贋 まがいもの
著者 黒川裕美(著者)
才能を持ちながら、売れない幽霊画を描き続ける画家・内海素馨(うつみ・そけい)。 食い詰めた内海は、一度きりの贋作作りに手を染めてしまう――。丁寧な描写で描かれる贋作作りの過程と、緊迫の売買シーンは必見! 昭和初期の東京を舞台に、黒川裕美が描くアート×クライム。【著者プロフィール】黒川裕美(くろかわ・ゆみ)広島県出身。2015年、ハルタコミックグランプリを受賞。2020年、初連載作『夕凪に舞え、僕のリボン』を刊行。卓越した画力と演出力を持つ期待の新鋭。
贋 まがいもの 二
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贋 1
2023/12/23 13:08
ちょっと読むつもりが一気読みしたコミック
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投稿者:幸三 - この投稿者のレビュー一覧を見る
真贋の「贋」をまがいものと読むそうで、タイトルどおりのストーリーでして、軽く目を通してキャラの顔だけ覚えてスーパーに行くつもりが、一気読みしてしまって、買うものも予定通りとはいかなくて、良い作品は人生に影響を与えるんだなぁと思いました、そういう影響ではないのでしょうけれど。
ただ経験として、じっくり見て値段相応なのかと商品を比べるのと真贋との区別に、骨董品や芸術品は別の価値があるんですよね。チラシの品が遅くに出たから売り切れちゃっていたけれど、時節柄と流通と商店の思惑が決める価格と違って、オリジナルで在るか否かの点が、作品そのものが宿す質感や受ける印象とは別の価値を芸術品には見出されているんですよね。
創作物として、描かれた過程や作者の生き様まで込みで語ることを許す土壌の上に芸術品の価値は成り立っていて、唯一無二の芸術作品であるから途方もない価格も受け入れられていて、バンクシーの落書きすらオークションにかけられてしまいます。
そういう作者に付帯する価値をカネに還元してしまう詐欺が贋作であるのでしょうけれど、やっぱり悪事ってのは胸が高鳴りますね!
当時の作品として見受けられるように工夫する描写とか最高でした。
何よりも贋作の売買に関わる人物の相関が堪らなかったです、なんかコミックスの表紙を眺めていて「匂い」の様なものを嗅ぎ取れた気がしたのと、どこかで売買シーンがすごく良いと聞き及んでいたので、購入したのですが、良かったです。
面白いマンガなのでオススメです!