太公望(上)
著者 宮城谷昌光
古代中国史の中で、この男ほど謎と伝説に彩られた武人はいない……。羌(きょう)という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をち...
太公望(上)
商品説明
古代中国史の中で、この男ほど謎と伝説に彩られた武人はいない……。羌(きょう)という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺す――。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望(ぼう)」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作!
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天下はひとりのものではありません。天下の天下です。
2005/08/10 14:29
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たんぴん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「天下はひとりの天下ではありません。天下の天下です(後略)」
太公望が周王に会ったとき、周王の「天下をとるには、どうしたらよいのか」と言う問いに対して、太公望がこう答えという説話があります。この言葉を見たとき、今から三千年前の中国にはなんとかっこいい賢い人たちがいたものかと驚かされます。古代中国とは今の世の中よりある意味進んでいたのではないか、そんな気持ちにさえなるエピソードや、魅力的な人たちがこの本には盛りだくさんで、それを知ることができるのも大きな楽しみの一つです。
そんな説話を楽しむだけではなく、さらに、一族を殺され復讐を誓ったけなげな少年少女たちが、なぜ当時最も巨大な力を持っていた国である「商」を滅ぼすということができたのか。後に太公望と呼ばれる人間一人がどうしてそれができのか(それを周王になさしめることができたのか)。それが当時としても今でも鮮烈な出来事であるが故に、「太公望」の名は今でも広く、長く伝えられているのでしょう。著者の清涼な精神が伝わるような文章で、読者はその歴史の劇的な場面を目の前で見ているように鮮やかに感じ取ることができるでしょう。
古代中国は壮絶な世界。
2015/12/18 20:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「太公望」といえば針のついてない竿で釣りをしているところを周公に拾われ、周公を覇者にした人物として有名な人物。のんき(?)な伝説に彩られた人は実際は壮絶な人生を送った激烈な人だった。
神への犠牲に捧げれるため商に狩られる姜に生まれた呂望。一族を滅ぼされながらも生き残った少年少女をまとめ、商王朝に立ち向かう隙を窺う。
他民族は同じ人間ではなく単なる供物だったって驚きです。
とにかく出だしからすごいスピード感。時代の波が押し寄せてる感が半端ない大河ドラマです。
誰でも知っている太公望の一生
2023/08/15 15:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮城谷昌光氏が描く、太公望の一生。
姜族の生まれの彼が、商の人を生贄にする儀式のために捕まりそうになる。必死に逃げる中、幻想ともいえる導きにあう。
初めは、商もこんなことをしていなかったのではないのでしょうか?衰亡が近づくとこのような王が現れるのか?恐怖です。
釣り人ではなかった
2001/12/20 18:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タツー - この投稿者のレビュー一覧を見る
今から三千年くらい前の話。作者は中国の歴史を現地に赴くなどして調べ上げ、物語に十分な現実味を帯びさせている。太公望と言えば「釣り人」という先入観で読み始めるが、ここではそういう話にはなっていかない。この巻は望「太公望」の少年期の物語で、妖精のようでいて、超人的な能力を身につけていく、わくわくする話が詰め込まれている。商王朝を滅亡させる理由が、出だしに描かれている巻である。所々に、作者が物語の進行内容についての信憑性を考察するところがあるが、そこもまた面白いところだ。