社会的には死んでも君を!
薩摩八平には呪いがかかっている。その名も『ラブコメ現象』――それは呪いじゃなくて祝福だろ! と言われそうな、ちょっとエッチなハプニングが起こってしまうのだ。元凶(?)は八平に憑いている幽霊(らしい)、香月。八平以外の人間には見ることも声を聞くこともできない香月と出会って以来、八平の生活はラブコメ現象によってさんざんなものだったが、それでも八平は香月と出会えたことを後悔していない。なぜなら、香月が美少女だから。見えない女の子と喋るイタい男と思われても、ヤンデレ同級生に迫られても、美人な姉にストーカーされても、香月に触ることができなくても!「それでも君を○○!」一途でまっすぐな八平の、アンチラブコメ生活!
社会的には死んでも君を! 3
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社会的には死んでも君を!
2010/12/11 17:07
幽霊に恋する少年
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
薩摩八平は中二の部活帰りに香月という美少女幽霊と出会い、一目ぼれしてしまう。その結果かどうか分からないが、浮遊霊だったはずの香月は八平に憑りついた形となり、彼から20メートル以上離れられない体になってしまう。
そしてもう一つ、八平に訪れたのはラブコメ現象と名付けた日次イベント。毎日何かしら、女の子と手が触れ合ったり、胸に触ったり、スカートに頭を突っ込んでしまうという様な、いわゆるラブコメイベントが発生する体質になってしまったのだ。
ラブコメ作品なら最終的に許されるが、現実でそんなことをやってしまえば社会的に抹殺されかねない。強制ラブコメイベントに少しでも対抗すべく体を鍛え、もし間違いが起こっても許してもらえる様に女の子の好感度を上げる努力を続けていた。
そのせいかは分からないが、高校入学直後から、クラスメイトの染谷佳乃からは過剰に慕われるし、生徒会長の北見鈴音には気に入られるし、義姉の霧子にはストーカーばりにまとわりつかれるし、うらやましくも困った状況に。何より、八平は香月が大好きなので、彼女を放置して他の女の子と遊んでいるわけにはいかない。
だが、香月は香月で、八平が幽霊である自分に義理立てするより、生身の女の子と付き合った方が良いと思い、寂しさを振り切って身を隠す決意をするのだった。
会話のテンポが良く、ヒロインたちのボケに突っ込む主人公のやり取りが面白い。単純なラブコメと思わせておいて、しんみりとした雰囲気も作ったり、主人公の格好よさを際立たせるイベントを作ったり、何より幽霊のヒロインの切なさを描いたり、ストーリーの幅広さがある。
べたなラブコメディと言われればそれまでだけれど、深みを持った笑いを作り上げるセンスがあるという印象を受けた。
社会的には死んでも君を! 3
2012/03/18 16:03
香月が生まれた理由
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生の薩摩八平は、中学時代に幽霊の香月と出会った。誰にも見えず、話しかけても聞こえず、寂しく漂っていた香月に一目ぼれした八平は、彼女と友だちになる代わりにとりつかれ、ラブコメ現象という呪いをくらうこととなった。
ラブコメ現象とは、本人の意思とは無関係に、周囲の女の子たちに対して、ラブコメ的なハプニングイベントが発生してしまうことを指す。着替えを覗いてしまったり、胸を揉んでしまったり、ぶつかった拍子にパンツを見てしまったり、などなど。このおかげで周囲から変態と思われ、暗黒の中学時代を過ごした八平は、体を鍛えることでラブコメ現象の抑え込みを図り、周囲の女の子に恥をかかせなくて済むように努力をして来た。
しかしその努力もむなしく、全校生徒の目の前で、生徒会長の北見鈴音の股間に顔を突っ込んでしまった八平は、女子の敵として全校生徒から迫害されそうになる。それを救ったのは、全校放送で、八平のことが好きだから何をされてもいい!と宣言した、鈴音自身だった。
鈴音と同様に、ラブコメ現象のせいで八平の薩摩ハーレムに入ることを望んでいるのは、同級生の染谷佳乃や義理の姉の薩摩霧子、女装に目覚めてしまった親友の万石浦ヒカルらだ。そこに、誰にも見えないはずの香月が見えているらしい、財閥のお嬢様・魅剣柚姫と、その護衛の長谷川忍が関わってくることになる。
なぜ柚姫には香月のことが見えるのか、その理由がついに明らかになる。明らかになった理由はと言えば、予想外に残念で衝撃的なものだった。その衝撃の理由がもたらすインパクトを大きくするため、前半では徹底的にラブコメ現象を起こさせ、八平の香月への想いを明確に表現させ、そうして持ちあげた上で徹底的に落とすという構成が良かった。周囲の目も顧みず思いっきりやるところが潔い。
今回でこのシリーズは完結となっている。
社会的には死んでも君を! 2
2011/07/07 20:15
香月の正体を知る少女
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
薩摩八平は自分に取りつく幽霊・香月が大好きだ。だが香月がいる代償として、八平にはラブコメ現象というものが発生する。彼の周囲に近づく女の子たちが、ラブコメイベントに巻き込まれるのだ。現実でそんなイベントが起きれば、女の子は激怒し社会的に抹殺されてしまうもの。だから八平は、ラブコメ現象の影響を最小化し、香月の心理的負担を減らそうと日夜努力している。
そんな二人が迎える初めての文化祭。香月にも達成感を感じさせてあげたいと、八平に異常なまでの好意を抱くクラスメイト染谷佳乃の協力も得つつ、クラスの出し物である着物喫茶の着物のコーディネイトを香月が行えるようにする。
だが、文化祭の準備期間中もラブコメ現象は休んでくれない。生徒会長の北見鈴音のスカートに頭を突っ込んでしまうし、義姉の薩摩霧子は階段の上から降ってくるし、大変。そんな中で、香月の前に、八平以外で初めて香月を認識できる人物、魅剣柚姫が現れる。どうやら彼女は香月を知っているらしい。
香月が見えることを知らせず八平を見極めようと接近してくる柚姫。止むことのないラブコメ現象。それらは八平を再び悪夢の学園生活に叩き込もうとする。
それにもかかわらず、香月のために尽くす八平に対し、香月のとる行動とは…。
大好きな香月を守るために奮闘しつつ、ラブコメ現象に会う八平は、悲惨な状況なのだけれどどこかうらやましい。