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2007/4
続けて、これもツレから借りた。
「主人公が停滞している」という理由がなんとなくわかってきた。
町田康、織田作、牧野信一あたりが好きなひとから借りた理由もなんとなくわかったような気がする。
田舎の都市の、鬱屈した気分がこごっているようすは、たいがいの人に思い当たる節がありそうに思う。
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父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里と偶然出会う。そこで初めて知った、麗子の死。事故死という警察の判断に納得のいかない二人が、同級生を訪ね、独自の調査を始めると・・・。赤城下ろしが吹きすさぶ風の街・前橋を舞台に、若者たちの軌跡を活き活きと描き上げた、著者初期の代表作。大幅改稿で贈る、青春ミステリの決定版。※林檎の木の道と大まかな設定が似ていて、やっぱり爽やかなイメージでした。読みやすい。人が死んでいるのに全然血なまぐさい感じがない。
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“「マフラー……」
「君がしてるといい、このつぎに会うまで」”
斎木亮と、川村千里。
内容がよかったし、この2人、楽しい。
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青春ミステリ。
ものすごいどんでん返しがあるわけでも、特別魅力的なキャラクターが
出てくるわけでもないが、このジャンルの小説は読んでいて安心する。
家族とのちょっとした絆というか切っても切れない煩わしさが
安心するのかもしれない。
本題とはあまり関係ないかもしれないけど。。。
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無神経なところはおいといて、「どうにかなるさ」ていう主人公の生き方がかっこよくて好き。
樋口作品をとことん読んでみようかな、と思った。
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前橋など、情景の描き方は好きです。直接事件とは関係のない、桜子ちゃんや姉さん、川村弟くんなどの登場人物もとても魅力的でした。
ただ、事件そのものが稚拙で「7錠処方された睡眠薬が7錠残っていたのに、被害者の体内から睡眠薬が検出されている」「慎重な被害者が寒い季節に風呂に入るのに窓のカギを開けっ放し」など、警察がまったく気付かないのは不自然な気がしました。もっと、警察ではなく身近な人間だからこそ気がつく内容にしてほしかったです(しかも1週間もかからずに解決されちゃったら警察って・・・)。
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ミステリー小説としてみるとたいした内容ではない。
ただ、青春小説として読む分には雰囲気が良かった。
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1988年に作家「ぼくとぼくらの夏」で第6回サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞し、作家デビューした樋口有介の初期の快作の一つ。
デビュー作は主人公が高校生のカップルで、1990年に和久井映見主演で映画化されたが、「風少女」は映画化もTVドラマ化もされていないようだ。この作品も映画向きと思うのだが。
「ぼくとぼくら〜」に比べて爽やかな映画にはならないけれども、映画で見てみたい。
というのもミステリーではあるけど、中学の同級生の女の子の死の真相を突き止めるために、考えたり行動したりのドラマが面白く描けている。主人公・21歳の大学生、斉木亮の発想やセリフ、言い回しがとても学生っぽくないとか、相方や脇の女の子がいい女過ぎないかなど、謎解きとは特に関係なくもない細かいところがとても面白い。
個人的に事件の真相とラストのところは、自分の身に起きたとしたら相当辛いけど、かりにそうなったらこのミステリーのように振舞おうというような、イカしたものなのである。ぜひ古い作品ではあるけど映画化してもらいたい。
ラストはもっとも映画的なので、映像化の場合さらにクールなカットを考えていただければいうことなし。
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主人公は、21歳の大学生。
父の危篤の報せに故郷に帰ってきた彼は、そこで初恋の人の死を知らさせる。「奇麗だった彼女は、死んだときも奇麗だったはず」そういった違和感から、死んだ彼女の妹と共に謎を解く。
デビュー2作目で、再出版にあたり大幅に改稿したそうです。
いやあああああ、よかった。
この主人公が、21歳なのにオヤジですww 「探偵は今夜も憂鬱」の柚木草平に通じる、軽さと客観性。そして、彼をふりまわす女性陣。
結局、いい感じのオヤジになる人は、若いときから同じスタンスでいるんだよね。つーのを、つくづく感じました。
ミステリーとして事件の謎解きうんぬんより、彼をとりまく人間模様などなどを楽しむ小説です。
妹の桜子(あだ名が<つぼみ>)がいい味だしてます。
これは、絶対お買い得な本ですよww
で、樋口有介の魅力とはなになのか、つらつら考えてみた。
なんせ、これがよかったせいで、またクリックしてしまったもの。この調子でいくと、単行本までコンプリートしてしまいそうだ。
…客観性と俯瞰、でしょうか。
人間って、客観的になるのは難しい。とくにミステリーな状況だと、それは不可能に近い。が、樋口有介の作品では、主人公は常に自身を含めて客観している。客観しているといっても、冷たいわけじゃない。
その自身を俯瞰している視点。
ある意味、こういう生き方がしたいと思うようなところが、魅力なのかな。
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良作。
文句ない名作ではないが、シブイ良作ですね。
地方都市特有の閉塞感が良く出ていて、クローズドサークルを自然に描いている。
ただ、青春小説と思って読むと少しツマラナイ。ってかこれホントに青春小説?って思いたくなる。
軟派なハードボイルドだと思うとめっちゃいいけども。
ミステリとしては平凡ですが、犯人の動機に一読の価値有。
そこらへんがきっと青春小説たるゆえんなんだと思う。青くさい、とでも言おうか。
米澤穂信を昔くさくするとこうなるかな?
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父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里と偶然に出会う。そこで初めて知った、麗子の死。事故死という警察の判断に納得のいかない二人が、同級生を訪ね、独自の調査をはじめると...。赤城下ろしが吹きすさぶ風の街・前橋を舞台に、若者たちの軌跡を活き活きと描き上げた、著者初期の代表作。大幅改稿で贈る、青春ミステリの決定版。
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父親の死を聞かされ、故郷に戻った主人公は
駅で好意を寄せていた川村麗子の妹と出会い、
そこで初めて聞かされる初恋の女性の死。
死に方に納得がいかない主人公は事件を
調べはじめるが・・・。
調査の過程で再会する変ってしまった友人達。
誰がキーパーソン?
果たして川村麗子の死は殺人なのか?
それとも事故なのか?
すらすらと読んでしまった作品。
割と面白いと思います。
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毎度のことながら読み始めて2,3行で樋口ワールドに取り込まれてしまうこの心地よさ!ワイズラックの影に見え隠れする微妙な心の揺れ・・読んでいて クスッって笑ってしまうのに読み終えたあとの せつなさは何でしょう? ラストのホームのシーンは何度読んでも『絶対どこかにカメラがあるぞ!』と思ってしまう(笑)
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上州の名物といえばかかあ天下とからっ風。両方を印象的に使って前橋を舞台にしたミステリー。青春ミステリーと紹介されているが、青春ど真ん中と言うようなハツラツさとした明るさではなく、青春のほろ苦い後味と言った感じの重さが行間ににじみ出している。季節のせいなのか、舞台のせいなのか、挫折感を味わった登場人物が次々と現れるからなのか。その全てが理由なのかもしれないが、その重さが作品の魅力を引き出しているのは間違いない。とは言え、最後の別れは明るい青春そのもの。やるせない真相と対称的に予想される未来が、いいスパイスになっている。
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義父の死の報せを受けて、故郷に帰ってきた主人公。20歳の大学生。幼い頃から好きだった女性が1週間前に死んだことも知る。死んだ女性の妹と同じように事件に疑問を抱き、真相を探る。
樋口有介さんの代表的作品。
文章のあちこちから瑞々しい感性が顔を覗かせていた。
微妙な感情の動き、故郷の閉塞感などの描き方がうまく、著者の表現力、ポテンシャルを感じさせる作品だった。
登場人物たちの会話。ぎこちないような、それでいてしっくりしているような、ちょっと浮ついた印象。その世代を感じさせた。
学生時代。挫折と希望。今現在しか見えない者と、漠然とでも将来に目を向けている主人公との対比。同じ場所にいても、生きているところは違うのか。
1歩、自分のエリアから出ることができれば違った風景に出会えるかもしれない。読みながらそんなことを考えていた。
ミステリとしては、現在読むとさっぱりしたものにしか感じられない。しかし、主人公と同世代の読者なら、どうだろう。