白石一文氏の会心の一冊です!
2019/01/24 15:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人間の生き方、社会について深い洞察をもって描いてきた白石一文氏の作品です。世界的なベストセラー作家の兄が不審な死を遂げました。そして残された遺書には不可解な文章が書かれていました。なぞの死と残された一文はどうつながるのでしょうか。結末では、記憶とは異なった謎の一文の真実が明かされます。白石一文氏の会心の一冊で、読者はきっとストーリーにはまり込んでしまうこと間違いなしです。
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これは、通勤時間に細切れで読む本ではなかった。まず登場人物の関係が複雑で、メモでもしなきゃついていけないほどなのと、じっくり読んで理解したい文章が何箇所かに出てくるのと…。白石ワールド炸裂というか、これまでの作品のなかで最も難解かも。再読するかな。
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大好きな作家さんなので、書店で手に取ってすぐ読み始めたのはもう何か月前…?
職場の昼休みや、待ち合わせの時間など細切れで読んでると、だんだん訳が分からなくなってしまって、これはしっかり読まないといけないと、後半は正座して読んでしまったにもかかわらず、消化不良…
ここで終わる?とまだまだ小説の中に身を置きたい自分だけが取り残された感が…
解説にもあるとおり、私も小説の中に入り込んでしまうからか、東也がおいてけぼりの結末にどうしても納得できなくて、白石作品初の星3つ。
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口汚く謗るそしる 大仰で無意味な 永遠に答えのでない問いに立ち向かう蛮勇を 骨箱 感慨はない もう兄とは忌憚なく話し合えるような間柄ではなくなっていたのだ 名古屋風味噌おでん 八丁味噌 赤茶漬け ねんごろ懇ろに合掌するよう規定で定められているのだろう マニュアルを最初から軽んずる人間に本当の意味で独創的な者は一人もいなかった気がする 電話機を耳朶じだに押し当てる ひさこ寿子 懐旧談かいきゅうだん 深謀遠慮を巡らした 要らぬ穿鑿せんさくめいたことをせずに有難く押し頂いて即刻掲載という成り行きになったのだろう 粟粒結核ぞくりゅうけっかく 仔細に読み解いていくと 自らの誤謬を悟ったことになる 彼はざんき慙愧に堪えぬとでもいうような重々しい口調で アトピーに著効を示す 共食いするのが厭な奴らは檻から逃げ出す以外に手がないだろう PCの前で呻吟する羽目に陥っているのだった 地下鉄東西線は門前仲町駅で降り 挙措動作を観察していた どこかのりと祝詞にも似た教祖のかみごと神言を全員て唱えているときも 朗誦ろうしょう ふせ臥せっていた 天啓のように閃めくものがあった ここ国分寺の冷え込みは都心よりずっと厳しかった 慙愧に堪えません 東京で荼毘に付され ジャンヌ・ダルクが聴いたという神の声は、てんかん性幻聴だったと思われます。 はくせき白皙の青年テロリスト 謙遜や韜晦とうかい 軽佻浮薄に過ぎる タイ名物のトゥクトゥク(三輪バイク) 他の生物は自分達の生存を時間という視座から見つめたりはしていないだろう すべてが刹那刹那で忘れ去られていくのなら かつての「未来」は平凡な「日常」へと姿を変えざるを得なかったということか まだ諾否の返事は届いていない じっし実姉のように慕い きいと生糸相場で巨額の損失を被り 信濃町の慶應病院に搬送され 雨上がりの曇空くもりぞら 秘匿した 尾道ラーメン 福山市 繁盛ぶり 敢然と拒否した 遺贈 その香りを鼻腔深く吸い込んだ 編纂する過程で この兄弟の相克に開祖は悩み抜き 末期意識清明 長逗留 桜の煎じ汁 うなばら海原 「文藝春秋」の巻頭随筆に スーパー・ナチュラルな現象がしばしば登場してきた オルタナティヴな生を描くという大切な仕事 意味深長
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数ある白石作品でも「見えないドアと鶴の空」系のちょっと不思議系な内容の作品ですが、二部後半三百九十六頁あたりと三部八項に題名にもなっている「記憶」に関する作者の論考が非常に面白いです。「どれくらいの愛情」に収録されている「ダーウィンの法則」でも主人公の所見の程で「セックスレス」に関して白石一文先生の論考が語られています。こういう書き方って面白いです。絶対的な答えのない命題に対して自説を、自身が綴る物語に織り交ぜて紡いで作品に仕上げるなんて四苦八苦していても書きながら笑っていそうです(笑)
三分構成の物語で一部はこれまで通りの白石作品ぽい感じ、二部では主人公も変わり横溝ミステリーテイストな味付けで、三部で伏線を一気に回収してる手腕はさすがです。まぁ些か強引な感じは有りますが、よくぞまぁこんな物語を考え出すもんですねぇ〜
これまでの白石作品とは少し毛色が違ってはおりますが、面白い作品でした。
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なんかまたすごく重くて不思議なものを読んでしまった。
長い。咀嚼できてない。
記憶、輪廻、新興宗教、治癒能力、アトピー、てんかん、拒食症、ビーガン、もりもり盛りだくさんスピリチュアル系。
ひたすら長くて登場人物もやたらと出てくるのに全く飽きさせない書き方はすごいと思う。
記憶は自分の内部に存在するのではなく、外部に大きな海のようなものとして広がっている。
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面白かったのかどうかは正直わからない。
登場人物が多くて、時間も飛ぶ。
関係図を書きながら丁寧に読んでいってようやく消化された感じ。
1番印象に残ってるのは味噌おでんがすんごくおいしそうってこと。白石さんの料理の書き方はほんとすごい。
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見渡す限りの草原が広がっている。私たちは、私たちとして私たちの場所に帰ってきたのだった。まるで海だと思う、この草原ははてしなく続くいのちの海だ
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酷評レビューがあったけどこの作者さんの本なら面白いかもと読み始め、最後にはレビューに納得。
前半はスルスル読めるけど、後半はとにかくスピリチュアル系。
「記憶」がキーになってるんだろうけど、スピリチュアルに興味がない身からすれば、読んでも「は?」以外の感想が持てない。ここまで読んだんだし結末まで、と読み進め、読了後には「時間かかった割に面白くなかった」としか思えない。
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あまりにいろんなことが起こり、しかも主人公が入れ替わり、たくさんの人が出てきて、その上現代と過去が入り組み...こんがらがってなんだか良くわからないまま読了。
著者の言いたいことはわからなくもないけど、小説として楽しむには難解です。
読むなら一気読みをお勧めします。私は寝る前に30分ずつ読んでいるので複雑なストーリーに読み返しながらで時間がとてもかかってしまいました。
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小説を読みながら、まるで映画を見ているかのように情景を思い浮かべることが、楽しいこの頃。その映画をより深層まで表現するために、現実での体験が必要になってくると思う。生活地域での経験や人との関わりでの経験等を重ねれば重ねるほど映画で細かい描写ができる。だから年齢を重ねることで小説の感じ方が変わるのだと思う。
白石一文さんの作品に少しだが、実家である清瀬市が出てきたことに感動しました。
没入感が半端ない作品。
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記憶の渚にて
1.物語
10年以上、付き合いがなかった兄と弟の対面が果たされます。
兄が自宅で自殺したことによる確認と引き取りです。
弟に連絡をした女性は偽名かつ住所も架空でした。
謎解きの始まりです。
2.物語の結末
1.のとおり、物語はミステリーで始まります。
しかし、終わりは、本の装丁のとおり、桜の木の下のシーンです。
しかも、犯人は、、、???と読者側の疑問を残す形で終わります。
ミステリーで始まり、その事件の動機から別の方向性で展開するのは、理解はできるが、難解でした。
3.難解な理由
登場人物は10人を超え、かつそれぞれ役割があり、さらに血縁で絡んできます。
家系図が巻末にあれば、解像度が少し高くなり、楽しめたのかもしれません。
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白石一文の超長編。時間と空間を駆け巡るミステリー。登場人物が多くキャラが立っていないため、ストーリーに入り込めない。
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文章はおもしろく先が気になり読み進められるけれど、話の内容が抽象的。なんだか変な話だなあというのが率直な感想。
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登場人物が多く、後半はどんどん複雑な繋がりが出てくるのでしっかり読まないと混乱する。白石一文の作品は謎が解けたんだか解決したんだか何だか曖昧というかふわっと終わることが多いのだが、独特の人生観やこの世というものの捉え方が面白くてつい読んでしまう。