晴らしすぎて!
あまりの格好良さにヒーローとヒロインは逆転してましたね。
悲劇のヒロイン状態のシオンに活を入れつつ、全て受け入れる度量の広すぎるラナ最高です!
文句なしの☆5だけど、電子限定だからか全然読まれてなさげなの惜しすぎる。
2021/10/26 19:56
続きが気になりすぎる!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
王立探偵を名乗り、表では「王家の何でも屋」として。
裏ではかつて王家が解き放ってしまった「過ちの魔物」を封じて回っているシオンと助手のラナ。
今回は薔薇翡翠、ラピスラズリの靴、ピンクダイヤのそれぞれを巡る短編連作の事件に加えて、シオンとラナの出会いの事件の全四編。
誤解やすれ違い勘違いが今回のテーマだったのかな?
加えて二人の関係に一歩踏み込んでラナがなぜシオンのところにいるのかを明かしたけど、肝心のシオンの過ちが何か明らかにならないまま王太子の横やり(?)で二人が引き離されたところまで。
もうめっちゃ続きが気になるところで終わった。
作中でさんざん取り上げられている「生贄」「すれ違い」それから前巻の「禁断の愛」を加えて、ラストの王太子とシオンの会話から、王太子がラナを囲おうとしているというミスリードを誘発させようとしている感じ。
シオンは彼の命令に背く形でラナを手放した、という展開がくるのか、それすらもミスリードなのか。
次巻もっと分厚いらしいし続きが気になりすぎるし速やかに読みたい。
ピンクダイヤのラナと同じ孤児院育ちの公爵令嬢結構面白かったから、彼女が次巻でも出てこないかなぁ。
王立探偵シオンの過ち
2021/10/06 00:36
まだまだ序章といった話の展開だけど、キャラの関係性がいい
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
別名「王家の何でも屋」である王立探偵シオンと助手のラナ。
王太子の命で妙な事件の調査に出向き、密かにかつての王族が解き放ってしまった「過ちの魔物」を探して封印して回っている二人。
それぞれ「神と人」「同性愛」「近親相姦」といった過ちを題材にした三つの連作短編。
過ちの魔物が引きずり出されてくるほど惹かれるシオンの犯した甘美な過ちがなんなのか、まだ一巻目では明かされなかった。
シオンとラナと王太子の複雑な三角関係も気になる。
探偵と助手として軽口を叩き合いながらも、うっすら相互依存っぽさを感じさせるのがニクイわー。
王太子も、ラナの存在を無視したりする一方で、なにかにつけて気にかけてる様子だったり、シオンは絶対ラナに手を出せないからラナを預けているとかいう関係。
なんだそれ。美味しすぎるのでは?
しかもラナは自分が孤児だと思ってるから、どうやら王家の落とし胤らしいことは知らないと……。
イラストも作風もゴシックファンタジーで非常にそそられる。
巻末にカバーラフの没案とかキャララフとか載ってるのも良いね!
しかしあとがきの「私立探偵があるなら公立があるのか?」っていう疑問、まったくその通りで笑った。