かなり気になる日本語
著者 厚切りジェイソン
日本人が、何の気なしに使っている「大問題」な日本語を、「Why Japanese People!?」のネタで知られる日本語大好き知性派芸人・厚切りジェイソンが、痛快にぶっ...
かなり気になる日本語
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
日本人が、何の気なしに使っている「大問題」な日本語を、
「Why Japanese People!?」のネタで知られる
日本語大好き知性派芸人・厚切りジェイソンが、痛快にぶった切る!
目次
- はじめに
- 第1章 「それっていらないんじゃない?」な日本語
- 日本の皆さんは、なぜ相づちが多いのか?
- 疲れてなくても「お疲れ様」と言うのはどうして?
- 「よろしくお願いします」にはさまざまな意味がある
- 第2章 「ひと手間かかる」日本語
- あえて手間をかける年中行事、すごくない?
- 「ひらがな」「カタカナ」「漢字」はなぜできたのか?
- バリエーションがかなり豊富な「一人称」
- 第3章 よく考えたら「?」な日本語
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
日米の比較文化論、日本語の紹介としても立派な教養書
2019/01/20 19:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語への愛情を表わしてもらった。
日本語への疑問から、アメリカと日本の比較文化論としても、考察が広がる。
比較の中から、日本人へのメッセージも受け止められる。
お笑い芸人と事業を行う経営者の顔も持つジェイソンだけに、書かれている内容は深い。
ジェイソンは「『お笑い』というエンターテイメントを通じて社会問題を可視化する役割を果たしたいと思っている」と述べる。
本書は日本語を偏愛し、日本語を勉強する中で、日本語への疑問を集め、その解を得るなかで、さらに日本語愛を深めていくという知的好奇心を満足させる側面もある。各章の末尾には不思議な日本語の理由を解説するミニコラムも収められていて、普通の日本人でさえ知らない知見が紹介される。
例えば、日本人は話の合いの手を、よくうつと指摘。アメリカ人は合いの手を打たれると理解していないのではないかととるというのだ。
「よろしくお願いします」は幾通りの意味もある事に驚き、「お疲れ様」「拝啓」など様々な挨拶は英語にはない。コミュニケーションのTPOで使う単語のバリエーションや敬語が違う日本語。しかし、へりくだりすぎることが、自己肯定感を下げるのではという突っ込みも鋭いではないか。
日米の国語の授業の違い考察し、アメリカは「あなたがどう思うか」と意見が求められるが、日本の読解問題では「型を学ぶ」「作者の意図」を学ぶものになっており、他者の心を読む日本文化の特徴があると指摘する。そんなことが挨拶のバリエーションや「空気を読む」という不思議な日本語が作られた背景かなと私は感想を持つ。
外国語と日本語の理解はまず、直訳から始まるが、直訳するとびっくりする「足を運ぶ」。故事成語や慣用句もそのニュアンスを正しく伝えるのは難しいらしい。また、「頑張れ」といったニュアンスの英語はないと紹介し、頑張れ的なニュアンスで使われるのはグッドラック。あんまりプレッシャーにならないし、本人の責任ではなく運次第で、達成できなくても「ついてなかったね」と自分以外のせいにしてもいいじゃないかという雰囲気が醸し出されていて、ここにも日米の違いを指摘
その他にもバリエーションがありすぎで訳すのに困る「気」の問題。元号の不便さ。デザインはクールだが不思議な漢字「ケモノを守るって書いて『狩る』って逆じゃない」「『男一匹』ってなに」という突っ込みから、ものの数え方のバリエーションの紹介。「ちんまりの『ちん』ってなに?」など、普段日本人でさえ突っ込まずに使いながら、実のところその深いところを知らないと事を突き詰めて勉強したことを解説していく。
ちょっとした教養書の趣もある。