空気について科学した楽しく、興味深い一冊です。
2020/04/28 09:18
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、空気というものが塊だと考えられいた古き時代から、空気には重さがあり、様々な気体の種類や特性が明らかになっている現代までを分かりやすく振り返りながら、科学を楽しく学べる一冊です。現代では、「空はなぜ青いのか?」、「空気中にアンモニアが含まれるのはなぜか?」といったことまでが分るようになっており、どうした現代における空気についての知見を詳細に教示してくれる書です。同書は、「目に見えないもの」、「空気にも重さがある」、「私たちをつつむ大気―その重さ」、「ガス(気体)という考えと、その名のおこり」、「アルゴンの発見」、「なまけもののアルゴン」、「太陽の物質―ヘリウム」、「ヘリウムと放射性元素」というテーマで話が進められ、非常に興味深いものとなっています。
内容・レベル的には小学生高学年でも読めるものであるが、私にとっても実に楽しく読める読み物となっている。
2016/11/15 23:18
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず思い出したのが、マイケル・ファラデー『ロウソクの科学(The Chemical History of a Candle)』(1861年)である。我々のごく身近にある空気の実態が如何にして解明されてきたかを、様々な研究者の業績に基づいて実に解り易く説き起こしていく。内容・レベル的には小学生高学年でも読めるものであるが、私にとっても実に楽しく読める読み物となっている。
マイケル・ファラデー『ロウソクの科学(The Chemical History of a Candle)』(1861年)
イギリスの科学者マイケル・ファラデーが、1860年のクリスマス・レクチャーとして英国王立研究所で連続講演した6回分の内容を、ウィリアム・クルックスが編集したもの。日本語訳本も、岩波文庫(1933年)、角川文庫(1962年)、旺文社文庫(1969年)、講談社文庫(1972年)、 法政大学出版局(1991年)など多数出ている著名な書籍。
ガリレオやニュートンと友達になりましょう
2021/11/07 00:56
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトが生まれ落ちてから、
ほぼ常に、最も身近にありながらも、
余り気にする機会もない物質を切り口に、
科学の面白さを存分に語ってくれる本です。
ノーベル賞受賞者ならずとも、
誰かにすすめたくなる一冊。
読みやすくて面白い
2019/06/30 00:18
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投稿者:ねったいぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
空気というのは目に見えないわけで、存在そのものを意識して調べたのが、まずすごいと思いました。科学者が長年かけて調べ、現代にいたる歴史というのは知らないことが多くて、とても面白かったです。
絵が多いのも特徴で、中高生向きに書かれたと思われますが、大人が読んで楽しめる内容となっています。
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図書館から借りました
科学読み物。(というか、化け学)
空気を発見した人物の、エピソードを入れている。
子供向け、小学生でも読めるようにしてあるため、すごく読みやすい。わかりやすい。
最初に見つかったのが二酸化炭素で、それは空気中で0.03%しか大気に含まれていないのに、不思議だなと作者は言う。
また、せっかく正しい説が出たのに、権威在る者が間違った説を出したために、その後ずーっと間違った説が流布してしまった、とか。
絶えず「納得できないことには疑え」と書いてある。
薄い本だし、化学式がびっちり入っているわけでもない。
おもしろい。
科学の偉人さんがたが、挿絵付きで何人も紹介されている。
キューリー夫人は知っていても、ほかの人たちはほとんど知らなかった。
人間嫌いの学者とか(笑)
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2011夏の文庫フェア9冊目。
未来ある子供たちに、優しく語りかける口調で記された空気の物語です。
昔習った内容をほどよく忘れていたので、復習にもなり、新鮮な内容でもありました。
科学が「錬金術」だった時代を経て、空気に重さがあることを発見し、その組成を分析していった多くの科学者たち。
生きている間は研究を認められず、不遇の一生を終えた科学者たちの想いの結晶が、今の科学技術の礎をつくっているのですね。
内容は本格的ですが、やさしい言葉で書かれているので、子供たちに読んでもらいたい本です。
「理科」からもう一度勉強したくなりました。
科学って面白い。
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空気の発見について、様々な科学者の歴史的な発見を順を追って説明しています。
小中学生を対象にした文体であるため、すごく読みやすいけれど、
深さはないかな、と。
ま、きっかけ作りの一冊ですね。
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「空気」の発見やその分析を科学者の功績や科学史とともに解説されている子供向けの本。
難しい記号よりも、平易な文章が並べられている。
著者は科学教育を科学史と結びついていることを主張しておられ、『科学的精神をふきこむといっても、科学を創造した人々の思想や生活に、ふれずして、とうていその真随を理解することはできないであろう』とのこと。
僕自身は科学(こと化学)は苦手なのだけど、童心に帰った気持ちで読むことができた。
『みなさん、私は、きみたちの中から、第2のラヴォアジェ、第二のドールトンの生まれることをどんなにか、たのしみにまちのぞんでいることでしょう。しかし、私が、もっときみたちにのぞみたいことは、たとえ、むくいられることがくとも、また、たとえ、めざましい研究ではなくとも、科学の巨大な殿堂のかたすみに、ただ一つでも誠実のこもった石をおく人に、なってもらいたいということです。』
著者の優しさとまじめさがにじみ出る良書だ。
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第一部
1 目に見えないもの
2 空気にも重さがある
3 私たちをつつむ大気――その重さ
4 ガス(気体)という考えと、その名のおこり
5 気体の体積は圧力で変わる
6 マグデブルグでの実験
7 もえることの意味
8 元素の考え
9 大きなまちがい――フロギストン(燃素)の説
10 「固まる空気」――二酸化炭素(炭酸ガス)の発見
11 「毒のある空気」――窒素の発見
12 「フロギストンのない空気」――酸素の発見
13 酸素のもう一人の発見者――シェーレ
14 化学の父、ラヴォアジェ
15 人ぎらいのキャヴェンディッシュ
16 物質の目方は失われない
17 物質のもとになるもの――元素
18 化合物とはなにか
19 空気は化合物でしょうか
20 倍数の法則
21 原子説の誕生
22 ゲーリュサックと気球
23 気体のぼうちょう係数はひとしい
24 気体反応の法則
25 アヴォガドロの分子説
第二部
1 アルゴンの発見
2 なまけもののアルゴン
3 太陽の物質――ヘリウム
4 ヘリウムと放射性元素
5 オゾン――におう気体
6 オゾンと紫外線
7 二酸化炭素(炭酸ガス)――生命のもと
8 有機化合物とはなにか
9 青い炭火
10 大気のまざりもの
11 空気にも色がある
12 空気は液体にすることができる
13 気圧は高さで変わる
14 空気の組成が変わる高さ
15 大気のあたたかさ
むすび
あとがき
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薄い文庫本なのに難しい…。開いて数ページでついて行けなくなり、現役の理系高校生である弟に教わって分かってきた。高二で習った内容らしい。
非理系であった私にはハードルは高いけれど、大まかながらも分かったら楽しい。読み終えたら世界が違って見れそうだ。
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書かれた時代のせいでもあるのかもしれないけど、中学生くらいが分かるような体で書いているように見えるのに、高校生の化学でないと習わない概念が説明に用いられたりしていて、対象学年が不明ではある。
いずれにしても、一通りの知識を習ってしまっている大人が読む限りでは、結構エキサイティング。
でも何とかしてこれを中学生3年くらいの子どもたちに読ませたいなー。
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【本の内容】
「空気」に重さがあることが発見されて以来、さまざまな気体の種類や特性が分かってきた。
空はなぜ青いのか、空気中にアンモニアが含まれるのはなぜか、二酸化炭素が「固まる空気」と名づけられた理由など、身近な疑問や思わぬ発見を、やさしく解き明かす。
空気が「魂」のようなものだと考えられてきた頃から、その働きや生活との結びつきが明らかになるまでの歴史を豊富なエピソードで振り返り、科学を楽しくしてくれる名著。
[ 目次 ]
第1部(目に見えないもの;空気にも重さがある;私たちをつつむ大気―その重さ;ガス(気体)という考えと、その名のおこり ほか)
第2部(アルゴンの発見;なまけもののアルゴン;太陽の物質―ヘリウム;ヘリウムと放射性元素 ほか)
[ POP ]
人間が生きるために不可欠な空気を切り口に、科学の歴史をやさしい言葉で紹介した入門書。
空気の重さを量ったガリレオ・ガリレイをはじめ、重要な発見をした科学者は、どんなに権威がある人が言ったことでも、昔から常識になっていることでも、自分が納得できなければ実験をして、出た結果をもとに考える。
そんな「科学的精神」の大切さも説く。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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空気は重さがある物質だ、との発見はガリレイとその弟子トリチェリー。メイヨウによる燃えることの意味合いの発見、ボイルによる元素の発見。そして二酸化炭素、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、オゾンの発見まで。決して難しくなさそうなこの世界であっても最初に思いついた人は凄いと思う。この科学の世界も過去数百年に大進歩を遂げたことが分かる。
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良書です。中高生で読んでおきたかった。大学生の一般教養の時期でもよいかも。科学におけるアプローチ、姿勢的なところは働く大人にも参考になると思う。
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『ロウソクの科学』を読んだので、こちらも読んでみた。1962年初版ということは、角川文庫の『ロウソクの科学』が出たのと同じ年なので、こちらも「あります」調なのだけど、読み手を子どもに設定しているので、文章は読みやすい。「目方」とか今の子どもは知らないかもな、という言葉もあるが、読めば意味は分かるので、特に問題ないと思う。こういう本を読む子どもは、知的能力や好奇心は高いだろうし。
これは「空気とは何か」がわかる過程を少しずつ時代を追って科学者とその実験を中心に描いている。『ロウソクの科学』では、実験を目の前で行って、推理していく方式なので、実験が上手くイメージできないとよく分からないところもあるのだが、これはそういうこともないので、ハードルはかなり低い。
何よりいいのは、著者が科学と科学者に深い尊敬の念を抱いていることがわかる表現が随所にあること。
「どんなりっぱな学者がいったことでも、多くの人が信じこんでいることにでも、自分がなっとくのいかないことはないでしょうか。学問は、なっとくのいかないことを、そのままうのみにする人々の間では、けっして進歩しません。なっとくのいかないことは、どんなことでも、大きいうたがいをもって、それを、自分自身の力で解決しようとする人々によってのみ、学問は進み、多くの人々の考えを、正しい方向に導くことができるのです。」(P41)
「みなさん、私は、きみたちの中から、第二のラヴォアジェ、第二のドールトンの生まれることをどんなにか、たのしみにまちのぞんでいることでしょう。しかし、私が、もっときみたちにのぞみたいことは、たとえ、むくいられることがなくとも、また、たとえ、めざましい研究ではなくとも、科学の巨大な殿堂のかたすみに、ただ一つでも誠実のこもった石をおく人に、なってもらいたいということです。」(P97)
「自然界には、ふしぎなことが、たくさんあります。いつの時代でも、このようなふしぎなことを、ふしぎなものとして、どこまでも正面からとりくまないで、あれは、神さまの力によるものだとか、なにか妖怪変化の力によるものだなどと、かんたんにかたづけてしまう人があります。しかし、自然のふしぎに、ほんとうにおどろくのは、科学者であり、また、そのふしぎを、どこまでも追究して、なっとくのいくまでしらべ、私たちにおしえてくれるのも科学者だということができます。」(P129)
この熱さ、志の高さ。なんだか泣ける。こんなに熱い心で科学教育に取り組んでいる人がどれだけいるのかと思うと。科学を教える人間は読むべき。
あとがきに、この本を書いた動機が書かれているが、その動機はクリスマスレクチャーを行ったファラデーと相通じるものがある。
化学史の入門書として中学生に読んでほしい。
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いつも私たちのすぐそばにある空気について研究の歴史についてわかりやすく書かれていた。
ガリレオガリレイやコペルニクスなどが、自分たちを取り巻く当たり前の常識に疑いの眼を向け、批判とも戦いながら真実を探求する姿に感動した。