米原さんには感服!
2015/12/28 09:45
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピングー - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの米原さんの作品を読んでも、彼女の言語のみならず、あらゆることの探究心、洞察力、知識欲には感心させられ、感服だ。
著作を全て読んではいないが、読後に、いつも、もっともっと読んでみたい、話を聴いてみたい、という思いに駆られるが、今や、叶うのは前者のみ。
残念でならない。
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エッセイ。
単に見識が広いというだけではない内容の豊かさ、知識の泉から流れるものがわたしを満たしてくれる。
そして解説が良かった。解説で思い出し泣きするなんて。
「オリガ・モリソヴナの反語法」「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」再読したいけど、心の準備ができないままだ。
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「真昼の星空」として刊行された新聞連載コラムの未収録分にほかの新聞や雑誌に寄せられた文章をくわえ、食、花、言葉などいくつかのテーマごとに章立てされた最後のエッセイ集。短編小説風の文章も、そして最後には池内紀さんとの対談。しばらくまえにドキュメンタリー「プラハ 4つの国の同級生」をみて、 「嘘つきアーニャ・・・」も再読したところなので、「『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を書いた理由」と出版記念対談がよめたのがよかった。やっぱりそうだったんだなあ、と。
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タイトルに惹かれて読み始めた一冊。
著者の米原万里さんはロシア語の通訳だそう。世界の色んな旅行記などでヨーロッパ物は多いけれど、ロシアや東ヨーロッパ圏物は意外に少ないので、未知のお国事情を知る感覚で面白い!
時代が少し前の話なので星を一つ減らしています。
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最後のエッセイ集。
コラムが多いからか、まとめて読むのには向かない。
こんなに、日本人の自覚を持ちながら、国際感覚に優れた人は、もうでてこないのではないか。
「わたしの中でルーマニアは10パーセント以下,もう完全なイギリス人なの」「国境なんて21世紀にはなくなるのよ」「民族とか言葉なんてくだらない」などという。番組はアーニャの言葉を追認し美化する形で終わっている。国や民族や言葉から自由になる,なんて格好いい生き方なのだろう,という感じで。
しかし,わたしにはこのアーニャの発言が心に引っかかった。番組を録画したビデオを見たリッツァやヤスミンカの反応は,さらに過激だ。「胸くそ悪くてアーニャの発言のところでスイッチを切ったわ」。
どうして二人の優秀なテレビウーマンが納得し,多くの日本人視聴者が感動したアーニャの発言に,わたしや他の旧友達が欺瞞と偽善の臭いを嗅ぎ取ったのか。そこに日本人の考えるグローバル化と本来の国際化のあいだの大きな溝があるような気もした。
~『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を書いた理由~より
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いろんなところに掲載された短めのエッセイがたくさん収録されています。
食べ物にからむ話、言葉にからむ話などどれも面白いのだが、花にまつわる話がとくに興味深かったですね。
「生命のメタファー」というタイトルのエッセイでは、なぜ人は花を愛でるのかについて考察されています。
花の美しさ、なぜ人が花に心ひかれるのかについてこんなにも深くきっぱりと言い切った文章は、ちょっと他では見られない、凛とした雰囲気が漂う素晴らしいエッセイだと思いました。
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ぴりっと引き締まった、短いのにみっちり詰まった文章たち。ひとところに落ち着きがちな興味や思考を、ちょっとずらしてくれる楽しさ。
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米原万里さんの最後のエッセイ集。コラムなのかな?ショートショートくらいの長さです。でも、短いなかにもピリリと光るものがあるし引き締まる。本の中で自分の日本語が堅いって言ってたけど、これが好きかな。最後にお母さんの告別式で読んだもの、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』についての対談があって、これが本当に読めて良かった。
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短いエッセイが沢山入った本ですが、どれを読んでもどこから読んでも、とにかく面白い。エピソードも面白いし米原さんのものの捉え方も面白いし、語り口も威勢が良くて爽快。米原さんのエッセイは、飽きることなく繰り返し読んでいます。
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一個一個が短いコラムなんですぐ読める。
それはちょっと決めつけなんじゃないの?とか頑固さを感じるような箇所もあるけれど、ズバッとした物言いが心地よい。
前半部の当たり前のことや奇抜なことを述べて結論にリードしていくのがうまい。
新しい文庫を手にする度にもう米原さんの文を読めないと思うと寂しい。
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米原さん大好きで、文庫になるまで待ってましたが、
やっと読めました。
どうしても無理な話ですが、
今の日本の、世界の現状をどういう風に書き残してくれるのか、どういう風に語ってくれるのかが、
聞きたくて、読みたくて、しようがありません。
ただ、こんな状況を見ない方が幸せだったのかも、
と思えてしまうのが残念ですが。
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米原万里は生前にぜひ会って話を聞いてみたかった作家の一人だ。はっきりした物言い。流されない物の見方。好奇心いっぱいで何もかも楽しもうとしているように思える。まだまだやりたいことはたくさんあっただろうに、亡くなったことを、「もったいない」と思ってしまう。でも、実は「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」をまだ読んでいない。早く読まなくちゃ、とこの本を読んで思った。ルーマニアの高官の娘で愛国主義者だったアーニャが「民族や言語なんてくだらない」と思うに至るまでには何があったのか。この「嘘つきアーニャ」等を書くきっかけになったNHKの番組「世界わが心の旅 プラハ」も見てみたいけど、無理だろうなあと思っていたら、どうも、YouTubeで見ることができる模様。いや、ネットってほんとに便利だけど、便利すぎて怖い。と話はずれにずれたけれど、まだ米原さんの本で読んでない本がたくさんあるのがうれしい。読破するぞ!
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ロシア語同時通訳者だった米原万里さんのエッセイ集。雑誌連載を集めて出版されたものなので、「寄せ集め」感は拭えないが、米原さんの知的さ、好奇心旺盛さを感じられておもしろい。
米原さんが後に小説の題材にしたという「収容所の女囚たちによる寸劇」は、取材時のエピソードを読むだけでも涙が出た。次はその小説『オリガ・モリソブナの反語法』を読みたい。
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うそつきアーニャの真っ赤な真実の著者のエッセイ集。期待したほどではなかったが、チェコ在住経験の筆者が描く、旧ソ連配下の国々の国民性の違いは、自分で旅したからこそ実感が沸く。チェコはずる賢くって、ロシア系は本当は優しいんだとか。ユダヤはドイツが虐殺したけど、各国も本当は嫌っていてドイツに肩入れしていたんじゃなかとか。
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2012.8.1〜9 読了
日本と欧米の文化の違いが浮き彫りになっていて興味深い。中欧ヨーロッパの位置付け、知識量しか評価しない日本教育と論文・口頭試問評価の欧米教育、返却時にどんな内容だったか聞かれる図書室、ロシア語では何通りもある”素晴らしい”の表現、基本的には底抜けのお人好しで天賦の才能は自分だけのものではないと考えるロシア人の性向などなど。しかしロシア人が昔から蕎麦を食べていたとは・・・