2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
確実に迫る滅亡の中、彼女を求める男を振り払って愛しい男性の元へ行こうとする女性の物語。
自分的終末三部作である伊坂幸太郎「終末のフール」三浦しをん「むかしのはなし」と読み比べてもいいかも。
投稿元:
レビューを見る
2009.9
文章が読みやすく、生きている。タイトルもあとがきも魅力的。
20歳の時に書いたとは思えない。
構成も、1本背骨があって、枝があって、魚の骨を連想させる。
投稿元:
レビューを見る
5年前頃に読んだ本です。
世界がもう滅びるという時、主人公は元彼に会いにいきます。
その途中で数人の女性と出会うのですが。。。。
投稿元:
レビューを見る
地球滅亡まであろ一週間
振られた相手に会うために江古田から鎌倉まで歩いて行く
女性の話し
彼は画家を目指していたのに骨肉腫にかかり
腕を切断しなければならない…
切断しても命は短いだろう…
でも一週間で地球が滅亡するならそんなことは関係ない
彼に会いたい
とても素敵なロマンスを期待して読んだのですが
途中、遭遇するそれぞれの滅亡までのストーリーが
突飛で…
楽しく読みすすめることが出来ましたが
題名にだまされたと感じました
投稿元:
レビューを見る
確か初めて読んだのは、大学生くらいのときだったと記憶している。
主人公の女の人が鎌倉へ向かう途中に、
「自主性のない女子高生」と出会うのだが、
一週間後に地球は滅びてしまうと知っても、
彼女はただ淡々と参考書を開いて勉強をしている。
それを見て、ああそれ分かるけど、そういう枠に嵌りきれなくて自分はずっとしんどかったんだよなと、思ったのをよく覚えている。
小さい頃からずっと受験受験で、いい大学に入ることこそが「正しいこと」で、
それ以外は駄目、みたいな価値観を学校に押しつけられて過ごしてきたけど、結局私にはそういうのが全然向いてなくて、そして「真理」にはそういうのが向いてるんだろうと。
大学なんて、全然ゴールじゃないのに。先生達はそういうの、
全く教えてくれなかった。
だから「真理」が言いたいこと、痛いほど分かる。的確だと思う。
あとは、旦那さんばらばらにしちゃう奥さん、怖かったな。
そこまで執着する愛情ってのは‥‥正直分からん(笑
それにしても、こういう話を20才で書ける新井素子という
才能は、すごいと思う。
投稿元:
レビューを見る
地球滅亡する日まであと僅か。主人公の出会う人々を巡る連作。とりあえずチャイニーズスープは食べられなくなる。狂気と正気の狭間で主人公はどうなるのか。
投稿元:
レビューを見る
宇宙魚顛末記、という話の滅びてしまう方の地球のお話。
恋人が不治の病で、気まずくなってしまったものの、地球が滅亡してしまう為、みんなが平等に死んでしまう事態になった為、遠いし道中も危険だけれども会いにいき、その道中で通り過ぎる人たちのちょっとインパクトの強いオムニバスストーリー。
勉強することで親に復習をする少女は、地球がなくなっても勉強し続ける。怖い。
妻の鏡のような貞淑な女性が浮気相手のところに行こうとする夫をシチューにしていまう。怖い。
辛すぎる現実の前に、夢の世界に閉じこもる少女の話も切ない。
未来が閉ざされるときに、今、大切なものが何かを狂気と絡めて強く突き付けられる。主人公が比較的まともで、救いのあるラストで読後感は悪くない。
投稿元:
レビューを見る
欠けた自分の半身が、ひとめ会いたいあの人だというのは、愛おしいなと思った。
狂気と正気の境界線というのは私が常々考え、悩まされている事でもあるので、深く印象に残りました。
地球が滅亡すると知った時、私も会いたい人に会いに行くのだと思う。
その時は好きな音楽を持って行けたら良いな。
投稿元:
レビューを見る
こーわーかーっーたーーーー(泣)
昔の私はどうして平気で読めたんだろう。
その人にとってはごくごくあたりまえなのに
決定的にずれているのが、暴走車よりずっと怖かった。
特にチャイニーズスープ。
この話が最初って・・・・・;
1週間。
買い置きがなかったらその日が来る前に餓えてしまうだろうなあ。
(11.05.20)
近いほうの図書館でお取り寄せ(11.05.15)
投稿元:
レビューを見る
震災が起こり、電車が停まって、大勢の人々が徒歩帰宅したことで、高校時代に読んだこの話を思い出し、再読してみました。
新井素子作品は、喋り口調の文体が苦手で、全く読まなくなりましたが、久しぶりに読んで、再びこのアクのある文章を思い出し、懐かしい気持ちにさえなりました。
6日後に地球に隕石が衝突し、人類が滅亡することになった状況下での話。
人々は現実を受け入れられず、パニックになっている中で、ヒロインは別れを切り出された恋人に会いに、練馬から鎌倉まで歩いていきます。
その行程途中で出会う、狂った人々の様相。
「あなたとチャイニーズ・スープ」を歌いながらビーフシチューを作る話は、当時からものすごく怖く、今でも思い出したくないほどトラウマになっていますが、その話がまず初めに登場したので、(心構えがまだできていないうちに)と、また動揺しました。
久しぶりに読み返しても、妙に生々しくて、やはり怖いままでした。
この本を読んだおかげで、ユーミンの「チャイニーズ・スープ」や平松愛理の「部屋とYシャツと私」が、おそろしく思えて仕方がなくなったんでした。。。
ほかの迫力は、思っていたほどでもありません。
作者はこの話を、10代か20歳そこそこくらいで書きあげたと思いますが、やはり作品もそれなりの厚みのものとなっています。
先日読んだ『日本沈没』は、著者の人生の長さと深みが加味されてこその、リアルな大迫力だったと思えます。
みんなが全て仕事を投げ出してクレイジーになっている中で産気づくのも、気の毒な話です。
せっかく生まれてきても、数日しか生きられないという、短すぎる人生。
ヒロインが出会ったのは、年齢はまちまちだけれど、全員女性だという点が、恐ろしくもあります。
若い作家の文章の限界だったのでしょうか。
最後に恋人と再会を果たしたヒロイン。二人で鎌倉の海を眺めます。
それまでずっと、パニックの社会が描かれてきていながら、最後に静かな普段と変わらない光景が登場する。
この物語の落ち着くべきエンディングだと思います。
あとがきに、本人が改訂版出版にあたり、内容を少し訂正した旨が記されていました。
1981に書かれたものを2008に見直して、国鉄をJRに、レコードをCDに、千円札の使えない自販機を直したりしたそうです。
変わっていないようでも、いろいろと世の中は変化しているものですね。
隕石による地球爆発の設定は、伊坂幸太郎の『終末のフール』と同じで、後者の方が断然筆力が上ですが、それでも10代の私の心を存分に揺らし、ずっと心に留めさせたこの作品も、女性視点で極限状態の女性を描いたものとして、捨てがたいものがあると改めて思いました。
投稿元:
レビューを見る
一週間後に地球ごと、すべてがなくなってしまうなら、あなたはどうする?
私は・・・・・
自分の価値観を改めて問い質してみた。
------------------------------------------------------------------------------------
新井素子の本はこの話が初めてだったのだけど、文がとてもきれいだな~と思った。
当時にしてみたら、新井素子はかなりセンセーショナルだったみたいだけれど、今の私が見ると、現代のものよりもかなり言葉がきれい。
他の本も読んでみたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
なかなか独特な文章で、入りにくかったけど、クレイジーな奥様の話が面白くてそこからは一気に読めた。
世界の終わりって設定だから、自分ならどうするだろう、人類はどんな行動をするんだろうとか考えた。暴動、虐殺、理性を捨てて本能をむき出しにするのか、大切な人とゆっくり過ごすのか。日本人は最後まで仕事してそうだな、警察とか。でも単身赴任とか遠距離の人はつらいな〜。交通機関だけは動かして欲しいなとか、考えだすと止まらなくなる。
ただ、出来れば途中で彼氏と出会うようにして欲しかった!
投稿元:
レビューを見る
不治の病にかかった恋人に振られた圭子は、
一週間後に隕石が衝突し人類は滅亡することを知り、
練馬から鎌倉の恋人宅まで歩いて向かうことを決意する。
圭子が元恋人と再会するときに着る服とハイヒールだけを持って出発したときは、道中に出会うあれこれのお話かと思った。
が、章が変わると、人形のように主体性のない妻が夫を殺して解体し、夫の肉を使って料理をしはじめるすごい展開。
圭子が交錯した人類滅亡を迎える4人の女の話が、圭子の道中に挿入される形。
圭子は主人公というほどに物語の大きな役割は背負っていない。
彼女はひたすら恋人に会いたい一心で前進する。
途中でバイクに乗って一気に鎌倉へ着いてしまうし大きなアクシデントにはほとんど合わない。
ただただ鎌倉を目指す。
各挿話の主人公達は、パニックになりその衝動が外へ向かう、というありがちな図式ではなく、それぞれに事実を受け入れて進んでいくのが新しい。
コテコテの新井素子作品であるから、文体がキライ、合わない、という気持ちもよくわかるけれど、やはり新井素子は天才だなと思う。
1981年に刊行された作品の改訂版。
二十歳のとき書いたなんてね。
『チグリスとユーフラテス』といい、何て嗅覚の鋭い人なんだろうと感心する。
投稿元:
レビューを見る
読んだのはこの版じゃなかったけど、これを登録しておこう。
昔、従兄から何冊か借りて読んだ新井素子の本のうち、
唯一ちゃんとストーリーを記憶している作品。
人類滅亡の日が間近に迫って、最後に何をしたいかといったら、
ヒロインは鎌倉にいる元恋人に逢いたい一心で、練馬から歩いて行こうと決意。
途次、やはり世界の終わりを前に
心の箍が外れてしまった女性たちと接触する。
どうしても「チャイニーズスープ事件」が話題になりがちだけど(笑)
私はさほど猟奇的とも恐ろしいとも思わなかった。
もう後がないってわかっていたら、
そのくらいやらかしちゃう人ってのも、いるかも……なんて、
変にリアリティを感じたものだった。
むしろ、一番まともそうなヒロインが、
相手に受け入れてもらえる確証もないのに、
ひたすら目的地に向かって突き進んでいくっていうのが怖かったなぁ。
投稿元:
レビューを見る
独特の気持ち悪さ。
少女の持つ若いエゴも頑なさも、世界の終末ではどう描かれるか。
完璧なハッピーエンドのように小さな幸せに包まれる結末に内在する悪夢に、ぞっとさせられる読後感だ。