タイトルが良いですね
2024/03/31 10:38
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
酒乱の黒田清隆がやらかしたエピソードや、小野組の話など主筋と関係ない話が印象に残ります。ずっと同じ人物ばかりで飽きてきたところに、海老原や宮崎が出てきて面白くなってきました。
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投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
征韓論を巡り、遂に盟友たる西郷隆盛と大久保利通は廟議の場で対決するに至る。そして、敗れた西郷は鹿児島に引退し、桐野ら薩摩系の軍人もこぞって辞職し後を追った。内戦の不安は現実となった。
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ご存知のとおり、西郷隆盛は征韓論が通らない事に腹を立てて、薩摩へ帰って行きます。その事が明治政府に不満を抱く人達にとって大きな意味を与えます。江戸時代から明治政府になり、明治政府が最初から機能していた訳ではなく、色々と悩みながら政府として成長していったんだと分かる巻でした。
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時代は明治6年から11年、維新後の日本国新政府を運営する幕末の志士と公家たちは、未だ新秩序を模索していた、多事多難は続く…。余談、とは書いていないけれども、余談の如くストーリーはうねうねる。征韓論の決裂、西郷隆盛辞職、反政府思想勃発、岩倉具視遭難事件、卒才黒田清隆物語、ほか収録。
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かくして廟堂は開かれ征韓派の勝利かのように思われた。三条実美と岩倉具視の変節に腹を立てた大久保は即刻辞表を提出、ひきこもってしまう。三条は周章の果てに昏倒、太政官代理は岩倉─反征韓派の手にゆだねられることに。形成逆転となった新政府、西郷隆盛はツムジを曲げて鹿児島へ帰ってしまう。それに連なって在京・薩摩ハヤトたちは連袂帰郷…しかし東京に残る薩摩人もいた。川路利良がそれであった…。一方、山県有朋は参議に昇格した伊藤博文にジェラシーして一人で何か運動を起こしているもよう…。この巻では大久保利通の政治観念がおもしろかった。薩摩人たち(桐野利秋の親友・有馬藤太とか、大久保さんに「大ばか者」呼ばわりされた海老原穆)…それに他藩出身者(宮崎八郎トカ)も顔ぶれが多彩でした。
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第三巻。
西郷隆盛が政界から離れていく様子を描いている。
相変わらず明治維新を情熱持って実行している人々の熱が伝わってくる。
欧州諸国の歴史を基にして、新しい日本を作っている。
全く新しい世界に触れて、それを良い物だと認識して自国に導入するということが出来るのが、日本人らしい柔軟さだと感じる。
新しい世界を作る。
そんな思いもいいのかな。
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征韓論に敗れた西郷は、東京を辞去し鹿児島に下る。西郷を慕う薩摩系士官たちは、続けて西郷を追い東京を去る。政府と旧薩摩が完全に二分する形となり、今後の動静を大きく左右する形成である。
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「己れを愛するは善からぬことの第一也」と西郷はつねづねいっており、人間に対する最低の評価基準をそこにおいていた。「人材を採用するのにあれは君子、これは小人といって厳密に分けすぎるとかえって害がある。なぜならば日本史の人物でみても十に七、八は小人である。・・・」小人という西郷の用語は己を愛する者という意味である。「・・・であるから相手がたとえ小人でもその長所をとってこれを小職に用いればよく、その才芸を尽くさしめればよい。水戸の藤田東湖先生もそのようなことをいわれた。小人ほど才芸のあるもので、むしろこれを用いねばならぬものである。さりとてこれを長官に据えたり、これに重職をさずけたりするとかならず国家をくつがえすことになる、決して上に取り立ててはならぬものである」
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西郷が鹿児島に帰ってしまった。
大久保は内務省を新設し、警察をその隷下に治め専制的国家に仕立てあげようとする。
2008/03/02
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征韓論の是非について、廟議開始の岩倉具視の挨拶が巧いなと思った。
いきなり征韓論という本旨に入らず、現下の外交一般問題について、議したいとすりかえた。
相手の主張を認めながら、もっと重要な案件があると、議論をすりかえていくテクニックは、非常に参考になる。
岩倉が、江藤新平の追及に対し、三条実美から代理を頼まれたのではなく、君主より代理を命じられたのであり、三条の認めたという既成事実を継承するつもりはないという、屁理屈で言い逃れて、相手の主張や追求をそらす模様があり、これも面白い。
日本人の判官びいきに関する分析、陽気な人格とは欠点さえ愛嬌になるが、失敗でさえ同情を買える。陰気ということは、
いかに謹直で誠実であっても、えたいの知れぬ腹黒さを感じさせる。
大久保の「それはご評議になりますまい」という超婉曲的な発言も面白い。
川路のにせ人望家「上に抗して下に人望を求めるもの」「上に向かって申し述べる器量なく、下に向かって上を非とし、下に人望を求めるもの」肝に銘じたい。
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司馬遼太郎に初チャレンジした作品。が、10作もあり読むのに2ヶ月超もかかってしまったww
舞台は戊辰戦争後の明治初期。西郷隆盛を大きな軸として揺れ動く日本政府の動向をあらゆる人物の観点から追っている。よくもここまで調べたなって感心してしまう
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全巻通読後のレビュー。
全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。
しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。
島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。
物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さらに川路利良の病没までを描く。
明治維新は天皇の威を借りた王政復古という形でスタートした。それが後に軍の独走いうものを招くが、この時点ではそうせざるを得なかったということも、小説中で書かれている。
後の日本を支えていく山県有朋、伊藤博文、板垣退助、軍人で乃木希典、川村純義などが登場する。
西南戦争は8巻の半ばくらいから始まる。桐野、篠原ら薩摩隼人に担がれた西郷、悲劇のような最後の激闘である。西郷が桐野や篠原といった兵児(へこ)を最も愛し、彼らと生死をともにしたことは、西郷をうかがい知る上で、見逃せない点である。
西南戦争の中身についての描写は一流である。
時間がない方にも、8~10巻は読むことをお勧めしたい。
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・2/16 あっという間の読了.ほぼ一日で読みきってしまった.いよいよ話しが佳境に入っていく筈なのにまだ三巻ということは、もっと話しは複雑だということだろうか.ますます楽しみだ(といっていい(司馬遼太郎風に)).
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征韓論をめぐって二転三転するが、伊藤博文らの奔走によって最終的に西郷が敗れ、下野する。
岩倉具視の一言「わしのこの両眼の黒いうちは、おぬしたちが勝手なことをしたいと思うてもそうはさせんぞ」が印象的でした。
筆者の余談や人物評が多くて、なかなか話が進んでいかない。
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明治維新直後の不安定な時代を描いている。
征韓論から西南戦争にいたる5年間が舞台。
西郷隆盛を始め多数の人物のエピソードと緻密な時代考証にその時代を知る思い。