航路(上)
著者 コニー・ウィリス (著) , 大森望 (訳)
ローカス賞受賞!マーシー総合病院で、臨死体験者の聞き取り調査を行なっていた認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードから新規プロジェクトへの協力を求められる。ND...
航路(上)
商品説明
ローカス賞受賞!マーシー総合病院で、臨死体験者の聞き取り調査を行なっていた認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードから新規プロジェクトへの協力を求められる。NDE(臨死体験)を人為的に発生させ、その時の脳の活動を詳細に記録しようというのだ。しかしその実験にはトラブルが続出し、被験者が不足してしまう。ジョアンナはみずからが被験者となることを申し出るが、彼女が擬似臨死体験でたどり着いた場所は……!?
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書店員レビュー
今夜はこれで泣く
丸善天文館店さん
2015年最大の収穫は、コニーウィリスに出会えたことだ。オックスフォード大学史学部シリーズを経て、本作にたどり着いたわけだが、読書の喜びを味わえる、幸せな日々を過ごすことができた。
主人公のジョアンナは、臨死体験を研究し、科学的に解明しようとしている心理学者。医者のリ チャードと協力し、擬似的に臨死体験を作り出し、聞き取り調査をするが上手くいかず、ついには自ら被験者になる。仮死状態のなかで見た世界は、見覚えのある光景だった…。
一度読み始めたら止めることは難しい。ある謎を中心に、同じシチュエーションを何回も繰り返し、伏線を張り、驚きの展開で読者を困惑させ、感動のクライマックスへの準備を着々と積み上げていく。
ウィリスの魅力はたくさんあるが、最大の特徴は、この圧倒的なリーダビリティの高さにあるといえる。 もう一点、見逃せないのが子供のキャラクター造形の上手さだ。本作に登場するメイジーは、心臓病患者ながら災害おたくでおませな女の子。また他作品ながら「ドゥームズデイ・ブック」に出てくるコリンも元気で生意気な少年だ。二人ともストーリーを引っ掻き回す貴重な存在であり、読者を感動へと導くキーパーソンとなっている。まさかこの二人にあそこまで泣かされるとは思ってもみなかった。
熱心なSF読みではないとはいえ、ウィリスを読み逃していたことはとても恥ずかしい。だが未読の作品が残っていることが、こんなにも嬉しくなる作家もまた珍しい。至福の時間はまだまだ続きそうである。
泣けるSF
2013/10/14 20:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんず86 - この投稿者のレビュー一覧を見る
臨死体験とは何なのか? その時、人間の脳はどういう状態になっているのか?
死とは? 死のあとに待っているものとは何なのか?
本書はそれらの疑問に対して、ウィリスなりの解答を示しています。
テーマが“死”という重いものであるにも関わらず、それほど重たく感じないですんでいるのは、
やはりウィリス特有のコメディ的要素のおかげでしょうか。
時にユーモラスに、時に感動的に…。“泣けるSF”というウィリスの定評どおり、本領を発揮していました。
テーマは生と死
2018/05/30 06:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『犬は勘定に〜』以上に読むのに気合いが入ります。臨死体験を主軸にテーマも生と死になっていて重い話になっています。
それでも話のテンポがいいのか、途中からどんどん読み進めることができました。翻訳家さんも素晴らしいのだと思います。
最後まで読むと大きな感動が待っています!