死にがいを求めて生きているの
著者 朝井リョウ 著
誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――
毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年TVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。
文庫版特典:特別付録/本作と螺旋プロジェクトに寄せて
解説/清田隆之
【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】
※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画
〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作)
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
死にがいを求めて生きているの
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死にがいを求めて生きているの
2023/12/19 18:03
絶対評価での学校生活は生きづらい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物たちの想いを心に留めていくと、今の時代のなんとない生きづらさを言語化している気がする。ナンバーワンよりオンリーワンと歌われ、学校での相対評価から絶対評価へと変わった社会で育ってきた登場人物たちは、新たな心の苦しみ、悩みに立ち向かうことになった。世界から順位付けされるシステムを手放す代わりに、自分で自分を見つけなければならない終わりのない旅(自分探しの旅か)の始まりだった。この物語の終わりに、答えの一つが提示されているわけではない、心にしっかりとくびきを打たれた。
死にがいを求めて生きているの
2023/03/05 00:59
無対立
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
螺旋プロジェクト「平成」を担当する作品。
正直「共通ルール」について
これほどがっつり扱うとは思っていなかった。
朝井リョウの作品の中で
「ルール」の要素が明白に浮いていて、
読みにくさがあった。
特にエピローグにあたる
「南水智也」の章はほとんど海族山族の話でかなりだれた。
そのせいで作品全体がだれた印象になってしまった。
「ルール」要素を抜けば、
ちゃんといつもの朝井リョウ。