非道、行ずべからず
著者 松井今朝子 (著)
文化六年元旦、江戸最大の劇場(こや)、中村座が炎上し、焼け跡から、男の死体が見つかる。正月興行に水をさされ、下手人が身内でないことを祈る劇場主十一代目中村勘三郎。だが折し...
非道、行ずべからず
商品説明
文化六年元旦、江戸最大の劇場(こや)、中村座が炎上し、焼け跡から、男の死体が見つかる。正月興行に水をさされ、下手人が身内でないことを祈る劇場主十一代目中村勘三郎。だが折しも、三代目荻野沢之丞が、誰に名跡を継がせるか、話題となっていた。反目しあう兄弟、戯作者、帳元、金主等、怪しいヤツばかり。北町同心達が謎を追ううち、次なる殺人が…。芸に生きる男達の修羅地獄を描く長編時代ミステリー。
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江戸時代の芝居小屋のミステリ
2005/10/02 20:43
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代の芝居小屋のミステリ 松井今朝子さんの名前は、ぽつぽつ
聞いていたのですが、初めて読んでみました。
凄い、面白い!!。
簡単に説明すると、
江戸時代の芝居小屋で、火事があった後
焼け跡から、その芝居小屋の出入り業者の死体が発見されます。
そこから、話しは、発展していく、
ミステリなのですが、これが、又、芝居小屋内部の人間関係、
人間模様、役者とは、どうゆう人間なのかが、
丹念に描かれて、作品の重厚感を出す裏打ちをしっかりしています。
私の不勉強のため、本作で言う芝居が、
純粋に歌舞伎なのか、現代でいう演劇なのか、
時々、本書の内部関係者は、狂言と呼んだりしていますが
狂言なのか、ちょっとわかりませんでしたが、
兎に角、芝居小屋内の、人間関係は、
大変よく判りました。
メインになるのは、女形の役者、荻野沢ノ丞と、その子ら
市ノ介と、右源次の、確執となるのですが、
これが、凄まじいです。
芝居というのは、結局、トップの主役のキャラ立ちを、
いかにするかで、他の周りの配役は、所詮どんなに頑張っても
主役をサポートすることに、なります。
逆にいうと、頑張れば頑張るほど主役をサポートすることになるのです。
正に、Winner takes it all.なのです。
そのため、トップになるという、目標が物凄く
役者には、重くのしかかってきますし、
役者たるもの、もうこれは、至上命題なのですね。
作品名になっている、
「非道、行ずべからず」と、いうのは、役者仲間で、言われる、
座右の銘みたいなもので、他のものには、目もくれず
一意専心します。という意味みたいです。
又、そういう御芝居の題名が、本編内でも登場します。
後、当時の芝居小屋というのは、
一大エンターテイメント提供の場で、本書を読む限り、
その舞台は、中吊りはあるは、水は、舞台一面に張られるはで、
今でいう、「アレグリア」
(TVのCMでしか、知りませんが)
みたいです。
(スーパー歌舞伎かもしれません。)