東京ダンジョン
著者 福田和代
地下鉄、全線緊急停止!! 地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下...
東京ダンジョン
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商品説明
地下鉄、全線緊急停止!! 地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から、弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に出かけた的場は、そこで意外な人物を見かけるのだが……。東京の地下鉄や地下街に爆弾を仕掛け、「東京の地下を支配した」と宣言する、テロリストたちの意外な正体と、その目的とは何か? 複雑怪奇な地下迷宮(ダンジョン)と化した東京の地下を舞台に繰り広げられる攻防。警察や的場たちは、果たして地下鉄を、そして東京を守れるのか。『TOKYO BLACKOUT』『迎撃せよ』『怪物』などが話題の、クライシス小説の旗手が描く、緊迫のサスペンス。
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地下鉄テロを軸としたクライシス(危機)小説としては異色な展開に驚きでした。
2019/07/30 09:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地下鉄テロを軸としたクライシス(危機)小説としては異色な展開に驚きでした。むしろ経済・社会問題の基礎講義を読んだような雰囲気を感じた作品でした。著名な経済評論家:鬼童征夫の弟子たちが地下鉄テロを実行するが、その目的・主張が声明としてネットに流されるに伴い、やがて師弟の公開理論対決の様相を呈していく結末に新しいクライシス(危機)小説の形を見た気がする。確かに事件は起きるし、残された爆弾を捜す危機感はあるが派手さは無く、むしろクライシス(危機)小説としては地味である。しかし、作品の大半を占める経済・社会問題の議論は簡略化されているがゆえに判りやすく引き込まれる。何故?目的は?と誘われてついつい一気読みでした。著者の腕力に脱帽。
なお、題名の「ダンジョン (dungeon, donjon)」 とは「地下牢」を意味し、城などの地下に造られた監獄や地下室を指す。日本語化するなら『東京地下迷路』とでもなるのかな。
<蛇足;思わぬ収穫>
現在、危機的問題となってる「年金」問題。何故、自分が貯めた金で「年金」を受け取る仕組み(自世代内完結型)にしなかったかという疑問をかねてから考えていたが、本書で判りやすく解説してくれていた。従来の「年金」制度(次世代支援型とでも言うか)の時代は、インフレ、人口増が前提だった。つまりインフレのため積立金は年を経過するほど目減りするため次世代からの支援が必要であり、人口増の時代には問題なく機能した。しかし、1980年頃からインフレが止まり、人口減少に転じた結果、次世代の年金拠出額(支援額)が減少に転じたのである。後は、規模の縮小した次世代が、増大した現役「年金」世代を重い負担で支えるという現状が出現した。要するに、1980年頃の社会環境転換点で自分が貯めた金で「年金」を受け取る仕組み(自世代内完結型)への転換が必要だった。時既に遅し。妙薬無し。
東京ダンジョン
2022/08/18 17:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「東京の地下を支配する」という割には規模が小さいし、地下鉄がターゲットの理由も、よくわからない。どうせなら、もっと地下に固執して欲しかった。
自分達の理念にとらわれたテロの目的も、幼稚に思えてしまった。
的場哲也の、地に足のついた考え方や、自分に出来ること、目の前の仕事をぶれずにやり遂げる姿勢は、地味だが誠実で、響くものがあった。