百姓貴族
著者 著:荒川弘
「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」。 マンガ家になる前は、北海道で七年間農業に従事していた荒川弘。牛を飼い、野菜を作り、クマにおびえ、エゾシマリスに翻弄されるーー。朝から晩まで年中無休で働く、タフでハードな仕事。でも読めばわかります。お百姓さんは、かっこいいのです!! あの『鋼の錬金術師』の作者がおくる、血と汗と笑いの知られざる農家エッセイ・コミック!!
百姓貴族(8)
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百姓貴族 1 (WINGS COMICS)
2012/05/18 02:19
あの大人気漫画家は農家出身だった!「ハガレン」の作者が語る爆笑農業コミックエッセイ。
29人中、29人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しのはら - この投稿者のレビュー一覧を見る
荒川弘さんのコミックエッセイ『百姓貴族』が、めっぽう面白いのです。
皆さま、ご存じでした?
大人気漫画『鋼の錬金術師』(通称ハガレン)の作者・荒川弘さんが、
1.名前の読み方は「ひろし」じゃなく「ひろむ」で、
2.男性でなく女性で、
3.北海道は十勝地方のご出身で、
4.ご実家は農家で、
5.農業高校で学び、
6.漫画家になる前は、7年間農業に従事されていた。
って事を。
私、知りませんでした。知りませんでした。すべて本書で知りました。(知らなさ過ぎ?)
その荒川さんが、農業者からの視点で語る「食」と「家族」と「農家の暮らし」。
お父さんは-20℃の牛舎にパンイチで出動するし、ニャンコは直絞り牛乳ビームを肉球キャッチ飲みするし、畑で鹿や鮭は捕れるし、農家ってすごい!農家って刺激的!農家って、農家って・・・。
コミックエッセイなので、絵柄も語り口もたいへんカジュアルでフレンドリー。ご本人は眼鏡掛けた乳牛姿。すごく笑える。
ですが、骨太な一面も。
365日・年中無休で牛乳や野菜を生産し、ニッポンの食をささえる農家。
ああそれなのに、それなのに、食料自給率の低さにもかかわらず「生産調整」と称して牛乳を捨てさせる農政。見た目のきれいさや値段で農産物を選ぶ消費者たち・・・。
街暮らしのヘダラな一消費者として、考えさせられる点が多々ありました。(反省)
「(坪でなく)ヘクタールで言えー!」「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」など名台詞も多数。
中でも同じ道産子として最も共感したのは、「母ちゃん花見って何?」「ジンギスカンを食べる口実よ」という母子の会話でした。(これ道産子の真理)
「ハガレン」からの少年読者に配慮したのか、お値段もお手頃。主婦も嬉しい(^^)
百姓貴族 1 (WINGS COMICS)
2010/01/30 20:47
歳月は勝手に来て勝手に去る。
19人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、鋼の錬金術師でお馴染みの荒川氏による農家生活を開陳したものである。
2 私の知人に、地方国立大学で、農学部に通っていた人がいるが(ただ、相当ムカシ)、彼らの話によると、実験に使った牛や豚の肉(実験では、大概臓器が使われるが、その他の残余部分。ヒレとかももとか、ホルモンとか)を、かっぱらって焼き肉したとか、実験農場から野菜をかっぱらって、鍋を作ったとかいっていた。もやしもんの世界であるが、私のような紙と鉛筆さえあればなんとでもなる文系学部からすると、大変たのしそうで、うらやましいこと限りない。しかし、まあ、商売でやるというのは何事も大変である(マンガも)。
荒川氏は、農家の子供として成長し、その間、ずっと農作業をやっていたそうな。
3 農作業というと、なんだか牧歌的でアルプスの少女がヤギを飼っていそうだが、それだけでは済まない。歳月は勝手に来て、勝手に去る。人間が作った暦(ゴールデンウィークとか、土日とかの休日)などというものに、牛さんやジャガイモさんは、関係ないのである・黄色と黒は勇気のしるし、二十四時間戦わなければならない、ジャパニーズファーマーである。
だから、ゴールデンウィークはガッデムウィークっであり、高校の時は農業実習(と称する労働)をやりつつ、休日は実家にもどって、労働にいそしまなければならないのである。月月火水木金金、ほしがりません勝つまではである。
4 動物の薬が人間に結構効くというのは、山本七平氏の著作にもあって(この方、元砲兵である。太平洋戦争中、日本軍の砲兵は、軍馬で大砲を引いていたのである)、馬の薬がかなり効いたそうだが(というか、効きすぎて、皮膚がべろべろになったりしたそうな)、荒川氏も牛の薬使ってたり。
また、野生動物が外敵であるといのは、北海道に限らず、山の中の人間なら同じように感ずるところである(クマさんカワイイとかいうのは構わんが、おとなしいとされるツキノワグマでも体長160センチ、体重80キロとどんな大型犬よりもでかいのである。しかも、向こうは爪もあれば、牙もある)。田舎の人間は、動物に対して厳しい。競合する外敵であり、場合によっては、夕飯の一部だからである。
5 鋼の錬金術師で、生命に対する見方は、この農業を通じて培われたと思った次第。なお。私の友人で、農業高校に進んだやつが結構いるが、こんなに実習やってなかったと思う(本州の山の中)、恐るべし北海道。
百姓貴族 2 (WINGS COMICS)
2012/02/27 21:25
農業エッセイ漫画第2巻。
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:霜柱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鋼の錬金術師や銀の匙でお馴染みの人気漫画家荒川弘による、作者自身の体験による農業ネタ満載の農業エッセイ漫画の2巻目です。
1巻に引き続き、農家スゲエエエエとなる仰天する日常の話から、こういうのはちゃんとこちらも考えないとなあ…としみじみ頷くためになる話、そしてパワフルという言葉だけでは表せない作者父の武勇伝、そして今回は作者の先祖の武勇伝?までも収録され、1冊での満足度は中々の物です。
個人的には作者の先祖の話で、田中正造と一緒に戦ったというエピソードが一押しですね。自分は栃木県民なので!
ちょっとオチがあれーっていう話ではありましたが(笑)
ともあれ全体的に1巻よりパワーアップしてる気がしますねー 1巻共々おすすめです。