逆賊と元勲の明治
著者 鳥海靖
明治日本の現実の歴史過程に対して、生身の人間の個人的意思や言動、個性などは、いかなるかかわり合いを持っていたのか。西郷隆盛の「銅像建設問題」、危機の時代における「長老」の...
逆賊と元勲の明治
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商品説明
明治日本の現実の歴史過程に対して、生身の人間の個人的意思や言動、個性などは、いかなるかかわり合いを持っていたのか。西郷隆盛の「銅像建設問題」、危機の時代における「長老」の役割、政治家・明治天皇の伊藤博文への信頼と不満、軍人・山県有朋の日露開戦反対論など、先入観とフィクションを排した透徹した視線で「歴史」と「人間」を論じる。(講談社学術文庫)
目次
- 第一章 「逆賊」たちの明治
- 謀反人西郷隆盛の銅像/「反面教師」としてのフランス/政府高官に取り立てられた「逆賊」たち/明治維新は「反革命」であったか?/反対派からの人材登用/左翼活動家の活用/独裁と粛清を欠く日本/大鵬型の柔構造
- 第二章 維新の「舵」を取った指導者たち
- 明治維新の三傑/西郷の軍事的手腕/大久保の政治的手腕/木戸の優れた着想/知の人・情の人・意の人/三傑の一致団結/岩倉使節団と国内の政争/留守政府における内紛/大久保と木戸の対立/征韓論をめぐって/三人の死、そして第二世代へ/西郷起つ/三傑の後継者作り
- 第三章 明治の政界に君臨した両雄
- 伊藤博文と山県有朋/幕末の志士として/伊藤の人脈/山県有朋と徴兵制の制定/憲法起草と伊藤/政治家山県の登場/政党対策をめぐる二人の対立/元老会議の激論/伊藤と立憲政友会/短命だった第四次伊藤内閣/対照的なパーソナリティ/派閥形成能力の違い
- 第四章 草創期の政党指導者たち
- ほか
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明治期の一風変わった政治体制を学べる画期的な書です!
2020/03/11 09:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「逆賊と元勲の明治」と少し難しい表題がつけられていますが、内容は非常に興味深いものとなっています。というのも、当時の明治政府の方針に反対した、いわゆる「逆賊」と呼ばれる人たちをも政府が優秀な人物として重宝した我が国特有の明治期について、丁寧に詳細に解説されているのです。西洋では、こうしたことはなかなか起こらなかったと思います。明治というまだまだ優秀な人材を確保するのが難しい時代だったからこそ、起こったことなのかもしれません。同書では、具体的な例として、西郷隆盛の「銅像建設問題」、危機の時代における「長老」の役割、政治家・明治天皇の伊藤博文への信頼と不満、軍人であった山県有朋の日露開戦反対論、といったことが記されており、知られざる明治期の政治体制がわかります!
歴史を彩る多彩な人物
2019/01/20 18:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
元が1970年代の論考なのでいささか古い部分もあるが、明治という時代とその時代を作り上げた「人間」模様が非常にバランスよく記述されていて面白く退屈しない。
各政治家を史料に基づいてスケッチしその姿を浮かび上がらせており、「政治家」とは何かを考える手立てにもなる。
講座派への強烈な違和感を表出した一文も印象的。
逆賊と元勲
2020/10/03 17:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
他国において、戦争が終わった後に敗者を過酷に取り扱うのに、明治の日本では、戊辰戦争や西南戦争の逆賊を許し、政府に取り込んだのはなぜか、という疑問から始まっているが、これについて取り扱っているのは、第一章のみである。というのも、この本は各章がそれぞれ雑誌に掲載された文章を元に構成されているからである。他の章については、明治時代の通史となっている。