〈小市民〉シリーズ
小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに2人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えたポシェット、意図不明の2枚の絵、おいしいココアの謎、テスト中に割れたガラス瓶。名探偵面をして目立ちたくないというのに、気がつけば謎を解く必要に迫られてしまう小鳩くんは果たして小市民の星を掴み取ることができるのか? コメディ・タッチのライトなミステリ。
冬期限定ボンボンショコラ事件
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夏期限定トロピカルパフェ事件
2006/04/16 12:36
早くも次の作品に期待大。
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤氏の作品はラストまで読み終えてから最初に戻ると全く別の雰囲気が漂う面白さがあるのですが、今回も最後まで読んだ後、冒頭の序章を読み直すと小左内さんの笑いが別の意味を含んでいるように思えて思わずゾワゾワとしてしまいましたね。
ミステリーズ!で「シャルロットだけはぼくのもの」を読んでいたせいか、ずっと短編連作だと思っていました。ところがこの「トロピカル」は短編にみせかけて長編だったのですね。いや単純に私が短編だと思いこんでいただけかもしれませんが。
物語の最初は小鳩君が小市民を目指しながらもついつい小左内さんに挑んでしまうという小鳩君が中心の話になっていて、狼である小左内さんの牙はずっと隠されています。ところがアチコチに伏線として小左内さんの企みが貼ってあるのですがラストまで読まないとその笑顔の意味が見事に隠されているのですよね。
ここがこの愛らしい装丁とは裏腹にピリリと毒が効いた米澤さんらしいところなのです。
さすが復讐が好きな小左内さんだけあって長期に渡って準備を進めていたのですよね。
しかも敵も見事も騙しているところも二人らしいと言えば二人らしい。
お互いに二度と中学時代を繰り返さないため、小市民であることを誓ったのにも関わらず二人の関係は微妙にズレていき・・・。
さて、この続きは一体どうなるのでしょう?
次の作品は「秋期限定モンブラン事件」と言われていますがこのラストで次にどう繋がるのか早くも次作に期待のシリーズです。
春期限定いちごタルト事件
2014/06/25 08:11
米澤先生の真骨頂
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
氷菓シリーズがよかった人には間違いなくおすすめ。トロピカル、栗きんとんと続けて読みたくなること間違いなし。小佐内さんのオオカミ娘っぷりは、ますますヒートアップしていきます。
巴里マカロンの謎
2020/04/29 22:57
甘いばかりではない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『巴里マカロンの謎』は、米澤穂信の、殺人のないミステリー。
スイーツシリーズの最新巻です。
収録された4つの短篇はマカロンのほか、
チーズケーキ、あげぱん、シュークリームが題名にあります。
ここまでの三作の題名には、
いちごタルト、トロピカルパフェ、栗きんとんが入っています。
それらを再読してから最新巻を読みました。
それで、主人公の2人、小鳩くんと小佐内さんの2人には
とても親しみを感じています。
でもこの2人、
鳩のような平和主義者、
小佐内というより、幼いと書いた方がいいようなちっちゃな女の子、
そういうネーミングにひっかかってはいけない。
甘いばかりではない味わいのシリーズですが、この巻は、わりと甘い。
前巻から、時間が少し巻き戻っているから、そう感じるのかもしれない。
このころはよかったね。