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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代中国が思想的に豊かで菜根譚がその中でも秀逸なのがよくわかる。本編と併せてよくとより理解が深まる。
100分de名著
2017/01/19 17:09
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投稿者:みーやん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の湯浅先生の「100分de名著」に触発されて本書を入手しました。
菜根譚の主要部分がよくわかるし、「処世訓の歴史」まで掲載されいます。
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『菜根譚』という書が、どのような背景で、どのような人物によりなされたのか、から書かれ内容に入る為に、中国史に明るくない人にも非常に読みやすい。
また、漢文は書き下されて、フリガナも多く、コラムも設けてあって、分かりやすく、また興味がつきません。
一度だけでなく、何度も噛み締めたくなる処世術の書です。
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大き目の本屋さんに行きますと、東洋哲学・東洋思想といったコーナーがあります。東洋医学を実践するものとして、そのようなところにも時々足を運ぶのですが、『儒教』や『老子』といった定番に混じって、『菜根譚』という本が置いてあることがあります。この『菜根譚』という書物がどのようなものか、私は全く知らず、「野菜や根菜類のお話しか?だったら食養生として読んだほうがいいかな?」と、書名を見るたびに思ったものでした。どんなものか一度手にして中をめくってみたりもしましたが、どうも食養生ではなさそうだなと、手に入れて中身を読むということはないまま時が過ぎました。
先月本屋さんに行きますと、この『菜根譚―中国の処世訓 (中公新書)』が平積みにされていました。新書ですと電車の中でも読めますし、概要を掴むにはコンパクトにまとまっておりますので、これは丁度いいと購入しました。
本書によりますと、『菜根譚』とは、中国明代末期に洪自誠という方によって書かれたもので、世の中に生きるための処世訓を語った随筆集です。洪自誠については、『菜根譚』の著者という以外は、ほとんどその人となりは伝わっていないようです。内容は中国思想の基本である『儒教』はもちろんのこと、『老子』、そして仏教などの影響も受けているようです。そのため、四書五経という正統な流れからは外れているのかもしれません。しかし、『儒教』が、訓詁学という文章の解釈に拘泥していき、社会に生きる一般の人々にとっては、実践的な思想としての活力を失っていったのとは対照的で、『菜根譚』は、社会に生きる我々の実践的な処方箋になる“活きた”お話がたくさんあります。これは著者の洪自誠が、実践を重んじ、実社会の中で生きてきた中で自らが体得してきたものだからだと思います。
本書は、『菜根譚』の文章をいくつか挙げ、さらに他の古典を引用しながら話を膨らませてくれています。そのため、『菜根譚』の内容が、より立体的に理解できるように思います。お話の最後には、『菜根譚』の書き下し文も掲載されていますので、古典を読んでいる実感もあります。東洋思想・東洋哲学に触れる最初の一冊としてもお薦めではないでしょうか。
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本書は、中国思想史を専門とし、
現在は大阪大学教授である著者が、
中国の説話集『菜根譚』を紹介する著作です。
16世紀、明の時代に編纂された『菜根譚』は、
儒教をベースに、仏教・道教を融合させた人生哲学を論じる処世訓。
筆者は、まず菜根譚がどのように誕生し普及したのかを解説します。
続いて、菜根譚に納められた説話を、
その内容や意味、関連する他の古典の解説などを交えて紹介
終章では、唐代の「顔氏家訓」など『小学』など、処世訓の変遷をたどります
文は拙を以て進み、道は拙を以て成る
人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念わず
-など、含蓄に富む語はもちろん
万暦帝の墓所や中井竹山・履軒兄弟などに関するコラムも興味深かったのですが、
個人的に、もっとも印象深いのは
『菜根譚』に見出しがないのは、読者に自由な読みをさせる意図ではないか
という筆者の指摘です。
単にその場しのぎの世渡り術ではなく
よりよい人格を育み、豊かな人生を送るための手掛かりを与えてくれる本書
中国思想に関心のある方に限らず、多くの方にオススメしたい著作です。
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[ 内容 ]
中国では長く厳しい乱世が多くの処世訓を生んだ。
中でも最高傑作とされるのが、明末に著された『菜根譚』である。
社会にあって身を処する世知と、世事を離れ人生を味わう心得の双方を記したこの書は、江戸期に和訳されて後、生涯の道を説くものとして多くの日本人の座右の書となった。
本書では内容を精選して解説するとともに、背景となる儒教・仏教・道教の古典や故事、人物を丁寧に紹介、より深い理解へと読者を誘う。
[ 目次 ]
1 『菜根譚』と洪自誠(明という時代;謎多き著者とテキスト ほか)
2 『菜根譚』を読む(人と交わる;幸せと楽しみ ほか)
3 『菜根譚』の言葉(衣冠の盗;烏有先生 ほか)
4 処世訓の歴史(歴史から学ぶ;家訓の登場 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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多くの経営者などが座右の書として挙げる作品に興味があり、入門書を手にとってみた。
中国らしく、清濁を併せ持つ度量が必要な文献の様子。ただ、これ一冊では判断ができないかな。。
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少しずつ少しずつ読み進めました。
菜根譚は一度読むだけでなく,折に触れて手に取るべき本のように思います。
次は違うまとめられ方をされた菜根譚を読んでみることにします。
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菜根譚の言葉を出典を明らかにしながら説明。大学教授の本ですが、大学の講義ってこんな感じなんでしょうね。人生訓の読み方として合っているのか?
出典よりも考えないとイカンことがある気がする。
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中国の処世訓の最高傑作とされる明末の浩自誠の著書『菜根譚』をわかりやすく解説。『菜根譚』の来歴のほか、『菜根譚』から具体的な中身をピックアップして、現代語訳、解説、書き下し文のセットで紹介している。
『菜根譚』の中身自体は、古今の儒教・仏教・道教からの良いとこどりのような内容であり、ややインパクトに欠けるかな(少し読んでいて退屈)という印象は受けたが、もちろんどれも人生のヒントとなるような内容であった。
特に印象に残ったのは、「一歩を譲る」「清濁あわせのむ度量」「悪中の善、善中の悪」「時間と空間の悟り」「衣冠の盗」「騎虎の危」「小過・陰私・旧悪」「人生は只百年のみ」などの内容である。
「処世訓の歴史」の章は、正直、蛇足な気がした。
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現代にも通じる処世術である。
西洋文明的ではなく
何事も中庸がよいと考える中国の処世術は
現代のストレス社会においては心地よく感じる。
あまり頑張りすぎないことも重要である。
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[渡る世間のお供に]中国の明末に洪自誠が著した『菜根譚』。中国最高の処世訓と呼ばれ、日本でも長く読み親しまれてきたこの作品を解説した一冊です。作品の成立背景が明らかにされるとともに、その教えが著者の解説付きで抜粋されています。著者は、同じく中公新書から『諸子百家』という作品を世に送り出している湯浅邦弘。
恥ずかしながら本書を手にするまで『菜根譚』のことを聞いたことがなかったのですが、本書を読んで早速興味が湧きました。中国の古典というと堅苦しいイメージを持たれるかもしれないのですが、平易で簡潔な内容とその深さ(とかくと自分の浅さが透けて見えてしまうのですが...)に魅力を感じること間違いなしです。著者の一条一条に関する解説その
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本書を読むにあたり、時代を超えて共感できる部分とそうでないところの見極めはいるだろう。
人生の先輩達が老いて気付いた人生の tips は時が移ろうが全く色褪せない。しかしながら、その英知も男尊女卑を肯定しており、今に合わないということも忘れてはならない。
この本で気付いたのは、言葉ができた経緯を理解せずに安易に当てはめて用いる危うさである。例えば、中庸でいることの重要性は、力いっぱいやっている人の警句であり、サボるための口実ではない。本来の意味を知らず言葉を用いていた愚かさに今更ながら赤面してしまう。
とはいえ、この本は古いのである。確かに、人間の愚行は数多繰り返されるのだろうが、時代は明らかに不可逆的に進んでいる、男尊女卑の価値観は明らかに捨て去るべきだ。そういう意味で、こららの言葉も取捨選択し活用することを肝に銘じた。
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湯浅邦弘『菜根譚』(中公新書、2010)を読む。
阪大の漢学教授による解説。明代に成立した菜根譚は、日本の町人上位層にまで広く受け入れられ、大阪の適塾などに見られる知識人像を形作っていきます。
作者の洪自誠はもと儒学を学び官吏となるも、時流に合わず都落ち。隠遁の日々に儒・仏・道の三教を兼ね備えた処世の哲学を生み出します。
貫くものは、老荘的な引き算の美学。隠遁の賢者といった趣です。(儒者として、官吏として栄達すれば名士になってしまうので、隠者が老荘的になるのは当然ですが)
【本文より】
◯中国は処世訓の国である。さまざまな書が、工夫を凝らし処世の術を説く。だがそれは、世の中が息苦しいことの裏返しであるかもしれない。俗世が濁っているからこそ、清らかな処世の言葉が光るのである。
◯減らした上にもまた減らし、ただ花を植え、竹を植えて、すっかり烏有先生の境地に至る。忘れなければならないということさえ忘れ、ただ香をたき、お茶を入れ、酒を贈ってくれる白衣の童子などまったく気にしない。(後集二〇)
◯人と生まれて何の高尚な事業を起こさなくても、世俗の心を脱し去ることができれば、もうそれで名流の仲間入りができる。学問をなして知識を増やす特別の工夫をしなくても、外物の束縛を減らし除くことができれば、もうそれで聖境を越えられる。(前集十四)
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どこかで聞いたことのある教えの原典。白文もリズムがあって読みやすく、覚えやすい。日本の偉人もこれを学んで育ったのかなぁ。
洪自誠の考えは色々な学問が混ざって独自の考えが確立されていて面白い。