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一般書

レトリック感覚

著者 佐藤信夫

アリストテレスによって弁論術・詩学として集成され、近代ヨーロッパに受け継がれたレトリックは、言語に説得効果と美的効果を与えようという技術体系であった。著者は、さまざまの具...

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レトリック感覚

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商品説明

アリストテレスによって弁論術・詩学として集成され、近代ヨーロッパに受け継がれたレトリックは、言語に説得効果と美的効果を与えようという技術体系であった。著者は、さまざまの具体例によって、日本人の立場で在来の修辞学に検討を加え、「ことばのあや」とも呼ばれるレトリックに、新しい創造的認識のメカニズムを探り当てた。日本人の言語感覚を活性化して、発見的思考への視点をひらく好著。

目次

  • 序章1 レトリックが受けもっていた二重の役わり
  • 序章2 レトリック、修辞、ことばのあや
  • 第1章 直喩
  • 第2章 隠喩
  • 第3章 換喩
  • 第4章 提喩
  • 第5章 誇張法
  • 第6章 列叙法
  • 第7章 緩叙法
  • 本書のなかのおもなレトリック用語

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みんなのレビュー53件

みんなの評価4.3

評価内訳

本を読むときに思い出すことになる貴重な本になるだろう

2015/11/08 09:42

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る

決して難解な本ではない。
すこし諧謔的な脱線も織り込んであり、スムーズに読める本である。
そして著者のオリジナリティの視座が存在する著作なのである。
長きにわたるロングセラーであることも頷けるものであった。買って損はないし、ふと参照したくなる座右感もある。
 レトリックというから口頭表現から生じた文章表現という展開で、まさにアリストテレスの読んだけどさっぱり使いこなせない弁論術と詩学の二作をこんな風に汲みとるんだろうなと、そんなことを思わせてくれたはじめての本だった。
 こういう分野が存在することも理解していなかったけど、落ち着いて文書を読みとくそんな作業を手助けしてくれるありがたい本ではないだろうか。

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思考を生みだす言葉

2003/07/01 18:36

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:朝霧 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「あとにはただ、ことばばかりが残ったのだろうか」。

人間は、思考というものを言葉にせずにはいられないらしい。
感情や感覚や、そのほか、言葉にならないものを、なんとかして言葉におとしこむ。そんなことをいつもしているらしい。
ただ、そういった考え自体が、論文などの文章にあるものであることを考えると、どうも信用しきるのは、危ういともいえる。
実際、思考を言葉に落とし込むことは、「表現しきれないこと」を取り逃す可能性があるのだから。
この世の中は、けして、言葉にできるものだけで成り立ってはいない。

その無限の事象を、有限の言葉で表現しようとするとき、生じるのがレトリックなのだ、と作者はいう。
上にあげたのは、この本の最後の一文だが、これだけを見ても、この作者本人の、言語感覚のすばらしさが窺い知れるだろう。
半月ほども書けて読んだが、それだけ中身の濃い本である。
文章に、楽しく酔える本だ。文庫でこの値段はちょっと高いけれど、それ以上の価値はある本。
物事を考えるのが好きな人にはおすすめな本だ。

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情報伝達以上のことばを、レトリックを通して考えられた

2020/10/12 21:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:HT2 - この投稿者のレビュー一覧を見る

簡潔で誤解されにくいことばこそ自然でよろしく、凝った技巧など情報の伝達を阻害する添加物だ、という主張があったとして、私はこれに半ば納得していたと思う。ところが、この本を読んで、直喩、隠喩など、それぞれの技法に対して様々な引用と筆者による会話のような解説によって、すっかりレトリックに対する目が変わってしまった。レトリックは文学上の存在ではなくて、我々の日常のことばに意外にも取り込まれている。さらに、レトリックは添加物などではなく、その根底には表現者の感じたありのままを忠実に再現しよう、ことばに対して正直であろうという気持ちがあるのかもしれない、とまで感じるようになった。

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説得効果と美的効果を付加するものとして生まれた「レトリック」について再考します!

2020/03/05 09:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、私たちが時々「ことばのあや」と呼んでいる「レトリック」ということ焦点を当て、そのメカニズムを解き明かそうとした良書です。レトリックとは、歴史的に見ると、古代ギリシャにおいてアリストテレスによって、弁証法として集成された、それが近代のヨーロッパに受け継がれたものだと考えられているということです。このレトリックという技法は、実は、言葉というものに説得効果及び美的効果を与えようとして作られたもので、同書では、このレトリックを日本語という立場でこれまでの修辞学に検討を加えたものでもあります。同書では、レトリックのワザである直喩、隠喩、換喩、提喩、誇張法、列叙法、緩叙法などについて、丁寧に語られます。

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だが、レトリックというと虚飾のイメージだが誰しもがすくなからず無意識に使っているはずの手法

2004/03/08 21:14

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 レトリックというと、虚飾のイメージがあり、毛嫌いしていた時期が、私にはある。  文章は余計な飾りをつけず、素直にストレートに思いを表現すべきだ、と考えていた。欧米にもそんな時代があったらしい。しかし、文章は表現したい意味と思いを正確に伝える必要がある。たんたんと書き綴っただけでは、書き手の感情や思いはもちろん、事実そのものさえも伝わらないようである。表現方法に工夫がいるのである。
だいたい、事実というものも当人にとっての事実であり、他者にとっての事実とは同じことかどうか、解らないのである。事実をそのまま伝えるにも、表現の工夫が必要なのだ。ここでは主に比喩と繰り返し表現について、先人の解説と著者の見解を並べて、説明している。誰しもがすくなからず無意識に使っているはずの手法である。あらためていろいろな事例で説明されると、今後文学作品のみならず、各種プレゼンテーションを鑑賞するに役立つと思う。

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2006/04/23 00:48

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2006/08/03 08:34

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2007/04/14 16:48

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2009/06/28 07:38

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2009/11/02 02:44

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2010/09/05 00:29

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