扇島歳時記
著者 高浜寛
たまを 十四歳。廓に生まれた少女が残した季節の記憶。
慶応二(1866)年、日本の花鳥風月と異国の文化が交錯する長崎・出島――
早逝する宿命を背負い、美しくも残酷な季節を生きたある少女の物語。
第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞!! 高浜寛最新作
『ニュクスの角灯』『蝶のみちゆき』に連なる「長崎三部作」最終節
(あらすじ)
長崎・丸山遊郭の「たまを」は姉女郎・咲ノ介の禿(かむろ)として出島のオランダ商人邸に入る。炊事、洗濯、お使い……日々の労働に四季折々の風物を見つけ、医師のトーンやコックの岩次、フランス人貿易商の息子・ヴィクトール、混血児の小浦百年など個性豊かな人々との出会いに「廓の外」を垣間みる。
「お前は大人にならんでええ…」かつての姉女郎・几帳の言葉の意味を測りかねたまま、たまをはいつか来る「その時」を静かに待つ――
扇島歳時記(4)
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2020/10/18 09:46
ニュクスの角灯のたまさん
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本を読むまで知りませんでしたが、「ニュクスの角灯」の10年くらい昔の物語です。
ニュクスの登場人物みなさんお若い姿で登場します。美世は赤ん坊でした。
主人公はたまさん。禿だったんですねぇ。利発な女の子で周りにもとても可愛がられて。
ヴィクトールとたまさんの出会いが判明して嬉しいです。
岩次とお慶さんの関係もちょっとドキドキしてしまいましたよ。
気になってたニュクスでの隙間を埋めてくれる感じで、続きが楽しみです。
扇島歳時記 4
2022/08/31 11:16
せつない世界
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Shirley - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい世界のようで、はかない世界。どうしようもなく嫌なことが見える世界。時代にも翻弄されるたまをの生涯を考えると、せつない。
2021/06/28 09:14
自分の意に反して成長せざるを得ない子供
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
だんだん物騒になる幕末の長崎。心の支えだったいくつかの声も失って、自分の意に反して急に成長していくたまの葛藤が重なります。
たま、引っ込みになってくれたらいいのだけども、時代の波がそれを許すかどうか。
でも決して搾取だけを考えているのではない、置屋の対応も嬉しい。
岩爺に百さん、お慶さんも、どうやってこの大波を越えていくのか続きが楽しみです。