エルロイ、心の傷を決算できるか?
2002/07/26 12:34
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「LA暗黒4部作」の1冊目。
スターに憧れて都会にやってきた、黒髪に黒いドレスの女"ブラックダリア"。ロス市内の空き地で
彼女の惨殺死体が見つかった。実際にあった迷宮入り事件を題材に、エルロイ流の解答を示した作品です。
事件そのものよりは、事件に係わった人々の心の傷が主題ですね。独特の文体に馴染むのにちょっと
時間がかかりますが、力強くラストまで引っ張られる作品です。
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アイス&ファイアーが見た暗黒のLAは、作者であるエルロイの実体験である実母のレイプ死とブラックダリア事件を私たちに追体験させてくれる。それはただひたすらに血と暴力とゆがんだ正義に満ちている。4部作のTOPにして永遠なる暗黒小説にひたすら興奮するばかり。
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1947年のLAで22歳女性の惨殺死体が発見された。胴体が真っ二つだったり、口が耳まで引き裂かれてたりとむちゃくちゃされていたそうな。そのブラックダリア事件の設定をほぼそのまま持ってきて、チクリ屋&元ボクサー刑事を語り手にして、エルロイが独自の小説にしてしまったやつ。ってか、僕が知らないだけで昔話題になってたんですよねきっと。僕は映画あんまり見ないのでよく知りませんが、LAコンフィデンシャルのシリーズです。まずこういう警察小説をあまり読んだことなかったので、直後の感想は・・・うーんどうしよう、という感じだったんですが、しばらく経っても結構残ってます。主人公に嫌な役を負わせているところなのかしら(しかしLA四部作の中ではだいぶ希望があるほうらしい)。僕は古典ミステリ(しかも海外の超定番古典だけ)しか読んだことないので、謎解きを楽しもう前提みたいな読み方をしてポカンとなったんだけど、これ読んでそういう覚悟をするんじゃないと分かったので改めて次読みたくなった。変な腑に落ちなさがあるもんだから、LA四部作と、自伝的なアメリカンアブロイドまでは読まなきゃみたいな気持ちにさせられる。ただ、警官同士のやりとりとか正直どうでもいいと思えてだれる部分が多くて。もう少し短くなんないかなあ。
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映画を見た。以下映画の感想。
ケイとリーの関係がいまいちわからん。ダリアが殺されて口が裂けてた理由は分かった。けどなんで内臓を抉り出されてたの??なんだ??胴体切り離されてたの??私の理解力が足りないのか?もっともわからんのがその妙なハッピィーエンドなに??
ケイとバッキーの関係もなんだかはぁ??だったなぁ。
原作を読んでもやもやをはっきりさせたい。
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表紙がリニューアルされたようで。
持ち歩いてると恐かった(チキン)
文章が、なんていうか…。
訳の問題なのか、時代の問題なのか?
読みにくかったです。
というのも、主要人物二人の名前が
「ブランチャード」と
「ブラチャード」
なんですよ。わかりにくいっ!
あと、登場人物が割りと混乱。
私がおばかなだけかもしれませんが。
途中まで読むのがとてもツラかった、、、
でも結局犯人は予想外の人だったかも。
本好きの人にはいいかもしれませんが、
あまり読まない人にはオススメできません。
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映画を見て訳が分からなかったので読んでみた一冊。たくさんの人物が登場する為正直名前を覚えるのに一苦労。ただ微妙な人物関係の中で、一つの事件をきっかけに、次第に登場人物全員の人生が崩れて行く。この様子を見るのは、人によってはたまらない。
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ううむ、凄い小説。こんな凄い小説を今まで放置して読まずにいた自分がとっても愚かに思えるくらいの、凄い小説。単細胞さんからぜひ読んでみて下さいと言われて、なんだか楽しみに取っておいた気分もあるんだけど、その期待全然裏切られませんでした。本当に圧倒されました。ヴァクスに圧倒されて以来、久々に圧倒されました。
ただの警察捜査小説っていうのではないな、と感じたのは、まず事件に至るプロローグの長さ、ストーリー展開の奔放なまでの自由さ……。ロス暗黒史4部作の1作目とあって、史実に基づいた事件に現存した有名人たちの顔や名前が出てくるというのも驚いたけれど、多くの人間たちの情念や破滅をこれほどまでに追い続ける主人公の狂気にもくらくらと来てしまった。
物語の残酷さにも、エピソードの多さ、伏線の複雑さにも、本当にいろいろな意味で圧倒されました。こんな作家は他にいない!
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ジェイムズ・エルロイによる暗黒のLA4部作の第1弾
1948年ロサンゼルス市街の空き地に捨てられた22歳の女性”エリザベス・ショート”通称ブラックダリアの惨殺死体が発見される
この小説はダリア事件に関わる、ロスという街に巣食う警察、ハリウッド、司法、行政、ギャングを巻き込む謀略と狂気の物語となってます
文体も以前に読んだホワイトジャズのように電文体と呼ばれる必要最小限に説明を省く表現形態では無く、まだ読みやすいかと
導入の部分から物語後半まで通して続く違和感が終盤に差し込むあたりで物凄い勢いで補完された複線としてスパスパ解かれていき、エンディングまで一気に読み手を引きずり回します
この序盤の違和感と登場人物の膨大さがストレスとなって何度も挫折したんですが、溜まったストレス分の爽快感と終盤以降までに多くの登場人物にひとかたの思いいれが出てくるからエルロイの小説は凄いと言えるんだなと思います
ホワイトジャズは謀略小説、犯罪小説だと思うんですが、これは推理小説だと思います
90年代初頭に流行ったショッキングな場面やスピーディーな展開は時代を感じます
次はビッグノーウェアに挑戦する予定です。
なんと上下巻の大作、相当覚悟が必要になりそうな予感
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LA4部作の第1作目…なんだけど、個人的には4作の中でこれが一番読みづらいと思う。
考えてみたら話の筋をきちんと思い出せないことに愕然とした…。
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なかなか本題の「ダリア」が出てこなくて少々いらつくかもしれない。
強引じゃないのと引っかかるくらい最後のまとめあげ方が凄い。
挿絵がなくて本当によかったと思う刺激の強い内容なので、エロ、グロ勘弁な人は読まないこと。
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2009/08/28読了。
おもしろかった〜〜!
「アメリカ文学界の狂犬」とか呼ばれてるエルロイだから、どうなるんだろうと構えていたのだけど、純粋にミステリーとして面白い。
たたみかけるようなプロット、数十頁前の気にもとめないような雑談、電話での会話が、一つの謎が解き明かされることで凄まじく重要な意味を帯びてくる。
「ブラック・ダリア」と名付けられた一人の娼婦の惨殺死体。センセーショナルだがしかし連続殺人が普通のミステリ小説では「たった一人」の殺人である。
しかし、その事件の余波はLAPD(ロサンゼルス市警)の全てを洗う。
そして、次々と違う「事件」として人々の人生に甚大な影響を与えてしまうのだ。
何度でも読み返したくなるほど、素晴らしい構成。
結末は「風の影」っぽくて、意外とクラシカル。そこも良い。
エルロイ、文学とか小難しく考えなくて、本当に面白いミステリ。
こんな織物を紡ぐようなカオス的プロットをよく組み立てられるなあと思う。
シリーズの続きも読みます。
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ハードボイルド小説にはまっていた頃に、
読み漁ったなかの一冊。
エルロイ氏は作品はもちろん、自身の人生もかなりのもの。。。
肝心の作品はグィグィ惹きこまれる感じがたまらない。
もちろん、映画も見ましたよ!
かなりイマイチでしたが。。。
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1947年ロス市内の空地で若い女性の2つに切断された死体が見つかった。彼女は黒い髪に黒いドレスの姿で「ブラック・ダリア」と呼ばれた。女優に憧れ娼婦のような生活をしていた彼女を殺したのは誰なのか。元ボクサーでもあるロス巡査バッキーは複雑な人間関係に惑わされながら事件を追っていく。
『ロス暗黒史』4部作の第1册目。登場人物も多くて悲惨で暗い話なんだけど、すごいおもしろかった。事件を追っていく過程も容疑者が出ては消えていく過程も、元ボクサーのパートナーの過去と失踪、その恋人との関係とか。『フロスト』シリーズの重くて暗い版みたいな感じ。映画がおもしろ過ぎたからかもしれないけど、『LAコンフィデンシャル』よりずっと良かった。「ブラック・ダリア」はロスで実際に起きた未解決事件らしい。
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これからは簡単に感想を書いていこうと思う。「ダリア」によって人生が狂ってしまった人々の話。勝者はいないが、ラストに救いがあるのがいい。初期作品だからか、文体はエルロイにしては大人しい。
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エルロイの名を全米に轟かせた暗黒のLA四部作第一作。エルロイというとノワールの帝王というイメージが強いが、本書はノワールというよりも良質なハードボイルド。