- 販売開始日: 2011/02/11
- 出版社: 東洋経済新報社
- ISBN:978-4-492-39520-2
「改革」はどこへ行った?
著者 竹中平蔵 (著)
10月20日の西川善文・日本郵政社長の電撃的辞任、政権交代後の初めての臨時国会の開催。一言で言えば、こうした民主党政権の先行きを占うギリギリの最新情報までも取り込んだのが...
「改革」はどこへ行った?
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商品説明
10月20日の西川善文・日本郵政社長の電撃的辞任、政権交代後の初めての臨時国会の開催。一言で言えば、こうした民主党政権の先行きを占うギリギリの最新情報までも取り込んだのが、類書には見られない本書の最大の特色だ。
小泉・竹中改革に対する批判は、鳩山由紀夫民主党政権が誕生した後もエスカレートする一方である。現在の日本が抱えるすべての問題の元凶が小泉・竹中改革にあったかのように非難する無節操な新政権の閣僚やTVコメンテーター、「100年に1度だから」「マニフェストに書いたから」という"錦の御旗"ですべての財政バラマキを正当化しようとした(している)麻生前政権や鳩山新政権の政策の有り様、10年先を議論すべき大事な時期に重箱の隅を突くような"批判のための批判"に明け暮れるマスコミ……、こうした現状は、日本の経済論壇における政策論議の"長期的衰退"を物語る。
本書はこうした現状に一石を投じ、議論の活性化を目指す。
筆者は、小泉純一郎元首相の政界引退、先の総選挙における自民党敗北と、改革派・小泉チルドレンの消滅などで、今や孤立無援の竹中平蔵氏。小泉・竹中改革に対するいわれなき批判への反論、赤信号が灯った郵政民営化への怒り、逆行する政策金融改革への失望、民主党政権の「官僚による"脱官僚"」の矛盾、霞ヶ関(特に財務)官僚復権への悲憤……改革を主軸にすえた骨太の議論を展開する。政策の立案や実行の現場にいた竹中氏ならではの歯切れのよい議論や、首尾一貫したブレない政策スタンスが、読者の支持を得ることは間違いない。
著者紹介
竹中平蔵 (著)
- 略歴
- 1951年和歌山県生まれ。一橋大学経済学部卒業。博士(経済学)。小泉内閣で金融担当大臣などを歴任し、政界を引退。慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授。
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民主栄えて、国めっちゃくちゃ
2009/11/28 03:54
17人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の要諦は、つまり小泉改革にNOを突き付ける批判への反論である。民主党の知恵足らずはいつも判で押したように「小泉改革で国民の暮らしはよくなったのか。なりませんでしたね」などとほざく。経済には流れというものがあって、小泉改革の本当の大成果である不良債権処理を済ませていなかったら、今頃日本経済は沈没していた。これは竹中平蔵が実務においても超一流であるなによりの実績であろう。
もっとも、郵政資金を外国へ垂れ流すという話も一時竹中には向けられていた。まあしかし、流す約束というか何らかのアメリカへの寄与の意思はあったかもしれないが、金をまさかアメリカへ贈与契約を結ぶわけではないわけで、持主はあくまで預金者である。である以上、郵政資金だって取締役らは忠実義務にしたがい処理しなければならない。つまり、そんなに心配することもなかったのかもしれない。
さて、竹中氏はつまり改革が足りないから成果が止まったんだ、なのに民主党が改革を中断するのはとんでもないという。これはまさにその通り。
国民は一体民主党の経済政策の一体なにをもって支持する要素と考えているのか。じつは、民主党には一切なんの経済政策もないのが真相である。嘘でも大げさでもない。まず、マニュフェストをみても、成長戦略が皆無なことはいうまでもない。そして、通貨政策もない。今の財務大臣はもうちょっとマシなのかと思っていたら、実は通貨の素人に近い。なにしろ、就任早々為替介入を根本から否定してしまった。これには、おそらく噴飯した方も多かろう。以後、何を言ってもだれも信じなくなり、結果本日の84円である。
私は、円高政策というのは中期で誤りではないと思う。再三書評でも述べてきたのと変わりない。資源高や食糧、原材料高騰という観点と、日本の財政事情を見ればトレンドは絶対に円安である。だから、放っておけば円安になるはず。だが、今は深刻な(ゆるやかでないことは値下げ競争を見れば実感できるはず。)デフレである。デフレ化の通貨高は最悪だ。安い輸入品が入ってきてそれがますます値下げになる。今は、介入の時である。
そして、何よりも最も最悪なのが、事業仕分けなのである。科学技術予算を根こそぎカットしたことは、将来の日本に禍根どころではない。おそらく、日本人がこの地球における存在のよりどころを失うことになるだろう。いま、日本の技術は総合的には世界一である。米国特許出願数をみるまでもなく、自動車家電スパコン衛星技術造船原子力発電所・・・つまり圧倒的に世界一なのだ。
今回民主党の馬鹿は、とくにレンホウなどというまさかあそこまで愚かとは思わなんだ女が、大車輪の活躍で科学予算をカットした。技術に世界2はない。1しかないのである。1位だけが上流にいられる。そして、スパコンをはじめ、宇宙技術も、決してそれ自体だけが目的ではない。実は、最も重要なのがその製造過程で「人が育つ。思わぬ派生技術が育つ」ということなのだ。
その予算を零にすれば、今度なんかを政府が思いついて、今は三菱重工とかそういうところに委託したりできるが、それもできなくなってしまう。技術がなくなれば、一時的な円高とかそういうのとははるかに次元の違う大不況というか、資源もない借金国である日本は本当に破産するしかない。
竹中平蔵だったら、絶対にこんな愚かなことはしない。科学予算は最大の最高価値の成長戦略なのである。いま、福祉だなんだとばらまく予算の帳尻あわせのために、国そのものの崩壊を犠牲にしている。
やはり民主党には政権などとても無理だ。ほかにも、夫婦別姓や外人への参政権付与(話は地方参政権だけではない。国政まで与えようと画策しているものがいることを忘れてはいけない。)本当に、国がめちゃめちゃになる前に、なんとしても民主党が政権から退場することを願うしかない。もし民主党にいれるつもりの人がいたら、それが何を意味するか、勉強不足としかいいようがない(極左政策の可否という色のついた政治的論点ではない。経済についてである)。そして日銀総裁は、やはり竹中しかいない。本書を読み、改めて在野に置くべきレベルの男ではないと感じるにいたった。