ちょっとした統計・確率の知識を使って、金融リスクについて理解できる一冊です!
2020/02/18 12:40
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在、銀行の低金利時代が続く中、資産を少しでも増やそうと投資をする人が増えていますが、そうした人の中には上手く騙され大損をすることが多いのも事実です。そうした人たちに必要なのは、統計・確率の基本的な知識で、それらを用いて、金融リスクを推測することが重要です。同書は、こうした金融リスクを理解するために必要な統計や確率の知識を分かり易く教示してくれる一冊です。同書では、「金融リスクとは」、「金融リスクを確率的に考える理由」、「短期投資のリスクシミュレーション」、「リスクとリターンの基本関係」、「現実のリスクとリターンの正体」、「中長期運用のリスクシミュレーション」、「精度を高めた中長期のリスクシミュレーション」、「リターンよりリスクが大切」という構成になっており、ちょっとした統計・確率の知識を使って金融リスクがよくわかるようになっています!
正規分布の幻想が、こねくり回しているうちに、いつかもっともらしい理論になる。
2015/05/04 13:40
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投稿者:相場師 太郎次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼が一般向けのトンデモ金融商品の故意に隠されたリスクを次々指摘したからかどうかは、わからないが、昨今の銀行窓口では投資商品の売り込みを受けるとき、説明承諾書みたいなものに、サインと印鑑を求められるようになった。
本書で紹介されている金融商品例に比べれば、
もともと10年満期で場合によっては5年で償還のものを、逆に5年満期として金融機関サイドの判断で10年まで延長というような、いかにも得をするような表現なんてかわいいものである。
それはさておき、金融商品のリスクやリターンの計算に、なぜ正規分布を使うのか、長い間疑問だったが、本書で謎が解けた。
「一番のポイントは計算しやすいことでしょう」とある。
計算しやすいって?
それじゃ物理の公式で『ただし空気抵抗は無いものとする』とたわけたことを言っているようなものだ。現実では使えない学問の言葉遊びの世界。
これじゃ、いろいろ計算していても、計算通り儲からないのは当たり前だ。
もともとの考え方が現実にそぐわないのだから。
ただし、こねくり回している内に、その思考法が習慣になり、それが正しいような錯覚に陥るのも、人間なら無理はない。プロでさえも。
だから、プロと称される人たちも、現実には販売手数料のプロであって、運用のプロではないのだと納得の一冊。
よくわからなかった
2017/11/02 13:16
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投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある程度、デイトレードとか仕組債などに関わってる人むけの書籍なのではないだろうか。統計的専門用語についてはわりと懇切丁寧に説明しているが、金融の用語、商品などについては自明のもの、という扱いだったようで、途中から何が書かれているのかよくわからなくなった。
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投稿者:白金魚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の他の作品は興味深いものが多かったが、本書は、ややつまらなく感じた。
主な題材とされている、オプションの組み込まれている金融商品が、やや古く感じられるためかもしれない。
また、高いレバレッジをかけた短期のfx取引よりも、長期で日経平均連動指数に投資する方が危険?だとする結論には、やや違和感あり。前者はあっという間に資金の大半を失う危険があると思うが、どうなんだろう。
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残念ながら2章途中で挫折。頭がついていけなくなった。
以降は流し読み。
確率統計データによると、長期より短期の方がリスクが少ないらしい。
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【数字でみるとよくわかる】
イメージや一般的にそういわれているからと、思考停止してしまうと本質を見ることができなくなってしまいます。
日常生活でも考えることをあきらめたとき、安易に世間で言われていることを鵜呑みにしてしまいます。「考えること」って疲れてしまうので、つい楽をして安易な方向に流れてしまいます。
よくない。自分で考えて自分なりの結論を出す。
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吉本佳生さんの本は本当に初心者にもためになると思います。良書。
金融商品についての「リスク(標準偏差・ボラティリティ)」について、しっかりと説明しています。
相場は短期的にも長期的にも予測は出来ず、確率・統計的に考える、というアプローチですので、相場・株価はわかるという方はなじまないかもしれませんが、これ一冊を読めば、下手な商品に手を出す確率はぐっと減るでしょう。
投資について否定的な面も多いと思われますが、そもそも株式運用を行う人は前向きな事しか考えない(後ろ向きな人はそもそも買わない)ので、大儲けを夢見るのに少し水を掛ける意味でもしっかり読んでみて、考えてみることが良いと思います。
確率思考はギャンブルや資産運用のためにある。確かにこの点は否定出来ない、というか人生ギャンブルで、不確実な中で意思決定を行うわけですから、仕方ないと思います。「リスク」という本を読んでも、「確率」はギャンブルから始まったものですし、本当にそう思います。
デイトレードは相対的にリスクが低い。長期投資はリスクが高いという誤解についても、述べられています。長期投資だから安全というわけではなく、むしろリスクは高くなっているという点は押さえておいて良いと思います。(期間を2倍にすると、リスクは√2倍になる)
※それでも長期投資を行うのは、相場は個人が容易に読むことは難しいという前提、プラスサムと言える市場を相手にする、下手な売買による売買手数料によるコストを減らす、という点からですね。このロジックが必要と思います。
基本的なベル型分布から、べき分布(ファットテール)の存在なども述べてあって、ひと通りリスクについて学べると思います。
全体的に、コラムの部分に良い指摘が濃縮されていると思います。
P105 1.「安全に儲けたいから、超危険な取引に飛び込む?」
P138 2.「リスクを誤解させて、押し付けるのが必勝法!」
P189 3.「専門家が大損する理由は、リスクの単純な誤解!」
P235 4.「長期投資への幻想が被害を甚大にする!」
安全に儲けるがために、ごく低い確率で大損する話に飛び込み「どうだ凄いだろ」と言う話が多いと感じますので、どこかで大きく損失を出して退場・事件と言う流れでしょうか。
リスクを押し付ける点もそのとおりと思います。特にビジネスでは!(投信販売もビジネスですが...) 知人も、いかにリスクを相手に押し付けるか、といっていましたし。結局その点に付きます。見えないリスクを押し付けて有利に粉飾し、勘違いを起こさせて販売する。ここから逃れるには、よく考えて、複数の主張・脈から情報を得てしっかり判断するのが大事かなと思っています。
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『スタバではグランデを買え!』で消費者の本当の利得を説いた著者による、基本的な確率論を使った本当の金融リスクについての本。数学的な常識から言えることは金融投資で必要なのはリターンよりもリスク管理だった。
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投資初心者の個人投資家であっても、投資の際には考慮してもらえるわけではない。
金融商品のリスクがどれくらいなのかイメージできないからこそ、初心者なのだが、それがとても怖い状況であるということがひしひしと伝わる。
本書では、ボラティリティ(資産価格の標準偏差)から「リスク」を説明している。
世間で理解されているリスクの意味合いとはだいぶ違うし、そのリスクを具体的な数値でつかもうとしている。
そして、自分でさいころを振って、どれくらい資産が増える(または減る)かを自分で実感できるよう、シミュレーションできるようにしてあるのが眼目だろう。
(実際は、何十回とはやってられない気はするが)
中長期の投資の方が、デイトレードより「リスク」は高いと聞いてびっくりした私のようなシロートは、もう一回読んで、しっかり勉強した方がよいと思う。
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損切りしないのは、アタマがフリーズしているから。過去の経緯は忘れて、残った資産を正しく運用することを考えるべき。
投資前に、確率的な予想を心がけ、リスクを把握する。
投資はカジノよりも確率はわからない。
投資期間が2倍に伸びると、ボラティリティ(年率換算しないもの)は、1.414倍になる。デイトレードは、その意味で安全。だが儲からないのでレパレッジを上げたくなる。
塩漬けによって(損切りしないことによって)投資期間を長くしてしまうことが(ハイリスク。
福利を考慮するためには、対数正規分布をつかう。
複雑な金融商品(仕組債)は、リスクを押し付けるもの。
投資期間とリスクの関係を正確に把握するべき。
ボラティリテと期間の関係 1,データの収集期間、2,変化率を見る期間、3,表示の基準単位となる期間(年率換算)
年率換算するには、1日のボラティリティをルート250=15.8倍する。
サイコロと違って過去の価格変動を覚えているので、完全なランダムウォークにはならない。
株式投資などの投資は、投資期間が長期になるほど、想定最大損失で見たリスクは高くなる。長期投資は長期的に上昇することが前提。長期投資は、年率換算したボラティリティだけを見ると、リスクが低いように見えるが、全体ではボラティリティの合計は高い。
100年かけて100%を失っても、年率1%しか失っていないからリスクが低い、ということはない。
価格の暴落時は、ボラティリティが高まり、リスク管理の仕組み(損切り)が更に高める=ファットテール。
下落が続くときは、複利効果がクッションのような機能を果たす。
目盛を対数にすれば複利効果を反映できる。
早期償還条項で乗り換えると損失を先延ばしする仕組みになっている。そのため、ボラティリティが高まり損失が巨大になる。
リスクを押し付けたはずの金融機関も、ボラティリティを過小評価しやすいので、リーマンショックの時には経営悪化につながった。
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・超良書。
・資期間が長くなる程、リスクは増える。つまり、短期投資より長期投資の方がリスクは高い。という長期投資にとっては耳が痛い話。
→山崎元氏の主張と同じだけれど、こちらの本の方が、更に細かく説明しているので、納得感はより高いと思う。
・短期投資はリスクが低いから(当然)リターンも低い。その低いリターンを補う為に、高レバレッジの取引をする人が多い。
→つまり、短期投資の方が長期投資より危険度が高く見えるのは、レバレッジを掛けて取引をしているから。もし同じ商品(個別株、インデックス、FX)なら、短期間保有する方が、長期間保有するよりも資産価格の変動幅は少ない。(これは感覚的にも納得できると思う)
・リターンを投資期間で割って年率表示すると、長期ほどリスクが減るように見えるが、これは年率表示というトリックが引き起こした錯覚。
例えば「100年をかけて元本を全て失っても、-100%という損失率を100年で割れば、年率1%の損失でしか無いから、ほとんどリスクが無い(だけど何故か、全額を失っている)」という無意味な主張が出来てしまう。
【複利効果】
・上昇が続くと増加幅がどんどん大きくなる
例)40%ずつの上昇
100→140(+40)→196(+56)→274(+78)
・下落が続くとマイナス幅がどんどん小さくなる
例)40%ずつの下落
100→60→36→22
→株価がマイナスになることはない。下落が続くときには、複利効果がクッションのような機能を果
たす。
・40%ずつの上昇と下落を交互に繰り返すと、140、84、118、……で、明らかに下落傾向をもちながら価格が上下する。
「前の価格×(1+40%)」と「前の価格×(1−40%)」を繰り返しているから、40%のところを「a(1 > a > 0)」として、上昇・下落の1セットの変化を一般化すると、
当初価格×(1 + a)×(1 - a) = 当初価格×(1 - a^2)
「a^2」は必ずプラス、したがって「(1 - a^2)」は必ず1より小さくなる。同じ%ずつの上昇と下落を単純に繰り返すと、どんどん価格が下がっていく。また、ボラティリティが高いほど「a^2」は大きくなるから、この効果は強くなる。
→俗にいう「ボラティリティはリターンを蝕む」という話。
【VaRによるリスク管理】
・VaRによるリスク管理では、確率分布の形が重要だが、ずっと以前から「正規分布に比べて、両端付近の確率がずっと高い形をしている」と言われていた。いわゆるファットテール。これについては、正規分布ではなく、べき乗分布を使えば解決できる、という人もいる。
→タレブが指摘する前から同じ事をいう人がいたんだねー
・統計学の話としてはそれでも良いが、VaRを無視するような巨大損失(大暴落)がときどき生じる理由は、確率分布の形状とは別の所にも理由がある。
想定最大損失をきちんと計算し、その範囲内で損失を抑えようとしても、実際に損失をそこまでで抑えるには、資産を売却しで損切り”をしなければならない。しかし、想定最大損失に近づいたところで、み���なが資産を投げ売りすると、資産価格の暴落が加速される。
→結局、リスク管理の徹底が、想定最大損失を超える損失を生じやすくするという皮肉な構造に。(単に確率分布の形を工夫すれば良いという単純な話ではない)
【モンテカルロ法】
・モンテカルロ法では、使用するボラティリティによってシミュレーション結果が大きく変わる。つまり恣意的に結果を変えられる。
→ボラティリティをどんな計算で求めているかがポイントになる。
金融機関は、極めて短期間のボラティリティを使用する傾向がある。(自分達に都合の良い結果を出すため?)
→いくら途中の計算方法が緻密でも、入り口のデータが歪んでいたら、結果が歪むのは当然。(ゴミをインプットしたら、ゴミがアウトプットされる)
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「数学が苦手な人ほどカモにされる」投資の世界で、最大の「武器」になるのが確率・統計の基礎知識。「預貯金以外で資産運用したい」人、必読。
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著者の言わんとしてるところは、概ね理解できたと思う。
バフェットも言っているが、自分の分からないものには投資をしない。本書の筆者も結局は同じことを言いたいのでは。リスクをよく理解しない内は手を出さないほうがいいですよ、と。
本書には自分にとり、目うろこの話しもあり、自分の投資方針を今一度見直さなくてはいけないと強く感じた。投資商品に手を出すのが怖くなった。
もっと言うと、低金利で魅力のない銀行預金だが、そこへの資金の移動を考えようかな。スズメの涙の金額だが。
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図書館で借りた。
私は数学が得意だが、イマイチ数学を使う投資家がどのように考えているのか、この本を読むまで分からなかった。この本を読んで、「あぁ、こういうやり方で投資家は判断してるのか」とざっくり納得がいった。
とは言え、数学の苦手な投資家に一言で言うならば、「損切りしましょう」に尽きるかな。
この本のイマイチなところは、やたらと「FX等のデイトレードはリスクが小さい!個別株式等は実はリスクが大きいのだ!」と繰り返されているところ。
そういう根拠は論じているものの、一番最初の仮定は著者が決めたことで、一般論として成り立つか議論が足りないのではないかと思うし、やたらとデイトレードを勧めるのは何か裏があるのかな、と感じた。