- 販売開始日: 2011/03/01
- 出版社: 笠倉出版社
- レーベル: Cross novels
- ISBN:978-4-7730-0263-8
上海金魚
著者 かわい有美子 (著)
しっとりとした花のような色香を持つ水端佑季の恋は、初めて訪れた異国の地、上海で終わりを告げた。男の狡さに気付きながら、嘘を信じていた佑季は突然の別れに傷付き、旅先で出会っ...
上海金魚
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商品説明
しっとりとした花のような色香を持つ水端佑季の恋は、初めて訪れた異国の地、上海で終わりを告げた。男の狡さに気付きながら、嘘を信じていた佑季は突然の別れに傷付き、旅先で出会った男、滝乃と体を重ねてしまう。滝乃の包み込むような優しさに、つかの間の関係だとわかっていても、心惹かれることを止められない佑季だったが……。
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読みたかった小説
2003/05/18 15:06
15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソトネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近購入だけはしても読むのが追いつかない?BL小説のヤマが机の上にできている。頭の中を日常モードから切り替えリフレッシュするのにこの類の小説を利用しているのだが、せっかく買ったのだから読まなければと思っても数ページで力つき元のヤマに戻し後回しにする本のなんと多いことか。
そんな中で久しぶりに共感しつつ丁寧に読めて読後感もほんわりとした幸せ感を与えてくれた本書に出会えた。BLに不可欠な愛しあう場面も無理なく情熱的で好感がもてた。それに登場する人々がすべて血肉を持っているというかさりげなく描かれていてもすごく存在感がある。そのため出会って恋愛して再会してというお定まりの話のようでいて他のBLと一線を画する魅力的な1冊となっている。読んだ直後思わず「こんな話が読みたかったんだ、私」と頭の中でしみじみつぶやいた。良い時間を与えてくれた著者に感謝したい。
上海に旅するなら、これは食べたい!って本じゃないんだけど
2003/06/24 18:20
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:masae - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名と裏表紙の説明文から「ああ、オリエンタルムードで誤魔化したあの手のモノね」と勝手に思い込み、しばらく本箱に放り込んでしまった。
読んでビックリ!
思わず「ごめんなさい」と、誰にともなく頭を下げてしまった。
淡々と綴られる文章も、花本安嗣氏のイラストも、どこかノスタルジックな空気を漂わせ、昔の質の良い恋愛映画を見終わった時のような満足感を与えてくれた。
最初、攻の滝乃視点だったのが途中で受の水端視点に変わり、その後もかなり視点変更するのだが、作者の力量かスムーズで違和感がない。
逆に視点が変わることで、二人の主人公の状況や思惑なども説明っぽくならずに読み取りやすい。思わず「うまいなあ」と唸ってしまう。
文の中に描かれる上海の風景は、白いベール越しに眺めているかのように、あるいは水墨画のようにやわらかく、その中で藍色の金魚・赤い提灯・ロイヤルブルーのインコ・白いチャイナカラーのシルクシャツ・翡翠色のえんどう豆・強かに生きる人々、そして二人の恋などの点景が鮮やかに煌めく。
読み終わった後、きっとあなたも「タピオカと蜂蜜ゼリー入りフラッペ」が食べたくなるでしょう。
エゴイストに続く極上の恋愛
2003/05/15 13:06
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミントティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の上海の雰囲気をたっぷり味わえますし、ちょっぴり切なく極上の恋愛を楽しむことができます。ラブラブもしっとりと色っぽいです。2003年上半期一番のオススメかも。
しっとりした良作
2016/02/15 12:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tix - この投稿者のレビュー一覧を見る
あらすじから、身体先行のちょっと俗っぽいお話なのかな〜と思っていたのですが
いえいえ全然。。
温かで誠実な人柄の滝乃が、無垢で繊細な水端の傷ついた心にそっと寄り添い
相手に気負わせない優しさでその気持ちを解し、
自然に距離が縮まって行く・・・
浮き足立ったところもなく、しっとりと展開するお話でした。
とは言え、滝乃は温かで誠実なだけが取り柄のつまらない男ではありませんw
実に察しが良く、物慣れていてスマート、精神的にもとても大人ですが
人を楽しませながら自分も一緒に楽しめちゃうような少年らしさもあり、
何事もポジティブに捉え、(ストレートなので)女性経験も豊富です。
滝乃は初めから水端を色恋の意味で好みだと思いつつも
そういう打算抜きで水端に上海での時間を楽しませようとし、
滝乃を男性として意識してなかった水端は、
滝乃と過ごす時間の心地よさに、次第に彼に惹かれて行きます。
ノンケ×ゲイのお話ですが、互いに惹かれていく様子が自然に思える良作でした。
雑多な上海と日本の地方都市での出会いと再会
2021/12/21 07:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:蛍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作の、一作目。三作の中ではこの上海金魚の二人が一番好きです。騙されたように愛人をしている佑季と商社マン滝乃が上海で出会い、日本で再会します。それぞれの土地の雰囲気が実によく描かれていて紙面から伝わってきます。この作家さんらしい雰囲気のあるお話でした。
しかし滝乃さんやたら素敵。この人は、そのあとの二作でも出て来ますがずっと素敵でした。
三部作、第一作目です
2012/08/06 15:09
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はにーとーすと - この投稿者のレビュー一覧を見る
電子書籍しかないようなのでこちらにレビューを。
この作品と「透過性恋愛装置」「月一滴」は是非とも三作続けてお読みいただくことをお勧めします。
小さい商社の営業マン滝乃(攻め)と地方都市の公務員、佑季(受け)のお話です。
佑季は初めての上海旅行で不誠実だと知った恋人と別れることに。
いろいろあってその元恋人の取引先の営業マン滝乃と上海観光をすることになります。
最初はあまりにも淡々とお話が進むので、あれれっと思いましたがその後はすっとお話に惹きこまれました。
上海の雑踏や人々や風景の描写がお話にうまく絡めてあります。
二人で金魚を見ているシーンは印象的です。
異国と現実の生活の対比があるからこそ、あの上海のシーンが引き立っているのかなぁと思いました。
読み終わった後は気持ちがほわほわっとなる作品でした。
なんかいいなぁ
2021/04/17 13:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なるねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだ作家さん。
話に派手さはないけど、攻受両方の視点で丁寧に進んで行くのが良かったです。
二人のその後も読んでみたいです。
しっとり美しい
2020/06/12 17:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KoLe - この投稿者のレビュー一覧を見る
私には初めて読むタイプのお話でした。書き下ろしがあるのかと思ったのになかったのですが、こういうエンディングも映画のようで素敵だと思いました。情緒があって湿度が伝わってきそうです。とにかく読者にイメージしやすい表現と文体ですぐに引き込まれて堪能しました。BLにこだわらず、どんな組み合わせでもいい感じになるお話だと思いました。
シリーズの1作目ですが
2021/05/03 15:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:zuka - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は「恋愛透過装置」、「月一滴」の順で読みました。面白さや好みの順番もその順です。登場人物が他の作品にも出てくるので読んだのですが、この作品は誤字が少し多いかな…。終わり方ももうちょっと余韻が欲しかった。でも上海のシーンは異国情緒たっぷりで良かったです。
やっと読めました
2020/04/11 22:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶちねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
透過性恋愛装置を読んで、登場する佑季と滝乃の出会いとなれそめが気になってて、ようやく購入しました。文章で読んでも佑季のしっとりした雰囲気や色気が伝わるようで滝乃と一緒に私もドキマギしてしまった。透過性~でもこの作品でも毒づきながら温かく客観的にアドバイスをくれる登の存在が本当に良いな、と思います。