熱狂する明代 中国「四大奇書」の誕生
著者 小松謙(著者)
日本人にも馴染みの深い「四大奇書」の『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』。出版バブルを迎えた明代後期は、人々が規範や常識を超えて、自分らしい人生を求めた、熱狂の時代だった。いかにして話し言葉による「白話小説」は生まれたのか。なぜアウトローが主人公で、反体制的なのか。作品を刊行した真の狙いとは何だったのか。元代から清代まで辿り、政治史・世界史からのアプローチも用いて、中国文学史の謎を解き明かす。
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2024/12/28 14:20
個性の強い皇帝達とその時代
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明朝という時代は洪武帝のような側近達を粛清した暴君や甥の建文帝から簒奪した永楽帝といった専制君主や万暦帝のような無能な皇帝を輩出した末に政務には熱心でも猜疑心の強い崇禎帝で滅亡するどうしようもない王朝に見えてしまうが歴代の皇帝達は側近達には冷酷でも臣下には寛大だったとは意外だった。だからこそ明朝の白話文文化が花開いていたわけだ。
著者は明の個性が強過ぎる歴代の皇帝達が好きなのは分かるが崇禎帝の問題点や皇帝と共にたった一人殉死した王承恩の名前くらい書くべきだった。
明の臣下達も強烈過ぎる個性の持ち主が多いが建文帝や明朝に殉じた人々がいるように靖康の変で建文帝から永楽帝に寝返った人物や明末に後金(清)に投降した人物や李自成に降伏してから清に降った人物も多いだろう。呉三桂が清に投降したのは崇禎帝が自害してからなので一応は明に忠義立てしたように見えるが南明の永暦帝を殺した末に最後は三藩の乱で康煕帝に刃を向けたのは、こういう時代の人物に見えてしまう。