君の名前で僕を呼んで
「あとで!」乱暴で無愛想でそっけなくて冷淡なその響きは、オリヴァーについて真っ先に思い出す言葉だ。十七歳のあの夏、エリオがオリヴァーと過ごした日々は、鮮やかな記憶として今...
君の名前で僕を呼んで
商品説明
「あとで!」乱暴で無愛想でそっけなくて冷淡なその響きは、オリヴァーについて真っ先に思い出す言葉だ。十七歳のあの夏、エリオがオリヴァーと過ごした日々は、鮮やかな記憶として今も消えずに残っている。毎年、夏休みになるとエリオの家に滞在する若い研究者のひとりでしかなかった彼の最初の印象は、好きになれるかもしれないし、大嫌いになるかもしれない男だった。しかし、すぐにエリオは彼から目が離せなくなり、話ができれば幸せに、よそよそしい態度をとられれば傷つくようになって──。切なくも甘いひと夏の恋を描いた青春小説。
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読む側の感性を問われる作品かもしれません
2018/05/08 02:01
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Nagi - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画化され、海外で先に鑑賞済みという知人からお勧めされ「原作で補完してからのほうが分かりやすいかも」とアドバイスをもらったので先に原作を読みました。
そういった経緯から、初読をとても乱暴に読んでしまい、たくさんの解釈違いや読み落としがあったので、映画鑑賞後に再読してようやく繊細な描写に気付いた、というくらいには集中を要する作品だと思いました。
この作品は、エリオ少年の視点で綴られているので、初読のときはオリヴァーとエリオの想いの強さの違いを感じて切なかったのですが、
「エリオの視点」
という部分に注意が必要な作品だと再読で気付きました。
特に、オリヴァーがエリオに対してどう思い感じているのかに関する描写で、乱暴な読み方(映画鑑賞前に読了しようと慌てて読み流してしまいました)をしていた私はエリオの言葉に散々ミスリードされてしまいました。
周囲の人(エリオの両親や友人たち)の行動の何気ない記述が、オリヴァーの心情を「語る」のではなく「表現」されている、ものすごく緻密で繊細な文章です。
読む側がそれをどれだけ気付けるかによって、この作品に対する感想が変わるのではないかと思いました。
初読から映画を観て、そのラストの違いにいろいろと疑問を感じたのですが、再読したら、作者のアンドレ・アシマンが伝えようとしていたことを、主旨は同じでありながら別の形で表現しているのだと気付けました。
メリバにも思えた結末が、ハッピーエンドだと気付けたら、感動もひとしおでした。
エリオの一途で拙い恋物語と思っていた初読が、実はオリヴァーこそがエリオよりも先に切なさや苦さも含めて彼の全てを受け止めた大きな愛を持っていたのだと分かり、つくづく乱暴な読み方をするものではないと後悔しました。
オリヴァーのいない時間を「昏睡」とネガティブに受け止めて嘆くエリオと、エリオのいない時間を「パラレル」と位置付けて常にエリオと共にあるオリヴァーの2人ですが、いつかエリオも理屈ではなく心からオリヴァーの「心の中の心」と同じ気持ちになれたらと願わずにはいられない、切なくほろ苦い恋物語でした。
この点は、映画だとオリヴァーを演じるアーミー・ハマー氏が「オリヴァー自身」として名演されているので、原作でエリオの「思い込み」に振り回されてしまう場合は、映画と合わせて観る&読むと、「そういうことか!」と感動ひとしおかもしれません。
Call Me By Your Name
2018/07/30 14:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sono - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観た後にこの本を読んだ
読んだ後、また映画が観たくなった
そしたら、また本が読みたくなった
きっと、永遠にこの繰り返しが行われる本
優しく美しい世界
2020/08/26 15:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くつした - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観て衝撃を受けました。しかし、理解できない部分があったので原作を購入しました。映画と比べるとまどろっこしい表現が多いと感じましたが、より細かな感情を理解できました。映画、原作、サントラ全てが優しく美しい。
大ヒットした映画の原作
2020/11/26 23:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリバー - この投稿者のレビュー一覧を見る
大ヒットした映画の原作です。
映画と本のどちらを先かは別として、一緒に楽しむことができます。
イタリアでの出会い、ひと夏の恋は、青春時代のあのころの
思いを追体験できると思います。
非常に感動的なストーリーです。
精神的自伝
2023/05/28 13:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
同名映画作品の原作。映画を先に見ていてもそのイメージが大きく変わることはない。甘く苦い青春小説であるのと同時に、作者の精神的自伝でもあるのだろう。
映画を見て小説を読んでまた映画をみるのがベスト
2018/05/04 17:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aki - この投稿者のレビュー一覧を見る
訳した日本語だからなのか、原作からそうなのかわからないけども読みにくい文章。でもそれが小説の雰囲気を作っている。哲学的。性別関係なく愛とは人をこんなにも狂わせるかと。自分の人生にこんなにも影響を与える恋愛に出会えた主人公達は幸せなのか不幸せなのか。所謂BL小説ではないので、それを期待している人はがっかりするかもしれなち。そして眠くなるかもしれないです。映画の原作ですが、小説と映画ではラストが違うため二度楽しめます。映画では、小説で書かれていた主人公達の細かな動作や小物、会話がなんの説明もなしに映像化されているので小説を読んでから映画を見ると映画の意味がよく分かります。
更に小説はエリオ(主人公の少年の方)視点で書かれている箇所が多く、エリオがオリヴァー(青年)をどのように性的に見ているか事細かに書かれています。映画は第三者目線で描かれているので、エリオがこの時こんなどぎついこと考えてたのか…と小説と照らし合わせると驚くと思います。
JUNE+BL
2018/11/19 23:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もうとん - この投稿者のレビュー一覧を見る
JUNE+BLの香りのする話で、一見すると作者の経歴等からオリヴァーに作者を投影してるのかと思ったけど、よくよく読むとエリオも作者っぽい。80年代のエイズが蔓延する前と後の同性愛に対する空気が少し軽めに書かれてて、時代考証無視しているのは作者の希望とかファンタジーなのかなと思った。映画見てあてはめて読んだら読みやすい。