象徴の設計 新装版
著者 松本清張 (著)
西南戦争が終結した後も、日本の動揺は続いていた。そんな時、今度はなんと天皇を守るべき近衛兵が反乱騒動を起こした。竹橋事件である。その背景にあったのは、自由民権運動と農村の...
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商品説明
西南戦争が終結した後も、日本の動揺は続いていた。そんな時、今度はなんと天皇を守るべき近衛兵が反乱騒動を起こした。竹橋事件である。その背景にあったのは、自由民権運動と農村の貧困。武士に代わる軍隊の脆弱さに事態を重く見た時の陸軍卿山県有朋は、軍のより一層の近代化を進めるため、軍人の軍人たる心構え、すなわち「軍人勅諭」を創るよう西周に命じる。それは天皇にのみ忠誠を誓う統一国家の軍隊だった。明治前期、帝国陸軍創設に意を尽くした山県有朋を描く。
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軍政と自由民権運動の対峙を、皮相な善悪の別で裁く安直なイデオローグ本ではない。
2003/08/20 05:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由良 博英 - この投稿者のレビュー一覧を見る
共産党に近かった作家・松本清張が、日本陸軍の創設者・山県有朋をとり上げて「象徴の設計」という題名で書いたものならば、その収まるところも見当がつく。と、予断を抱いて読み始めたところ、史料を究めた精細な筆致、濃い情報量を持つその内容に、惹き込まれた。軍政と自由民権運動の対峙を、皮相な善悪の別で裁く安直なイデオローグ本ではない。著者の本領である社会派ミステリの語り口も活きている。1962〜63年「文藝」初出。