重い...けれど考える点がたくさんあります
2011/06/13 07:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
余命わずか、と宣告された方々が「あきらめない」姿勢で、「生」を全うする姿、そのご本人のみならず、周りでサポートする方々の姿勢、医療の本質を追究する著者率いる病院の先生方...けして軽い話題ではありません。自分にとっても、自分自身がその「対象年齢」に入りつつあることや、自分の両親に対して、「そうなったら」どうするか、ということが、現実感を伴ってきています。そんな中、非常に考えさせられる内容でした。
もちろんタイトルにあるように「あきらめない」姿勢は必要だと思います。が、 治療を施す医者側と、頼るしかない患者側での圧倒的な情報、知識の差もあります。これまでは「苦しむくらいなら...」という考えも少なからず持ってはいましたが、この考え方は結構「ヒトゴト」です。自分が、あるいは自分の周りにそういう事態が発生した時に、はたしてその「考え方」を貫けるのか。そもそも貫く必要はあるのか。必ず迎える「死」に対して、どのような姿勢を持ってくべきなのか。答えの出ない質問がアタマの中を埋めます。幸いにも、今のところそういう事態は周りにはありません。が、時間をおいて会う両親に対しては、毎日会う新しい命=子供たちのそれとはまったく違う流れがあることは避けようのない事実です。子供たちに対しては親として、両親に対しては息子として、自分がどのようにあるべきか、ホントに考えます。
いつまでも今のままではない。そんなことはわかっているけれど、いつまでも今のままで「あってほしい」気持ちに負けている自分がいます。時間はそれをいつまでも許しているわけではない、ということが、40を過ぎたあたりから切実に感じる機会が多くなってきました。
ひとつできることは、「今」を大事に生きること。後悔したくないし、後悔させたくない。この本に紹介されているような「あきらめない」姿勢をとれる方々は、それまでの間に、後悔しない生き方をされてきた、あるいはそれに挑戦し続けてきたのでしょう。そのためには、自分一人で生きているわけではないし、周りでサポートしていただける人たちと共に、楽しく、前向きに生きる、このことではないかと思います。そして、大事なことは「後で」ではなくて今行動すること。感謝の気持ちは、やはり「その時」に伝えないといけない、とつくづく...両親に対してもそうですよね。勇気は要るのですが、「言葉で言わなくても」という考え方は、少し脇においておくことにして、伝えたいことは伝えようと思います。
病気とあきらめずに闘う皆さんに共通するのは「愛」かもしれません。著者も「愛」を貫いて、治療にあたっていらっしゃる姿が感じられます。この世に生を受けたイキモノとして、人間としてあるべき姿、それを感じることが大切ですね。
優しさが伝わる一冊
2009/01/16 18:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、正直、著者である鎌田氏が医者で、患者に優しく接する事で有名程度の事しか知らない。どれほど偉大な人かを知らない。本書は、その優しさが存分に伝わる内容であった。まだ、読んでいないが、「がんばらない」という本で著者は、一躍有名になった。「がんばる」という事は、ストレスに繋がる。自然に生きる事の勧めであると想像する。本書「あきらめない」は、「がんばらない」と正反対の意味あいを持つが、そういう意味ではない。癌を宣告され、余命数ヶ月という診断から何年も生き続ける患者の姿。子供の卒業式が見たい。ただ、それだけの希望で生きることが出来るのである。たった一人で子供を産まなければならない事情を持った若い女性を優しく受け止める。そういう実例が、本書には、多く記述されている。また、義父の岩次郎の思い出と感謝の言葉等も記述されている。
読み終えて、優しい気持ちにさせてくれる一冊であった。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
実話を元に癌などの病いに向きあった人のお話でした。かなり感動するお話や言葉が多く生き方について考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
「がんばらない」に続いて読みました。一つ一つのエピソードを読むたびに、人間の強さ、ひた向きさを感じることが出来ました。人はいつかは死にます。悔いのない人生を送りたいものです。
投稿元:
レビューを見る
がんばらない、あきらめない。あきらめずに終末期や困難な状況を生きた人々の話。病気で死ぬことはあっても、死は病気ではない。しかし引き受け方を誤ると、何より重い病気になってしまう。積極的に明るく死を引き受けた人間と家族の物語は、これから死と対峙する時の力になる。
投稿元:
レビューを見る
20/7/22
隙間に希望が生まれる。
心がアソビの動きをやめて、これしか生きる道はないと思ったとき、むしろ危険なんだ。
心がころころ動いていることの大切さを知った。
癒すということはこんなふうに、人とのつながりのなかで生まれてくるのだろう。
ホテル、病院>ホスピタリティ>おもてなしの心>同じ
何かを見つけるためには、感性が必要なのかもしれない。>サイレント・コーリング、サムシング・グレート、宇宙、神、自然、大いなるもの
何もないときだって雪を食べる自由があった。味がないからおいしいって、わかるかなあ。人生だって同じさ。私の人生は味はなかった。味もそっけもない人生だった。でも生きるって、けっこう楽しかったよ」
ニンゲンは犬に食われるほど自由だ>藤原新也
投稿元:
レビューを見る
この作品が、がんばらない3部作の2作目だったらしい。
すごく良かった。たくさん涙して、自分の回りの大切な人のことをたくさん想った。
雪を食べたい、と言う認知症のおばあちゃん。
子供のためにおにぎりを握ってあげる、末期がんのお母さん。
どの話も、厳しい状況の中にある小さな希望を大切に温め育てる話。
がんばらないけど、あきらめない。
そんなふうに、人に寄り添える人間でありたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
がん等不治の病で闘う人たちの言葉が胸にしみる。生きていくこと、健康でいるのが当たり前であることに感謝する。希望を持って生きている人たちがいるんだ。しかも彼らも最初から躁だったわけでなく突然病魔に犯されるのだ。自分を大切にしなくちゃいけないと思った。
腹をくくっている。そのうえで、どんなに厳しくてもあきらめないのがいい。悪い方に考えないプラス思考は見事だ。一喜一憂せずに、厳しい状況に追い込まれたときに、明るく受け止め、快方に向かったときは手綱をぐっと引き締める。
どんな状況に追い込まれてもあきらめない。
人生をどう生きようかと、ころころと心が動いているときは、安心、安心と思うようにしている。
人生は捨てたもんじゃない。
投稿元:
レビューを見る
働き盛りでがんになり、余命 6か月と宣告されても転移に負けず、 7年生き抜いた男性。思いがけない妊娠でシングルマザーとなった女子大生。あと 3か月といわれながら、子供の卒業式まで生きたい闘病を続けた母親-。辛い体験だが、病気をしたからこそ、見えてくることがある。命のある限り、あきらめないで丁寧に生きて欲しいと願い、あたたかな医療をめざして尽くす医師。(「BOOK」データベースより)
投稿元:
レビューを見る
生まれ、家族、病気、仕事、人それぞれのドラマがある。入院してたって、それは同じで。どんな形であれ、その人らしく生きていけることが、いちばん幸せなのかなと。
投稿元:
レビューを見る
こんなお医者様がいたなんて知らなかった。
こういうお医者様が増えたらいいのに…。
ナチュラルキラー細胞をふやすために、体が喜ぶことをたくさんしたい。
歩いて、笑って、生き抜きたい。
投稿元:
レビューを見る
手話通訳の事前知識としては間に合わなかったのですが、鎌田實さんの著書3冊目は「あきらめない」
この本も人が死ぬ話ばかりです。鎌田さんは「がんばらない、でも、あきらめない、希望を捨てない」という生き方を私たちに問いかけています。
文庫版の268ページ真ん中くらいに
「わからないものがあるということが、逆に、ぼくらにとって最後の希望につながっているのかもしれない。」
と書かれています。余命何カ月と告げられて「希望を捨てない」生き方をするのはとっても難しいよな~と思いつつ。この言葉を心の片隅に大切にしまっておきたいと思いました。いつか自分がそんな立場になった時「いつまでも、あるがままをキチッと受け入れて、その厳しい状況を了解しながら、なおかつ希望をもちつづける」(269ページ)ことができたらいいよなと思っています。
それともう一か所92ページから始まる「迷惑をかけて生きる」という章に書かれていた次のフレーズも素敵な考え方だなと思いました。
「『ケアの本質』ということを考えるときに、一度その『ケア』という概念を、広げて考えてみた方がいいのではないかと思うんですがね。
たとえば『面倒をみる』だったら、医師も私たちの面倒を見て下さるけれど、何より私たちは子どもの面倒をみるわけですし、親の面倒をみるわけです。」
(中略)
「ぼくが『面倒をみる』というとき、一人の人間を丸ごとみるだけでなく、家族のことや地域のことも考えてみたいと思ってきました。」
books154
投稿元:
レビューを見る
「あきらめない」2
著者 鎌田實
出版 集英社
p27より引用
“がんになったと言うと、そこらじゅうから、これがいい、あれ
がいいと、おせっかいな声が聞こえる。惑わされてはいけない。
”
医師である著者による、患者達との交流を記した一冊。
悪性腫瘍がありながら七年生きた人の話から現代医療の問題点に
ついてまで、著者の豊富な経験を元に書かれています。
上記の引用は、転移性腫瘍を患って七年生きた人の話での一文。
自分の体の事なので、自分で納得のいくようにしたいものです。
しかし、病気になって闘病を手助けしてくれる人の言うことには、
素直に耳を傾けたほうがいいように思います。
ーーーーー
投稿元:
レビューを見る
「がんばらない」を読み、「あきらめない」を買いました。今日は、下の兄の命日です。意図したわけではありませんが、お墓参りに行った後、一日で読み終えました。愛する兄の命日に読む本としてふさわしく、涙しながら読ませていただきました。遺された者として、どう生きていったらよいのかがわからなくて、何が出来るのがわからなくて、ただただ目を瞑り、兄が私を呼ぶ声を思い出してきました。「がんばらない」を読んだあと、兄がお世話になった病院のHPを久しぶりにみて、ボランティアを募集していることを知り、ボランティア募集説明会に申込みました。説明会の案内が届いたところです。仕事をしながらのボランティアが出来るのかは、話を聞いてみないとわかりませんが、行くだけ行ってきます。私にも、何かができるかもしれないと気づかせてくれた鎌田實先生に感謝。
投稿元:
レビューを見る
鎌田先生の関わってきた、多くのあきらめない患者さんたちに、生きる力をもらえる一冊。みんな少しヘンテコだけど、底抜けに優しい…。とっても魅力的です。