覚醒したのは光か、闇か。
2011/04/27 11:05
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
向山貴彦氏の作品といえば、まず思い浮かぶのは押しも押されぬ大人気シリーズの「世界一簡単な英語の本」とその続編の「ビッグファットキャットシリーズ」。そして物語作品としては、長編ファンタジーの「童話物語」がある。だけどでぶねことエドの友情?物語を描いたBFCシリーズやふわりとしたファンタジーの「童話物語」とは、本作品はイメージがまるで違う。血で血を洗うような戦いの描写も多いし、はらはらどきどきの痛快アクション系になるだろうか。でももしかしたら、これこそ向山氏の本領発揮、なのではないかと感じた。
平凡な中学校生活を送っていた、主人公永治。だがある日やって来た転校生、阿坂によってその日常はいきなり一変してしまう。阿坂は極秘暗殺組織「会」から派遣されてきた殺人者、「駒」だった。永治が思いを寄せる少女喜多見は、その殺人現場を目にしてしまう。そして命を狙われる、喜多見。冷徹で特殊な能力を使う者達が、まるでゲームのように少女を追い詰めていく。そして絶体絶命!のその瞬間。少女の命を守る為、少年は頭の中のスイッチを切った。そして覚醒した、永治。少年達の想像を絶する戦いが今、始まったのだった。
…実は私は縁あって、作者の向山氏にお会いしたことがある。果たしてお会いした向山氏は非常にユニークかつクレバー。会話が非常に巧みな方だった。そしてどこか、子供っぽいw。いやこの子供っぽいというのは、クリエイターとしては非常に大事な資質だと思う。かのピカソがあのような絵を描けたのも、アインシュタインが究極の方程式を導き出せたのも、良い意味でちゃんと子供っぽさを持ちえていたからだと思う。同じような意味で、向山氏も正しく子供っぽい部分を残されていた。
そして何と本作品、氏はその原案を中学生時代に書き上げていたというのだ。確かに登場人物構成や基本プロット等、中学時代の妄想を思い出させる(とはいえ、氏が当時から相当な才能があったのは伺い知れるが)物がある。その中学時代に作ったという原案をもとに、大人になり作家になった氏が書き上げたのが本作品。これはつまり氏の一人コラボ作品、とも言えるかもしれない。中学生が書いただけなら荒唐無稽な物、少なくとも商業ベースに乗せるというのは難しい物だろうと思う。がしかし中学生ゆえの奔放さや自由さ、奇想などを大事に、プロの作家が自ら作品に仕上げたら。一体どれほど面白い作品が出来上がるのか。それを成し遂げたのが、本作品なのだと思う。
だけにズバリ、面白い!導入部分の、あえて不可解な感じ。そしてそこから段々と物語が展開し、読み手が「ああなるほど…」となった所から、一気に弾けて疾走する感覚!これはたまらない物があった。まさに、ハァハァ物である。また次巻への引っ張り方も非常にウマい。友達と味方と敵とを不思議な謎の中に介在させ、それらが微妙なバランスを保って次巻へ…となる。彼らの関係はいかに?物語の展開は?
次巻が出るのは一体いつなのだ!?久々にそう思わせるシリーズが始まった!
まだまだこれからではあるが
2020/05/24 19:41
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1巻目ということでストーリそのものはまだまだこれから という感じではあるが、不気味な雰囲気を伝えることには成功している。
次巻以降もあまり妖しい世界に落ち込まないことを期待したい。
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物語全体から考えるとまだ序章的な感じで、これからいろんな展開があるんだと思いますが、それでもスピード感があって、物語の世界に一気に引き込まれていった。これ、どれぐらいのペースで刊行されるんだろう? 続きが気になります。
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向山さんの小説がまた読めるとは思ってなかったので嬉しい! てっきり童話物語だけで筆を折ったのかと(早とちり) それはそれとして帯にビミョウに偽りあり(笑) 「14歳殺し屋」って、阿坂は年齢不詳だし高塚くんは一般人じゃないか。それとも成駒か敵方の誰かが実は正真正銘14歳だったんだろうか。
高塚くんが素人なのに納得のチート設定で素敵。最初は主人公なのかなと思ってた喜多見ちゃんですが、今のとこ高塚くんの思い人である以上に話に絡む要素がないのがちょっぴり不安。阿坂は成駒と漫才をしていてください。
県とか具体的な地名が出てこないので「日本っぽいけどそうじゃないかもしれないところ」な雰囲気。この距離感は好きなのでこれからも国名とか出さないでほしいな。
「会」はてっきり下っ端をあっさり切り捨てる非情な組織かと思いきや、上がまさかの鬼子母神。そういえば童話物語では「母」は良い属性でしかなかったので、修道女さんには超期待。組織の規模はかなり大きいみたいだけど、通報されたら困るようなのから見るに政府を牛耳れてはいないのかな。指紋とか調べたら目印を参考にするまでもなくすぐに特定できそうなもんだけど。
透明に仄暗い文体は相変わらず。童話物語よりも人死にが容赦ないのがきっつい。先生、最後の言葉が「にげろ」って……(涙) 単純に「会=悪」で「塾=善」じゃないだろうけど、どのくらいのペースの刊行で全何巻なのかな。続きを楽しみにしてます。
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次巻を期待させる展開、主人公とヒロインとの微妙な関係と今後の期待。殺しの表現も読者に想像させて、あまりトギツクしない等、良い意味で不安にさせない展開が、頁をめくる速度を加速させて気持ちよかった。
次巻が待ち遠しい作品。
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中断できなかった。気になって気になってもう一気に読んだ。止まらなかった。喪う痛みを抱えるふたりとそれを行使するふたり。痛々しい 切ない 片付かない 真っ黒な世界。逃げる場所はこの世界のどこにもない。…だからこそ。向山さんがどんな風にこの子達にひかりを与えてくれるのか、期待します。
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我が愛すべき『童話物語』の作者の作品ということで
迷わず購入
今回も優しいファンタジー色強いやつなのかしらと思って読み進めれば見事に裏切らます
本作は、現代を生きる暗殺者の話
思いがけずグロかったりして驚きました
しかし作者の、人間の内側の感情表現の切実さや痛々しさは健在
今後物語はどう展開していくのか、楽しみ
会長素敵
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続きを読むために再読。
文句なしに面白い!!
向山さんといえば「童話物語」のファンタジーな印象が強いのですが、
今回のシリーズとのあまりのギャップに驚きながらも引き込まれます。
殺し屋に狙われる少女。少女を守ろうとする少年。
そして暗躍する「孤児院」や「塾」。まだまだ謎ばかりです。
表紙絵やタイトルからは想像もできないくらい凄惨な描写の数々。
主人公・永児は何か秘めたものがありそうで、これからの展開が楽しみ。
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みなのレビューが良かったので購入。
いきなりの展開がスピーディーでなかなか面白い。目的はなんなのか、塾とは、孤児院とはなにか、色々謎があって続きが早く読みたい。
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殺し屋集団の一人が何者かに倒され、そいつに報復する為主人公の通う中学に潜りこんだ。主人公の好きな子が狙われる事になり、護りたい一心で殺人者を迎え討つ。
今度の物語は戦闘が盛り込まれてます。
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結局、いろいろなぞのまま終わってしまった。
気になるから、Ⅱも購入済み。
というより、Ⅱを見つけたからⅠを買ったのかな。
帯に中学生の殺し屋みたいなことが書かれていたけど、永児と喜多見以外みんないくつなんだろう。
永児と喜多見とか、永児と会長がほのぼのしてるので、最後の死闘がより非現実的な感じだった。
最後の会長と阿坂のお掃除のとこが好きでした。
敵同士のはずなのになんだかほのぼの。
この場面でこの先どうなるんだろうなぁとしみじみ思った。
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「ほたるの群れ1」
歴史の狭間で暗殺を請け負ってきた極秘組織「会」に、小松喜多見は拉致されてしまう。彼女に残された唯一の希望は、繋がったままの携帯電話。だが、電話の相手はごく普通の少年、同級生の高塚永児だった。果たして彼らの運命は?
1巻1話の構成。第1巻は物語の中心を担うだろう人物4人が、まずは、出揃います。「会」の阿坂浩助、「会」の実行現場を目撃してしまい、命を狙われる小松喜多見、小松喜多見が好きな高塚永児、そして、千原行人。彼らの立場は様々。殺す側や殺される側、敵対し合う関係であり、その構図は、一気に完成します。
内容は殺し合い、これは、シリーズ通じて同じはず。ちなみに、殺人行為には、残酷性をあまり感じませんでした、学校生活の雰囲気と殺す動作の描写のお陰でしょうか。また、あれ、この人何時の間にここに?と感じることもしばしば。
いきなり、命を狙われる喜多見、それを救おうとする、永児を見守るばかり。ちなみに、会長こと千原が何者なのかは分かりましたw、これは、後々役立ちそうだw
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大好きな大好きな痛々しい(決してイタいではない)青春小説きたあああ! というテンションで読んだ。まだまだプロローグ、日常の綻びの始まりなので、続刊を楽しみにしてる。<成駒>が誰かもまあ予感通りだけどこれから面白くなることを期待。
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2013/3/1
こわいなーと思いました。
血まみれ…。童話物語と類が全く異なり、個人的にはしっくりこなかったです。でも、展開は面白いかも。 2巻はとりあえずよんでみようかな。
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童話物語のときとは趣がまったく異なる現代が舞台。
暗殺組織と学園ものといったらいいのか。殺伐とした空気と乾いた感じがすごくて、退屈はしなかったが、満足感は得られなかった。
まだ一巻なので評価しにくいが、二巻も読もうとはなれなかった。