- 販売開始日: 2018/09/30
- 出版社: 平凡社
- レーベル: のこす言葉 KOKORO BOOKLET
- ISBN:978-4-582-74111-7
金子兜太 私が俳句だ
著者 金子兜太 著
98歳で逝去した反骨の俳人が最後に残した言葉。一つのことを極める上でどんな知恵を積み重ねてきたのか。人生の先輩が切実な言葉で伝える語り下ろし自伝シリーズ創刊。
金子兜太 私が俳句だ
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金子兜太さんの、最後のメッセージ
2019/06/26 15:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
俳人金子兜太さんが98歳で亡くなられたのは、2018年2月20日のことだ。
その月の一日、兜太さんはこの本のもととなる最後のインタビューを受けていた。
まさに金子兜太さんが残された、最後のメッセージがこの本ということになる。
平凡社の「のこす言葉」シリーズは、著名人からの聞き書きによる自伝である。
その冒頭に兜太さんは「これから生きていく人たちに手渡したい言葉は、いっぱいあるんだ。ありすぎるほどだね」と語っていて、自身が生まれた埼玉県秩父の話から始まる。
兜太さんの父親はお医者でしたが、秩父の町で句会などもやっていた。
兜太さんは医者にはならなかったが、俳句の血はあったのでしょう。
旧制水戸高校(兜太さんは秩父の出身ですから当然浦和高校という選択もあったが「特徴が見えなくて嫌い」と、この本の中で語っている)に入って、俳句に夢中になる。
金子兜太さんはたくさんの人に愛された俳人だが、その俳句は決して花鳥風月のものではない。
どちらかといえば自由律の俳句。
有名なのが「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」。このように強いメッセージを感じる。
おそらくそれは兜太さんの戦争体験によるのだろう。
この本の後半は俳人黒田杏子さんの兜太評だが、その中で黒田さんが兜太さんから「金子兜太を支えてきたのは、トラック島での戦場体験。日銀での冷や飯。俳壇の保守返り。この三つ」と言ったという。
兜太さんがもう少し生きられたら、日銀時代の話とかがもっと入ったかもしれないが、最後のメッセージ、「人間が、戦場なんかで命を落とすようなことは絶対あってはならない」は忘れてはいけない。
『金子兜太 私が俳句だ』
2018/09/10 19:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2018年2月、惜しまれつつ98歳で大往生をとげた俳人のさいごのことば
水 脈 の 果 て 炎 天 の 墓 碑 置 き て 去 る
銀 行 員 ら 朝 よ り 蛍 光 す 烏 賊 の ご と く
原 爆 許 す ま じ 蟹 か つ か つ と 瓦 礫 歩 む
お お か み に 蛍 が 一 つ 付 い て い た
陽 の 柔 わ ら 歩 き き れ な い 遠 い 家
秩父での生い立ちからトラック島での凄惨な戦争体験、冷や飯を食わされつづけた日銀勤務を経て俳句専念の生活へ
許 ア
さ ベ
な 政
い 治
を
2015年夏、著者が揮毫したプラカードが国会周辺ををうめつくしたのは記憶にあたらしい
「一つのことを極めた先輩が生きた知恵を切実な言葉で伝える、語り下ろし自伝シリーズ」として2018年8月に平凡社が創刊した「のこす言葉 KOKORO BOOKLET」の一冊
同時刊行は98歳を迎える画家による『野見山暁治 人はどこまでいけるか』
メッセージある俳句
2021/10/09 06:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
それを詠まれる方だったと思います。朝日俳壇の選者を、数週間お休みになっていて、病気かなぁーと思っていた矢先の訃報でした。110才まで生きるとおっしゃってたので、まさか……と。ご冥福お祈りします