崇高について 【小田実全集】
著者 小田実
死者に対して崇敬の念厚かったソポクレスは「コロノスのオイディプス」で崇高なる安らかな死を描いた。国家至上主義の古代にあって国家から追放されたオイディプスをひとりの人間とし...
崇高について 【小田実全集】
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商品説明
死者に対して崇敬の念厚かったソポクレスは「コロノスのオイディプス」で崇高なる安らかな死を描いた。国家至上主義の古代にあって国家から追放されたオイディプスをひとりの人間として助けたテセウスの「道理」は、「人間の道理」を基にしたベ平連の脱走兵援助の思想と重なる。文学を志した十代後半から終生、力強く小田を支えた文学のよりどころは何か。戦争、震災を生きのびた作家が人間の弱さを理解することで得た、崇高なる魂の「私的文学論」と、「西洋最古で最初」の文学論。
目次
- はじめに
- I 「被災地」「ロンギノス」「戦後文学」
- ――被災地からの「私的文学論」――
- II 崇高について
- 「ロンギノス」(小田実 訳) III 「市民国家」の文学観
- 「文」と「市民国家」の市民
- 「市民国家」の「トポグラフィ」
- IV 「コロノスのオイディプス」
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