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いつかダンテを読まねばと思っていたけれど、それにはちょっとまだ自分青二才だな、と弱気になってこれを手に取り。
大変わかりやすく、かつ面白かった。特に、
「現代の感覚でいうとダンテはストーカーである。しかも相手が死んだ後も、徹底的に追いかけ続けるので、かなり気合いの入ったストーカーだ。もっともダンテはこのストーカー行為を思想に昇華させた。」という所に笑った。他にも薔薇の円形劇場を東京ドームで説明しているのとか。
「神曲」自体は…なんて傲慢な宗教なんだキリスト教って、なんて言ったら怒られそうだけどとにかくそれに尽きました。ダンテ本人もかなりのもんだけど(誰を地獄に落としているかのチョイスが)、宗教自体、ものすごい自己中心。ダンテの解釈も勿論あるだろうけど、大体はこの時代の一般的宗教観ってものだったんだよなぁ。で、この本がまた啓蒙思想とかのあの徹底的上から目線の温床になったりしてそうだ。ダンテよ…。
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2011/1/28 Amazonより届く。
2013/8/15〜8/26
阿刀田さんによる、ダンテの「神曲」解説本。ある程度は知っていたが、本格的に内容に触れたのは初めて。世界の古典を易しく読み解くのに定評のある阿刀田さんではあるが、これはやはり読むのが、しんどかった。多大なる影響を与えた、と言われているが、ヨーロッパの人の読書率はどれくらいなのであろうか。
解説が、佐藤優さんだったのには驚いたが、佐藤さんのバックボーンから考えるとピッタリ!
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表紙とタイトルに惹かれて購入。
きっと難しい内容だろうと遠くからチラ見していた「神曲」ですが
物語風に解説しているということなので、理解できたらいいなと期待。
今読んでいる途中ですが、もしも内容が理解できなくても
読みやすい文章なので物語として普通に楽しめそうです。
そして読み終わった後の感想は・・・
やはり予備知識に乏しいせいか、よくわからなかったり理解できない
部分が多少はありました。
あまりよく知らない世界を覗き見させてもらった気分で、
内容が分からないところがあっても楽しみながら読めました。
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なんと言っても分かり易い。概要を理解するのにはぴったりかも。また、超難解な場面の解説には「わからない」「省略しておこう」「先へ急ごう」等々があってとてもセンスが良い(良いのか?)。原文読みにチャレンジしたこともあったけど、これじゃあ分からないのも当たり前かなと思ってしまうほど、予備知識が必要な古典文学。
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あれ、今度はダンテなんだ~と購入。
昔神曲は版画絵の奇麗な本を買ったことがありますが結局最後まで読んでないなあ。
相変わらずの切り口で面白かったです。
確かにキリスト教の教養が無い私なんかには理解不能な点もなるほど、そう言うことだったんだとわかることもあり、説明されてもわからないこともあり、でしたが…
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ダンテの神曲。たまに読んでみようかなと、本屋で思うこともある。その神曲を阿刀田さんが噛み砕いてくれる。
ベアトリーチェには2回会っただけ、口を訊いたこともない。その女性をダンテは聖女にしてしまう。また、フィレンツェの政敵は地獄で苦しむことにしてしまう。幼児的というか自己中心的な妄想が巨大なスケールで展開。ダンテってかなり変な人だったのでは。
ギリシャ神話や聖書との関連も判り易く説明。面倒なところは潔く省略。この辺の呼吸が有りがたい。次々に不思議な景色や圧倒的な出来事が続くので、確かに凄いものだと納得。
いつか、神曲を本当に読んでみようか。
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難解なダンテの神曲をわかりやすく解説している。と思ったら、ストーリー途中の著者の飛躍した解説、突っ込みなどノイズが多すぎて、もはや純粋な神曲の訳にはなっていない。しかしそれが楽しめる。
もともとの話自体がぶっ飛んでいて、さらに昔の文語体で訳された日本語訳神曲は、ハードルが高すぎる(地獄編から始まるので、最初で挫折すると地獄にとどまったままの印象で終わってしまう)。
そんなとき、なんとか天国まで行けるように著者が現地ガイドとなって案内してくれる。
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ダンテの「神曲」は名前を聞いたことはあるが、内容については良く分からないという人が、ざっくりと神曲を理解するために読むといい。キリスト教を信仰しないと、地獄に落ちてしまうから、気をつけましょうという啓蒙となっている。「ふしぎなキリスト教」を読んだ後で、背景となるキリスト教の知識がある程度あったので、比較的スムーズに読み進めることができた。
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神曲の世界はやっぱり難しい。でも、阿刀田高さんの解説のおかげて、世界が理解しやすかったです。解説(というよりツッコミ?)の入り具合から、阿刀田高さんと一緒に神曲を読んでいる気分。
神曲の物語は、さすが読み続けられている古典だけあって、現在に通じるものがあります。
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ロベルト・ベニーニがダンテの神曲の講演活動を行っていると聞き、即座に購入した作品。阿刀田氏の名作読み解きシリーズです。
「神」曲というからにはキリスト教を知らないと手も足も出ないだろうと思いきや。ダンテが森の中で詩人のウェルギリウスと出会い、地獄、煉獄、天国を旅する冒険譚、と捉えるとかなりとっつきやすくなります。ダンテの価値観や思想が色濃く反映されていると断言してもらえると、多少疑問はあっても「そういう時代にそういう人が書いたんだから」と流すこともできる。ギリシャ神話関連の人物がたくさん出てきますが、彼らはキリストの降臨以前の存在なので洗礼を受けていない、故に地獄にいる、なんて説明も簡潔で分かりやすい。特に、この作品が現在のフィレンツェの町の中に溶け込んでいる様子や、文学史における価値についてかかれている第一話が気負いを取り去ってくれました。「神曲」こそが正しいと思う必要はないし、全てに共感することもない。キリスト教ってこう考えるんだーとか、一人の女性を神格化して崇めるのはダンテもベニーニも一緒ですなぁ、なんて感想を挟みながら読めたら楽しそうです。
仰々しい自己紹介や故郷の風景描写を飽きずに読めるかどうかが「神曲」を読みきれるかの分かれ道になりそう。
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阿刀田さんお得意の古典入門版のダンテの「神曲」。入門版なのでかなり平易に書いてあるものの。登場人物は新旧約聖書、ギリシア神話、ローマ帝国の歴史上の人物、ダンテが生きた時代のフィレンツェや周辺地域の有力者等で、それぞれの素養がないと、背景もよく分からないと思う。私がついていけるのは入門書まで。きちんとした訳の本はついていけないだろうな(笑)。あと「煉獄」という概念がよくわからない??ちなみにロダン作の「地獄の門」(国立西洋美術館前にありますが)はこの神曲がモデルとの事。
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21世紀の日本人にはつらい?
レビュータイトルの言葉は、この本の一番最後に出てくる。正確には、
-21世紀の日本人にはつらいな-
著者の素直な感想だと思う。さすがの阿刀田さんも、旧約聖書やギリシャ神話について書いた本のように、換骨奪胎して、関連する映画や演劇、現代文学などをからめて書くのは難しかったようだ。
ただ、この「神曲」が書かれた意義をわかりやすく簡潔に表現してくれていて、十分読んだ甲斐はあったと思う。
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やはり阿刀田高の「解説本」は面白い。ダンテの神曲といえばだれでも題名は聞いたことがあるだろうが、内容は初めて知った。そして…なんじゃこりゃ。ほとんど自分の周りの人間関係を自分の好みで一刀両断!キリスト教徒以外は問答無用で地獄行き!そして二度しかあったことのない初恋の相手(ベアトリーチェ)を異様なまでに美化した(マリア様と重ね合わせる)中二病的ラブレター!
これだけ読んだら、何でこんなに世界的な名著となるのか分からなかったが、阿刀田氏の解説によると:
・中世の世界観(現生と死後)をリアルに描き出している
・ラテン語ではなく優れたイタリア語で記された詩
・古代ギリシャ・ローマに目を向けたルネッサンスの先駆け
・冥界の「パターン」を明示したこと
なるほど!しかし一般的日本人にはまず理解不能とこれまた一刀両断。
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「やさしいダンテ」とあるが……やさしくない。いや、かなりやさしくなっているのだが、それでも私にはやさしくない。でも、そんな私でもダンテの「神曲」の触りを理解することくらいは出来る良書です。天国編は本当に摩訶不思議……。
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一応ちゃんとしたやつも読んだけど、いまいちよくわからなかったのでこちらも読んだ。
内容的にはこちらで大体把握できるので、知っておきたい程度ならこれで十分かと。
それにしても、知り合いを作品にぽんぽん出すのって何か変。
独善的なキリスト教も好きになれない。