死者の書
著者 著者:折口 信夫
水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。罪を贖う間...
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商品説明
水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。
一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。
罪を贖う間、山に葬られた滋賀津彦と彼が恋う耳面刀自の物語を聞かされた郎女の元に、「つた つた つた」滋賀津彦の亡霊が訪れ――。
ふたつの魂の神秘的な交感を描く、折口の代表的小説。
折口信夫の弟子で折口学の研究者として著名な故・池田弥三郎氏による詳細な補注、さらには作品執筆のきっかけとなった『山越阿弥陀図』および『當麻曼陀羅』をカラー口絵に収録。『死者の書』の決定版。
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我が国を代表する民俗学者、折口信夫氏による幻想小説です!
2020/04/27 11:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の民俗学者であり、国文学者、国語学者でもあった折口信夫氏によって著された小説です。折口氏は、「釈迢空(しゃく ちょうくう)」と号した詩人・歌人でもあり、柳田国男氏の高弟として我が国の民俗学の基礎を築き上げた人物で、彼の成し遂げた研究は「折口学」と総称されています。その彼が、1939年に発表した同書は、当麻寺に伝わる当麻曼荼羅縁起・中将姫伝説に想を得て書かれた幻想小説です。内容は、平城京の都の栄える頃のこと、春の彼岸の中日、二上山に日が落ちたとき中将姫は尊い俤びとの姿を見ました。千部写経の成就に導かれ、非業の死を遂げた大津皇子の亡霊とまみえ、尊い俤びとと重なるその姿を蓮糸で曼荼羅に織り上げた姫は、さまよう魂を鎮め、自らも浄土へといざなわれた、というものです。読みやすい現代語注釈付きですので、多くの方々に折口氏の珍しい小説作品を一度は読んでいただきたいと思います。
幻想的な歴史書
2021/05/22 08:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
「唯一、生きている歴史書だ」と何かで評されていたと聞き、小学生の時に読んでみたものの、子どもの読解力では固有名詞と大筋しかわからず挫折した本。大人になった今読んでも、意味のよくわからない部分がありました。解説本があれば読みたい。幻想的で、終わり方も「え、ここで終わり?」という感じで、よくわからないけれど(よくわからないからこそ?)何か心惹かれる本です。