目の見えない人は世界をどう見ているのか
著者 伊藤亜紗
私たちは日々、五感――視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚――からたくさんの情報を得て生きている。中でも視覚は特権的な位置を占め、人間が外界から得る情報の8~9割は視覚に由来する...
目の見えない人は世界をどう見ているのか
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商品説明
私たちは日々、五感――視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚――からたくさんの情報を得て生きている。中でも視覚は特権的な位置を占め、人間が外界から得る情報の8~9割は視覚に由来すると言われている。では、私たちが最も頼っている視覚という感覚を取り除いてみると、身体は、そして世界の捉え方はどうなるのか――? 視覚障害者との対話から、〈見る〉ことそのものを問い直す、新しい身体論。生物学者・福岡伸一氏推薦。
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今少し
2015/12/11 15:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rrr - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者が学者ということで
論文レベルを期待してしまったのがいけなかったようです。
思っていたほど深い内容ではありませんでした。
エッセイ、観察日記として読むのがせいぜい。
どう見ているのか?回答が中途半端というか、もっと知りたいというか・・・
2022/07/29 15:05
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投稿者:.ばっは - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生の頃位から目が悪いことを自覚するようになり、近視、遠視、乱視、斜視の全部アリ状態なので
いつか見えなくなるのではという不安は予てより持ち合わせていた。
売れているらしいことと書名が気になり読んでみた。
発見も多かったがほとんどが中途失明者の話で先天的に視力のない人はどのように見ているのか気になった。
日本の視覚障害者の点字識字率は2006年厚生労働省調査で12.6%。
★今時、苦労して点字を覚えなくても便利なものがいろいろあるらしい。
4本脚の椅子から脚を1本抜けば、その椅子は倒れるが、元々3本脚の椅子は立てるバランスで設計されているのだ。
★視覚障害を能力欠損とは考えずに元々なかったものとして考える。
目の見えない人は晴眼者よりも物を空間的に捉えている。見える人は二次元、見えない人は三次元に見ている傾向がある。
富士山を晴眼者は銭湯の絵みたいな台形をイメージすることが多い。しかし、見えない人は立体の円錐をイメージするという。
★どちらも事前情報があっての再現だと思うのだが、もう少し突っ込んだ説明が欲しかった。
「すごい!」という驚嘆の背後には、見えない人を劣った存在とみなす蔑みの目線がある、
自分はそんなとき「面白い!」と言うようにしている。
★確かに「こんなこともできるなんてすごい」という見下した意味も含むだろうし、
障害者が「すごい!」と言われて不快感を持つのであれば、そのような発言は控えるべきだろう。
しかし単純に驚けば「すごい!」と言ってしまうし「面白い!」だって
「そんなこと当たり前だ」と不快に感じる障害者もいるすもしれない。
私は「興味深い!」と表現したい。
他人の世界のとらえ方
2021/01/24 13:29
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投稿者:gonta - この投稿者のレビュー一覧を見る
「目の見えない人」と題打っているが、それは目が見える人と見えない人の間の相違ではなくて「自分ではない人はどうやって世界をとらえているのか」という話へと膨らんでいく面白い本だった。
分かりやすくコミカルな文体も読みやすく、人と自分の違いを追求する哲学の導入書としてもいいかもしれない。
『知りたい!』欲を満たす興味深い一書
2020/12/12 22:09
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
目の見えない人たちは、この世の中でどの様に暮らしているのだろう、という疑問は確かに存在していました。その内容に大方答えを呈示してくれたのが本書でした。
「見えない」からこそ研ぎ澄まされる感覚は興味深いですし、また同時に欠如を補う人間の生物的能力の素晴らしさにも脱帽します。
一方で本書にあるように『目が見える人も盲目である』は納得がいきました。
『目の見えない人たちには視覚的な「情報」はありませんが、そこに生まれる「意味」を理解する』と述べられており、これを知る事が肝要だとつくづく感じ入りました。
見えない人には死角がない
2023/03/25 22:38
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は社会福祉の問題を扱った書物ではなく、あくまでも身体論であり、見える人と見えない人の違いを丁寧に確認。つまり、見えない人の「空間の捉え方」「感覚の使い方」「体の使い方」「言葉を使ったコミュニケーション」「ユーモア」を分析し、「見えない人の世界を垣間見る」ことができます。「見えない人には死角がない」「見えなくなってから転ばなくなった」「見えない人のシュートを止めるのは難しい」「見える人も盲目」「様々な依存可能性をうまく使いこなすことが障害者の自立」等々の一見反語的な事象に納得します。
そんな発想があったのか!
2020/11/16 10:05
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2020年中学入試では栄光学園、中大附、東京都市大附で出題、高校入試では東京学大附で出題された。先日、目の見えない人に道を聞かれて、説明にとても苦慮したことがあって読んでみた。実は足の裏から多くの情報を得ているとか、美術館で絵画鑑賞するとか、驚きの世界であった。大切なのは、見えている人が強い、見えない人は弱いという無意識の上下関係を作らないこと。「見えないことが障害ではなく、見えないことで何かができなくなる、そのことが障害である」という言葉が胸に突き刺さる。障害者が引け目を感じない世の中であってほしい。
自分の知らない世界はどうなっているのだろう
2019/05/20 21:44
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投稿者:野間丸男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
情報の8割以上が視覚からというのに・・・
視覚しょうがい者やその関係者6名へのインタビューなどを基に、
空間、感覚、運動、言葉、ユーモアのテーマについて、語られる。
生まれつき弱視で16歳のとき失明し、現在は全盲の方
デザイナーをしていたが、39歳の時の事故で失明し、全盲になった方
13歳の時に失明して、全盲になった方
パラリンピックでメダルを獲得したアスリートであるが、
22歳で障害者認定を受け、現在は人の輪郭がやっと見える程度の方
「当たり前」と思っていることから離れ、晴眼者の知らない「世界の別の顔」を知る!
先天性と後天性の視覚障害者の考え方が、どちらも勉強になりました
2019/04/09 14:54
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投稿者:akihiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
先天的に目が見えない人ならではの感覚や、かつては視覚を使っていた人の考えの変化が紹介されています。色彩感覚が面白かったです。
また、日本の視覚障害者の点字識字率が思っていたより低くて驚きました(2006年の厚生労働省調査で12.6%)。習得の難しさ(特に書く技術)を考えると納得です。
新発見
2018/10/25 09:32
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投稿者:弥生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
視覚障害者への認識がガラッと変わった。健常者による親切や配慮が、逆に視覚障害者にとっては迷惑だったり傷つけてしまうことなど、考えたことがないことや知らなかったことが書かれていました。
目が見えなくても見える
2018/08/27 14:18
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
目が見えない人には、彼らなりに見える世界がある、ということを著した本です。
また、決して目が見えないことはツラくない、という視点を新たに学びました。
文章がちょっと固いです。絵ももっと多く挙げてほしかったです。
障碍者と意識しないこと
2016/02/28 20:55
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投稿者:ロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
視覚障害者がどのように感じているかがよくわかりました。文章も丁寧です。一読をお勧めします。
初めは、とっつきにくい本かも。しかし、じっくり読むと「いい味」が!
2020/12/19 04:53
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投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今や、ダイバーシティ、多様性、SDGsとかが賑やかだ。 また、反対に、いじめ、虐待、差別、ネグレクト何かもヤカマシイ。ーーーーそんな中、『では、では、自分と価値観が違った人や、人たちと、どう向き合えばいいのか?』との迷いは半端ない。 そんな、迷いからの脱出に、ついて行く気になれたら、かなりいいガイドさんとなってくれそうな本の一冊。
自分の「狭い」感性を、例え少しでも、押し広げたいと願うのなら読んで損はない。ーーーーーーー『俺様の様な正しきものが、どうして受け入れられないか?!」と憤(いきどお)るよりも、『例え、仕方なしでも、曲がりなりにでも、こんなヘンなヤツを少しででも受け入れてくれたッ!!』との軽い驚きと、静かな喜びと「同行二人」で行けたらなぁ〜と思うので、今やこの本はおすすめです。
目からウロコ
2017/02/22 15:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AR - この投稿者のレビュー一覧を見る
見えないということから考える「見える」ということ。全く知らない世界の紹介にただびっくり。考えさせられること多々。著者の洞察に感謝。
価値観
2018/11/09 06:11
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
健常な者から想像もつかない世界と発想がある。全盲者の視点などわかったような気になるし社会の在り方も考えさせられる。
考えさせられる
2015/09/07 20:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:weed - この投稿者のレビュー一覧を見る
目から得ている情報の多さ、依存度の高さを改めて感じさせられた。目を閉じてしばらくじっとしていようとしても続かない。五感全てで日常から感じたいと思う。