イレギュラー
著者 著者:三羽 省吾
村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。そんなニナ高に目を付けた名門野球部K高。格下相手を練習...
イレギュラー
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商品説明
村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。そんなニナ高に目を付けた名門野球部K高。格下相手を練習台にしようというのだ。自分の球に絶大な自信を持つコーキは、合同練習初日に勝負を挑むが結果は特大ホームラン。プライドをボロボロにされたコーキはリベンジに向けて、猛練習を開始した! ダメダメ野球部のむやみに熱い青春ストーリー!!
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書店員レビュー
「イレギュラーじゃボ...
ジュンク堂書店福岡店さん
「イレギュラーじゃボールデッドにならない」
~中略~
「だから、正面からぶつかる勇気を持たなきゃならない」
住んでいた村が水害に遭い、町で避難所生活を送る蜷谷高校野球部の部員達。エースであるコーキは、練習もままならない日々に荒んだ生活を送っていた。そんなある日、センバツ出場校である圭真高校のグラウンドで一緒に練習させてもらえることに。しかしコーキは同情は御免だと圭真高校に勝負を持ち掛けるが……。
非常に熱い野球小説の登場です。しかしただ単純な野球の話というわけではありません。避難所生活や、そこから生まれる周囲との軋轢などについても描かれており、物語に深さを加えています。
登場人物たちも魅力的で、特に蜷谷高校のコーキと、圭真高校の狭間のやりとりは秀逸。二人の意地の張り合いが、この作品の青春物としての完成度を上げています。
最後に冒頭の台詞の解説を。野球に関する台詞のように見えますが、実は違います。どうして「イレギュラー」というタイトルなのか、その答えとなる最終盤のこの台詞によって、最後まで物語を盛り上げてくれました。
いや、いい物語でした。
文庫 崎村
野球と災害
2010/08/01 23:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
避難所生活を送る高校球児たちの物語
熱いといえば熱いですが、単純な熱血野球ストーリーではないです
程よくおバカで青春してて、ちゃんと現実と向き合っている
展開がちょっと突飛というか、不自然ではなくむしろリアルなのが逆に「そっちに行くんだ?」という感じで驚かされました
そのルートだとページが足りなくなるんじゃないかと思いましたが、結果綺麗にまとまっていて良かったです
話の密度の濃さがしっかり展開を支えていましたね
野球小説の傑作
2019/05/23 16:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タカシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は過疎に悩む蜷谷(ニナタニ)村。
水害に遭い、村全体で隣町の仮設住宅に避難している。
伝統あるニナ高野球部も練習がままならず、自暴自棄の日々。
だがそんなニナ高を練習相手にしようと、町の名門高野球部が声をかける。
両校は合同練習初日から派手に衝突するが、ある事件をきっかけに、挑むべき本当の勝負に気づいていく…。
全篇、笑いとジョーク、そして怒りに溢れている。
被災者に向けられる上っ面の善意、匿名の悪意。
何もできない、自分たちの無力さ。
少年たちの苛立ちはやがて頂点に達するが、事件を経て、上っ面だけでは測れない大人たちの本当の顔にも出会っていく。
どうすれば良いのか?
野球の中にその手立ては無いのか?
彼らの問いはやがて、誰も想像できなかった一つの形となって、夏の大会に結実する。
クサい言い方だが…人生には様々なイレギュラーが待っている。
不運としか言いようのないバウンド(出来事)によって、立ち尽くしたり、傷ついたり、未来を失ったりする。
だがたとえボールがグラブからこぼれようと、ミスを後悔しようと、ボールデッドにはならない。
試合も人生もインプレーのまま、決して終わっていない。
野球は僕らに、本当にたくさんのことを教えてくれるのだ。