国境のエミーリャ
著者 池田邦彦(著) , 津久田重吾(監修協力)
鉄道漫画の旗手・池田邦彦が挑む新境地!!
『カレチ』『甲組の徹』『グランドステーション』など、
数多くの鉄道漫画を生み出してきた池田邦彦が
新たに挑むのは「仮想戦後活劇」!
物語の舞台は、太平洋戦争末期に本土決戦を経て
「1946年1月」に敗戦を迎えた日本。
ソ連を含む各国軍によって分割占領された日本は、
やがて「日本民主共和国」と「日本国」として独立。
それぞれが東西陣営に属する国家となり、
列島には鉄のカーテンが降ろされることとなる。
両国の境界には強固な壁が建設され、
国境の街となった東京は東西に分断されてしまう。
1962年の東トウキョウ。
押上で暮らす19歳の杉浦エミーリャは
十月革命駅(旧上野駅)の人民食堂で働く女性。
その彼女が持つもうひとつの顔、
それは東から西へ人々を逃がす脱出請負人としての顔。
若くして危険な橋を渡る彼女を待つ未来は果たして!?
“可能性としての東京”を舞台に、
壁の街で自分の道を模索する人々の物語、ここに開幕。
国境のエミーリャ 12
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2021/01/15 15:12
読み応え100%の人間ドラマ。最高です。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
3巻が出るやいなや、速攻で購入、読み終えた。
ハラハラドキドキの展開、泣ける場面、そしてクスッと笑うところもある。
物語そのものは架空の世界だが、東西の工作合戦や情報戦は当然あっただろう(し、今もあるだろう)。
そういう中で、きちんと人間が描かれている。
凡百の下手な小説よりも(失礼!)ずっと人間が描かれていると思う。
伏線やその回収、読者に適度に頭を使わせるプロットなど、とても読み応えがあった。
(池田邦彦氏らしく、鉄道の描写もとてもいい。)
半年後の新刊が今から待ち遠しい。
2020/02/15 23:19
スーパーウーマン
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:伝奇羊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は知力、機転、身体能力、行動力、どれを取っても常人を超えた「絶対に笑わない女」。一話毎の小気味よい活躍とは裏腹に、ストーリーの大きな流れは嫌な予感しかしない。それが物語に何とも言えない緊張感を与えています。
鉄道や自動車その他の小道具の描き込みの度合が絶妙で、架空の歴史を描いているにもかかわらず不思議なリアリティーを感じさせるところがすごい。
2021/01/18 06:35
相変わらずスリリングな展開です
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:伝奇羊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
3巻目になりますが、歴史上にベルリンというモデルがあるとは言え、架空の分断都市東京を舞台に草の根視点の面白い謀略活劇を毎話よく考えつくものだと感心しています。また、パラレルワールドの東京の家屋はまぎれもなく60年代の東京を匂わせるものでありながら、同時代の東ドイツで体験したのと同類の東側の雰囲気もごく自然に混ざっている絵がすごく良いです。
ストーリー的には、エミーリャの宿敵といえるウラゾフの過去を巡る話がただの回想にとどまらない展開と、エミーリャを手駒として都合よく管理しようとする西側の「上」からの意思の描かれ方がとくに秀逸でしたね。エミーリャのスーパーなアクションも健在。