- 販売開始日: 2019/08/09
- 出版社: 東洋経済新報社
- ISBN:978-4-492-61042-8
あなたが払った税金の使われ方
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
目次
- 序 章 二つの税金改革──取られ方と使われ方
- 第1章 お役所のあるところ税金あり
- 第2章 理想の税金──経済学ではこう考える
- 第3章 日本の税金はこうなっている
- 第4章 あなたが払った税金の使われ方
- 第5章 誰から取り、誰に与えるか
- 第6章 税金の無駄遣いを止める方法
- 付録 わが国の税制および歳出
- 上級者のための読書ガイド
- あとがき
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2001/10/21朝刊
2001/10/24 22:17
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「聖域なき構造改革」を掲げる小泉純一郎首相が最も力を入れているのが財政問題である。そこでの議論は、無駄な公共事業の排除や特殊法人に対する支出の削減など歳出面が中心だ。これとは対照的に、歳入面、税制の面から財政問題に迫ろうとしたのが本書である。
税制の世界は難しい。仕組みが複雑なだけに、財務省などが展開する「税の論理」を突き崩すのは簡単ではない。このためか、税金の本は専門的な学術書か、どうすれば節税できるかといったハウツーものになりがちだ。本書は、税金に関する不満や不信の原因を解明するという納税者の視点に立っている。
税金に対する不信は一つは公平に徴収されていないという疑念があることだ。この不信をなくすために、著者はいくつかの理想的な税制を示している。U字型の限界税率の所得税、法人税の全廃などであり、政府が続けてきた接ぎ木を繰り返す税制改正の限界を感じさせる。
もう一つの不満は税金が無駄に使われていることで、小泉首相が取り組もうとしているのはまさにこの問題だ。これについては、納税者が政府に対する圧力団体として行動し、税金が効率的に使われるよう求めることを促す。
目を引くのは、納税額の一部について大まかな使い道を選択できる納税者投票制度の提案だ。受益と負担を一致させる試みだが、歳出の配分の変更が進まない現実を目の当たりにしているだけに、説得力がある。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001