女帝の古代日本
著者 吉村武彦著
「女帝の子もまた親王とする」という律令の一条は,はたして何を意味するのか.六人・八代もの女帝がつづけて誕生したことの意味は?──古代律令制国家において「女性天皇」は,むし...
女帝の古代日本
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商品説明
「女帝の子もまた親王とする」という律令の一条は,はたして何を意味するのか.六人・八代もの女帝がつづけて誕生したことの意味は?──古代律令制国家において「女性天皇」は,むしろ一般的な存在であったものと見なし,即位の背景を徹底的に読み込むところから,「女帝の世紀」の謎をとく.今後の議論の基本となる,必読の一書.
目次
- 目 次
- プロローグ――女帝にまつわる謎
- 第一章 伝承のなかの「女王」たち
- 1 ふたりの「倭国女王」――卑弥呼と壱与
- 2 「記・紀」が求めた「女性の王者」――神功皇后
- 3 「飯豊天皇」の周辺――飯豊皇女
- 4 刀剣・甲冑・古墳――考古学からみる女性首長
- 第二章 女帝の誕生
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飛鳥時代から奈良時代の6人の女帝の即位と譲位を当時の時代背景から丁寧なアプローチで展開された良書です
2019/05/18 01:38
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:多摩のおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「大化改新を考える」で中大兄(天智天皇)が孝徳天皇を一人難波宮に置き、皇極天皇や孝徳天皇の皇后までを連れ、飛鳥河辺
行宮に戻ったという異常事態を単に、「不和が公然化」とだけで終わっていたのですが、本書では、義江 明子氏の「古代王権論」からの引用として
「中大兄の単独行為ではなく、皇極との共同行動が必要があった・・・皇極は前天皇として、重要な政治的役割を果たしていたと思われる」(p.118)と
踏み更に、朝鮮半島からの政治的影響を受けて挙行された「乙巳の変」(p.109)を天皇側が権力を集中するために起こしたクーデター(p.108)や、
皇極の譲位をそれまでの蘇我氏主導の群臣推挙によって即位した皇極が自律的意思に基いて、新たな皇位継承者が決まった(p.109)、
皇極譲位のあと、持統、元明、元正、孝謙天皇というように、女性天皇は必ず一度は譲位する(p.108)と言った鋭い指摘には脱帽でしたが、
何故「大化改新を考える」では、そこまで言及しなかったのか・・・
なお一方で、斉明天皇として重祚した際の日本書記の「竜に乗れる者有り」や亡くなった際の「朝倉山の上に、鬼有り」に対しては、「フィクション
に満ちた物語」や「異様な書きざま」(p.120~121)と著書の冷静な姿勢に対し、関 裕二氏の「蘇我氏の正体」では、「蘇我氏は祟っていた」と目
を引く小見出しを付け、更に「扶桑略記」にそっくりな記載があり、鬼の正体が「蘇我豊浦大臣」(日本書記では蘇我蝦夷、先代旧事本紀では蘇我
入鹿と比定)までに言及(p.65~69)し、歴史学者と歴史作家の捉え方の違いには、驚きでした。
特に、「(阿倍)内親王の立太子は、天武・持統系の皇統を維持するため」(p.178)、「譲位宣命には、不改常典の法によって元正から聖武へと
譲位・・・その法によって阿倍内親王に譲位・・・皇位の直系継承を内容とする不改常典の法によって、皇位が継承」(p.184)されて即位した孝謙
天皇の淳仁天皇への譲位と不和、更に藤原仲麻呂の乱を抑え、道鏡を大臣禅師に任命し称徳天皇としての重祚したものの天武系とは無縁の
天智天皇の孫の光仁天皇の即位とさらには桓武天皇への譲位・・・エピローグであるように「政治情勢に翻弄されながら女帝が誕生し、女帝の
即位は常に何らかの政治的課題を切り拓く施策をもたせられた」(p.204)で、特に、689年に亡くなった我が子の草壁皇子に対し、その子で孫に
あたる7才の軽皇子(文武天皇)への皇位継承を決意した持統天皇と父である藤原不比等を介しての黒作懸佩刀の草壁皇子→文武天皇→
聖武天皇への直系伝世の強力な推進には改めて女帝の意思の強さを感じました。
特に、「古事記」が「いにしえを推す」意味の漢風諡号の推古天皇、「日本書紀」が「皇統を維持する」意味の漢風諡号の持統天皇で終わって
いることや、群臣が王権の安定化を企図して推古天皇を推挙に対し、持統天皇以降は天武・持統系の皇統維持であったが光仁天皇、桓武
天皇の即位で天武系から天智系へ皇統が交替の指摘は、多いに首肯させられました。
特に古代史の場合には、本書に限らず既出箇所の引用や繰り返しが多くなる傾向がありますが、引用頁や他の著者の作品の引用等の明記や
的確な小見出し、また巻末の年表、索引や系図も助かりました。
特に、小見出しの最終部分に、「くりかえしになるが」と遠慮がちに、そのまとめが記述されていますが決して煩い感がなく、理解を深める意味で
多いに助かりました。
女系は今後も認められないの?
2021/10/23 23:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
真子妃殿下が結婚なさる、この時、女帝というもののあり方を見つめなおそうという気持ちで読みました。女帝といっても、イギリスのエリザベス女王と全く違うのは、女系は認められていないということ、天智天皇や大海人皇子の母親でもある斉明天皇は舒明天皇の妻でもあったのだということを押さえておかなければならない
女帝はしっかりしている
2017/09/17 19:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
エテカリーナ、エレザベス、西太后など王、皇帝以上にすごい