手軽に学べる良書
2021/09/22 15:56
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投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
諸子百家の手軽な概説書。儒家・墨家・道家・法家・兵家について良い意味で「広く浅く」解説しており、高校世界史以来の身にはありがたい。孔子が意外と報われない一生を送っていたり(未完の生涯故にフォロワーが多いのかなと…)、道家の思想が宇宙の根源にまで至るほど壮大であったりと面白い部分が多い。「非戦」で有名な墨子が、現代中国では思想ではなく戦闘技術の面で「聖人」なのも、かの国らしくて興味深い。良書。
春秋戦国時代の入門書
2021/03/22 23:29
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投稿者:つばき - この投稿者のレビュー一覧を見る
孫子の兵法に興味を持ち、こちらの本も読み始めましたが古代中国の時代背景を初心者にも分かりやすく解説してあります。
論語や孫子の兵法などを最初に読むより、こちらを先に読んだ方が理解が深まると思います。
古代中国の思想哲学、特に春秋戦国に興味のある方は必携の書です。
中国古典思想、90年代以降の新資料からの解釈も。
2010/09/15 23:45
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投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私、世界史のファンなのですが、
中国史にもめちゃめちゃ興味あります。
そこから派生して、この諸子百家も。
又、中国人を理解するには、儒教思想なんかも判っていないと
いけないとも思うので、、。
(でも、実際の現在の中国人と儒教思想は、みていて殆ど合致しないんですけど、、、)
本書は、著者が、それこそ、100家といわれるぐらいあった、
中国の古典いや、古代の各思想、
儒家(孔子、孟子)・墨家(墨子)・道家(老子・荘子)・法家(韓非子)・兵家(孫子)
について書いたものです。
前書きでも百家といわれるぐらい
(百家という言葉が中国語でたくさんあったと言う表現みたいです)
いっぱいあったと書いてあったので、
知らない微細な思想家も紹介されているかと思ったのですが、なかったです。
まぁ、新書という性格上、入門書で簡単な紹介程度になってしまうのですが、
面白かったのは、孔子さんのマンガや、絵本みたいな絵物語があるんですね、、。
勿論書かれたのは、孔子さんころではなくて、ずいぶん後になってからですが、。
その紹介と、墨家で、映画「墨攻」が紹介されていました。
ただ、映画版だったのが、ちょっと、、、でした。
これは、マンガもオリジナル要素が入りすごいんだけど、なんといっても、やっぱり酒見賢一さんの小説版の「墨攻」がいっちゃんオリジナルなので、こっちを取り上げて欲しかった。この小説を読んだ衝撃は今でも忘れられません。
凄すぎて、周公旦とか、童貞読んだけど、後宮物語は楽しみを置いておく為にとってあります。
ちょっと話がそれましたが、
本書の一番の注目点というか、新機軸は、最近発掘(こう古代といってもいい、時代なんですよ)
された、新資料についても、書かれているところ、、。
ただ、この部分は、重箱を隅を突く感じで、専門過ぎて、ちょっとちんぷんかんぷんでした。
(でも、実際の現在の中国人と儒教思想は、みていて殆ど合致しないんですけど、、、)
と、先に書きましたが、これについては、実は、平成の現在に私たち以上に、中国の漢文や、古典の素養の
あった、夏目漱石なんかも、当時のクーリー(苦力)を見て、自分の知っている漢文の知識と全然ちがうとエッセイで書いたり、しているし、
本書でも、著者自身が研究で訪れた中国に対し、喧騒が酷ひどく、車の往来でもすぐクラクションを
鳴らし、どなりあっていると書いていますが、
で、だからこそ、この思想というか、諸子百家は、中国人が4千年近く前に作り上げた、
理想なんだと、書かれていました。
この理想だという解釈にちょっと納得した思いです。
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レッドクリフ・ブームで、なぜか興味をもって読みました♪
かなりミーハーな動機です。。。
内容は、新書らしく、サーッと紹介されていて、何も知らない僕には、大変読みやすく興味の持てました。
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『諸子百家― 儒家・墨家・道家・法家・兵家』(湯浅邦弘、2009年、中公新書)
紀元前の古代中国で活躍した思想家である諸子百家の思想を簡潔にまとめたものである。この数十年の中国における新たな文献の発見により諸子百家研究が進んだそうなのだが、従来の研究と何が異なるのかも解説していて、今日の諸子百家研究の現状(それはより真実に近いものとなろう)がうかがい知れると同時に、諸子百家の思想を学ぶことができる。
(2010年12月26日 大学院生)
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[ 内容 ]
春秋戦国時代、諸国をめぐって自らの主張を説いた思想家たち。
彼らの思想は、その後の中国社会の根幹を形づくったのみならず、日本をはじめ東アジアにおいても大きな影響力を持った。
一九九〇年代には大量の古代文献が発掘され、これまで謎とされてきた事柄も解き明かされつつある。
新知見をふまえ、儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)などの思想と成立の過程を平易に解説する。
[ 目次 ]
序章 新出土文献の発見と諸子百家
第1章 諸子百家前史-新出土文献の語るもの
第2章 君子とは誰か-孔子の思想
第3章 人間への信頼-孟子の思想
第4章 特異な愛のかたち-墨家の思想
第5章 世界の真実を求めて-道家の思想
第6章 政治の本質とは何か-法家の思想
第7章 戦わずして勝つ-孫子の思想
終章 諸子百家の旅
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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図書館で借りました。有名な中国古代の思想家がいっきに理解でき、さらに最近の竹簡の発見をもとにした、オリジナルがどんな内容であったかの最近の学説の説明がとてもわかりやすかったです。高校のときにはなんだか面白くないと思っていた二千年以上も前の漢文が、急に身近にわかりやすい自己啓発やハウツーものの元祖みたいな感じになる。
それと、孔子って、親や王様、上司には絶対的服従で、礼儀ばっかり重んじてて女性蔑視って印象で好きじゃなかった。この基本路線は理解としては間違っていないと思うんだけど、王様がちゃんとした人でなかったら、それはもう王様になる資格がないので、倒しちゃってもいいのだ、としているらしい。これってかなり革命的だ。君子じゃない人が王ならば天命はないのだ。天命をうけた人が倒してもよいのだ。単純などんなことがあっても絶対服従なんて思想が二千年以上も生き残ることはないってことだろう。親でも王様でも、子供や民から敬われるには、それなりの人物でなければならないのだ。結構厳しい教えだ。孔子がどの王様にも雇用されず、諸国を放浪しなければならなかったり、秦の始皇帝が焚書坑儒で儒学者を殺しちゃった理由がわかる気がする。治世者にとってもこれは穏やかではない学問なのだ。
この諸子百家の中では、墨子が魅力的だ。兼愛、非攻をとなえ、求められればどこにでも赴いて城を守り、忽然と姿を消してしまった思想家集団って、伝奇小説みたいだ。ダン・ブラウンみたいな作家が、現代にも続く秘密結社と墨家をミステリー小説にでもしてくれないだろうか。
この本は入門書っぽいので、各思想家のもう少し詳しい本を読んでみたくなった。「墨攻」っていう小説も。
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とっつきにくさを払拭してくれる初心者ま向きの本である。少なくても今の私のレベルにはちょうど良い。また、普段何気に使っている四文字熟語の成り立ちに触れているのも親しみをわかせる。
人は一人では生きてはいけないが、集団でいることで起こる問題は今昔を問わずその関係性までに煎じ詰めれば同じであるようだ。故に我々はこの古い思想に真理を感じ、今になっても大事に読んでいるのだろう。
結局のところ、過去に学ぶことで多くの困難は解決可能であるといえる。逃げずに向き合うとき、これらの箴言は大きな力になるのを痛感する。
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新出土資料をもとに、儒家・墨家・道家・法家・兵家の要点をわかりやすく解説。
面白いのは彼らが口先だけでなく、その思想を実践したこと。理想の君主を求めて苦難の旅をつづけ、弱小国のために守城技術を開発・駆使し、あるいは無為が一番だと社会に背を向ける…。思想というものが高級な知的遊戯のようなものになってしまった現代からすると、ここまで自己の信念に従って生きる人たちを見るのは気持ちがいいです。
社会の変化は加速するし、多様化してもうなにがなんだかわかりません。そんな時代だからこそ、二千年前の戦乱の世を生き抜いた変人(すいません!)たちから多くを学ぶことができるのではないでしょうか。
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諸子百家について、近年新たに出土した文献を踏まえて、網羅的に分かり易く解説している。
諸子百家が活躍したのは、紀元前722年から秦の始皇帝が天下を統一した紀元前221年まで約500年続いた春秋戦国時代で、各国が、自国の存立や理想的国家の建設のために、優れた思想家を優遇して招き、場合によっては宰相や将軍として抱える中で、思想家達が自由に自らの思想を構築し、諸国を巡って熱き夢を説いたという時代背景があった。
諸子百家の時代を切り開き、人間の善性を高く評価して「天命」の思想を掲げた“儒家”。
「兼愛」・「非攻」の理念を掲げて天下を駆け巡りながら、秦漢帝国の誕生と共に姿を消した“墨家”。
「上善は水の如し」と説き、さかしらに振る舞わず、多くのものを持たず、宇宙の本源である混沌とした無の状態「道(タオ)」を理想の姿とした“道家”。
為政者の仁徳ではなく、法による統治を説いた“法家”。
「戦わずして勝つ」を唱えた“兵家”。
現代中国の共産党が、その一党統治の正当性を儒家思想の「天命」に求めていることは間違いないが、2000年以上前の中国に中央集権的な国家が存在せず、群雄割拠の時期が長く続いたために、これほど多様な思想、思想集団が時を同じくして登場し、しかも、その多くが現代にも極めて大きな影響を与えていることは、驚くべきことである。
(2010年3月了)
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儒家・墨家・道家・法家・兵家それぞれの思想の概略が、最新の発掘・研究を踏まえた上で解説される。
諸子百家という言葉の存在は知っていたが、主要な思想について説明しろと言われると難しかった自分。本書は各思想のエッセンスが説明されており、概略を知りたい人にはうってつけだ。重要事項には原文(書き下し文)とその訳文を載せてくれているところも嬉しい。
古代中国における思考が今も伝えられているということは、取りも直さずそれが時代を越えた普遍的な価値を持つものであるからだろう。そしてその種類はさまざま。単に思想内容を知るだけでなく、どの考え方が自分にしっくりくるか、自分に引きつけて考えるとより面白い。個人的には墨家のストイックな姿勢が気に入った。本書には「義の貫徹、さもなくば死。これが墨家の信条であった」とあるが、この思想を貫徹しようと思うと、現実世界において所謂"幸せ"を得ることは難しくなりそうだなぁ…。
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二千以上も昔の中国、春秋戦国時代。よろずの思想の最高峰だったであろう、「儒家」「墨家」「道家」「法家」「兵家」。 やはり、その思想の性質からある意味絶滅した「墨家」に興味を深く持ったが、これらの書簡が発掘されたのは近年。まだ日の目を見ない、数ある思想に思いを馳せるとロマンがある。『五十歩百歩』など、そもそもの意味を履き違えていた言葉などもあり、中華思想を辿る旅の奥深さをまた知る。
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新出土文献の発見について丁寧に記述されている。この新出土文献により、諸子百家の研究に見直しが行われており、その解説がなされている。読んでいて楽しい本。
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儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)について、解説。
中国の春秋戦国時代に成立した思想。紀元前にこのような思想家たちが現れていたと思うと凄い。
一冊で諸子百家の入門書として良書。
墨子、韓非子、孫子について、もう少し詳しく知りたくなった。
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諸子百家の要点と、その成立背景や、諸子百家同士の関係性を書いている。
諸子百家それぞれの原典を読んだことが前提として記述されている。
洞察に富み、原典を読んだだけでは分からないことにもたくさん触れられていて、諸子百家の理解が深まりとても楽しめた。