奇子
著者 手塚治虫
復員後、GHQの秘密工作員として働く天外仁郎。久しぶりに帰る天外家は、人間関係が汚れきっていた。呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、戦後史の裏面を描く問題作!
奇子 3
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2017/01/05 22:57
奇子
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くる - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後直後の日本経済の裏と、敗戦をきっかけとして崩れていくお家制度の時代をリアリティーに感じる舞台。どろどろした人間関係ですが、作者の女性へのメッセージ性が強いなと感じました。男性の欲に翻弄されて、生涯を閉じるのではなく、人間の権利を大事にし、生き物としての女性に対し敬意をはらい神秘を感じた作者の思いが伝わります。この物語では、沢山の登場人物が殺されます。欲望の中で、あっけなく散っていく様が描かれています。一方、奇子を愛した男達は、奇子のために命を捧げます。戦争や混沌とした時代で、いつ自分の命が、他者によってあっさりと殺されるか分からない、そのために自分も誰かを殺めてしまうという中で、愛することで人は生き甲斐を持つ。人間の愛するという欲望を、蔵に閉じ込めた女の子を中心に描いており、作品自体に強い説得力を感じます。サスペンスの内容なのに、女性の人権や愛し合うことをキーワードに持ってきているこの作品に、生きることへの勇気をもらいました。
2018/12/15 16:05
事件
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
どろどろした旧家と下川事件などと絡めた極上ミステリーのような1巻。
しかしこれが2巻になると急につまらなくなるんだよなぁ・・・
2015/07/20 21:29
手塚作品の気味の悪さ
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投稿者:きっころ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさに気味の悪い手塚作品という感じ。この作品の着想はどこから来たのかとか、なんでこんなものを描いたのかとか、なんとも言えない後味の悪さが残る。