へらず口系キャラの登場が期待される表紙イラスト。
2020/07/24 01:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカユタ州ソルトレイク・シティ郊外のフーヴァー郡は全米でも治安のいい地域であるユタ州の中で、何故か犯罪件数が多い。 そこで働く刑事弁護士のダニエル・ローリンズは、犯罪行為をしたとされる被疑者を守る立場。 犯罪者の方を持つのかと言われたり、依頼人からは感謝されないこともあるし、弁護料は高くない。 しかしダニエルは酔いどれでバツイチ、でも元夫には未練たらたらでストーカーの自覚あり。 そんなある日、麻薬密売容疑をかけられた17歳少年の弁護につくと、少年テディには知的障害があり麻薬の売買なんて無理。 誰かに利用されたのは明白だし、未成年だし不起訴処分に持ち込めると思ったのに、検察も判事もテディを成人として裁くという。 いったい何故?
ダニエルが語り手の<わたし>。
すっごく面白い。飲んだくれだし、軽口が行き過ぎてヤバいことを口走っていたりするし、捨て身のユーモアを忘れないスタイルは読者から見て大変魅力的。
理想に生きているわけじゃないし、現実に立脚して最善を尽くすのは、小さな町の弁護士としてできるせいいっぱい。元夫が再婚するのでさらに酒量も増えてプライベートも荒れまくり・・・と、魅力的なんだけど「人としてそれはどうよ・・・」な場面も多々。彼女の生い立ちもかかわってくることですが。
文章のリズムがとてもいい。
これは原文のせいか、日本語訳のせい? 訳者の関麻衣子さん、読むの初めてだと思うけど、すごくうまいのでは?
そんなユーモアあふれるハードボイルドテイストは、後半一気にヘヴィなトーンに。
BlackLivesMatterがここにも・・・。
あぁ、やはり法律は正義ではない。
著者あとがきには「法制度は力のない弱者を叩きつぶすために作られている」と書いてあるよ・・・。
一応、エンディングは希望がある。 シリーズ化するのかな?、と期待したい。
ヒーローとはこのような人物である。
2020/07/07 00:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
その人物が次にどの様な言動を起こすか期待してしまい、そして気付けば応援している自分がいる。
本書の主人公である弁護士ダニエル・ローリンズは、まさにそのような魅力に満ちた主人公だ。
特に個人的に気に入っているダニエルの魅力は、どこまでも自分に正直なところである。
何度法廷侮辱罪を宣告されるも、腐った判事や検察官に自らの意見を述べる姿はヒーローそのものだ。
(法廷以外の場所でも、知的障害者であるテディに対して差別的扱いをした店長と対峙するシーンもカッコイイ。)
またカッコイイだけでなく、酒に逃げたり別れた夫に未練たらたらな弱い一面もダニエルを魅力的にさせている要因の一つであろう。
主人公の魅力のみならず、ユーモアに満ちた皮肉の応酬等のコメディ要素が本作をとても読みやすくしている。
別れた夫の再婚相手につけたあだ名の数々や、判事及び検察に対する皮肉などとても面白かった。
上記した通り、魅力的な主人公とコメディ要素を多分に含んだ会話と聞くと軽く読めるエンターテインメントを想像されるかもしれない。
もちろん本作は読みやすいエンターテインメント作品ではあるのだが、本作で扱われている事件の背景は私たちがいまなお解決できていない人種差別問題である。
いかに法が不平等で、黒人が不条理な扱いを受けているか。
いかに肌の色に対して固執し、偏見にまみれているか。
ダニエルがそれらを「白い罪悪感」に訴えかけるシーンは多くの人に読んで欲しい。
「きっと人間は、進化の過程で他人の苦しみに鈍感になっていき、それによって正気を保っているのだろう。」
と述べられているが、ダニエルは違う。
誰よりも他人の苦しみに寄り添い、誰もが見て見ぬふりをしている不都合な真実に対して声を上げることの出来る素晴らしい人物である。
私もダニエルの様な人物に少しでも近づけたらと思わずにはいられなかった。
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はなはだ残念な一冊だった。
読後感を表すならば「がっかり」の一言に尽きる。
前半は素晴しかった。
ダニエル・ローリンズ、刑事弁護士、この女主人公がとにかく魅力的なのだ。
バツイチで、元夫に未練タラタラ、飲んだくれ。
二日酔いを構わず法廷に出て、判事にそれを指摘されても、軽口を叩いてしらばくれる。
堪えない。タフ。へこたれない。そして常にユーモアを忘れない。
敗北の怒りを燃やす検事には、笑顔でぽんと肩を叩く。
『「あなたはもっと楽しく生きないとだめよ、ボブ。こんな件を深刻にとらえることないって」』(167頁)
依頼人のためには裁判所で暴れることも厭わず、監置場に入れられたことも1度や2度ではない。
やさぐれエピソードに事欠かない気っ風のいい姐さんである。
弁護士としてのスタイル、矜持が感じられて、読んでいてとても気持ちがいい。
それが、しかし、後半には変化してしまう。
作者の政治傾向(イデオロギー)が見え見えになってくるのだ。
政治傾向!
これほど作品の質を落とし、読者を興醒めさせるものはない。
ある物事について、賛成派と反対派がいるとしよう。
日常のただの意見の相違なら、(例 目玉焼きにはなにをつけるか。コーヒーはどの店が好きか。あるいは紅茶なのか等)
「あいつはああいう奴」「この人はこんな人」程度に収まる。
けれども、事、政治についてとなると、人は冷静ではいられない。
「こんな常識も知らない、理解していない奴だ」と、
賛成派は反対派を底抜けのバカだと思い、
反対派は賛成派を底なしのバカだと思う。
相手のおつむの程度を侮り、いずれ、自分と同じ人間だと思えなくなってしまう。
作者がある政治傾向を持っている場合、その作品の主人公は、当然、自分と同じ側として描く。
悪党は、当然、自分と違う側に置く。
すると、どうなるか。
話の後半、主人公ダニエルは"巨悪"と戦うことになるのだが、この"巨悪"の造形が、まったく頭の悪い、ペラペラ人間なのだ。
安いドラマに出てくるようなお定まりの見た目をして、どこかからとってきたようなお定まりのことしかしない、言わない。
ダニエルがこの"巨悪"と対峙するきっかけとなったのは、ある少年の裁判なのだが、作者は、わずかでも、この"巨悪"側で考えてみたことがあるのだろうか?
私がこの側だったとしよう。
計画の肝心要のところに、この裁判は、絶対に選択しない。
被告となった少年が、自分の望むテーマに対して、まったく不適格だからである。
ユタ州リチャードソンが、描かれたような場所ならば、もっと適切な人物がやらかした、もっと適切な事件が、他にいくらでもあっただろうに。
なぜ、この"巨悪"グループは、こんな不適格な裁判に総力を挙げているのか?
答え、彼らはバカだからである。
ペラペラ"巨悪"の考えた壮大な計略は、あるひとつのきっかけで、あっという間に崩れ落ちる。
さながら紙人形に火をつけたように。
繰り返すが、前半はとても素晴しかった。
ダニエルの、いつもユーモアを忘れない、なににも怯まない生き方が素敵だった。
彼女のへこたれないスタイルは、見習うべきとさえ思った。
けれども後半、作者の政治傾向が、それを台無しにした。
主人公は萎縮してしまい、なんとも精彩を欠いている。
かと思えば、唐突に似合わぬ説教を吐いたりする。
話は作者のイデオロギー上をただただなぞるだけになる。
結末から話を振り返ってみれば、テーマのブレさえ見えてくる。
人種差別を描きたかったのか、福祉問題を描きたかったのか、法律問題を指摘したかったのか、政治主張を述べたかったのか、どれを描きたかったにせよ、少年の人物像がそれにそぐわない。
さらに少年の両親だ。
あれこれ事情があるならば、弁護士なんか依頼せず、国選弁護人にやらせればいいではないか。
ブレどころか、もうバラバラだ。すべてに一貫性がない。
執筆中の作者の頭がすっかり政治一色になって、思考が作品にまで及ばなくなってしまったとしか思えない。
極めて残念だ。
繰り返すが、作者の弁護士としての実体験から描かれた前半は面白いのだ。
主人公をはじめとする、魅力的な人物たちだけで構成された、生き生きとして、気っ風のいい、前半のままの物語を読みたかった。
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なんて素敵な小説なんだ? これは読み終わったときの感想でもあり、読んでいる途中の感覚でもある。そう、ミステリーのプロットのみならず、読んでいる時間が充実している小説なのだ。
軽妙な一人称文体による、ぱっとしない女性刑事弁護士の日常を活写しながら、重厚で手強いテーマへのチャレンジング精神豊かな、骨のある小説なのである。弁護士ヒロインの名前を邦題タイトルにしているので地味な印象を受けるが、映画されても素敵だろうなと思うくらい、ヒロイン以外にも忘れ難く味のある個性派キャラクターが脇を固める。
騒がしいダニエルの生活基盤に入り込んで来るのは、捨て子で黒人で知的障害を抱える、まさに三重苦の少年テディ。この少年の描写が良い。この少年が生きて読者の傍らにいるんじゃないかと思うくらいに、優れていて、そんな彼の苦境に、きっと母性もあるのだろうな、女性主人公のダニエルは任侠道みたいな救済欲望を激しく感じてしまうのだ。
ダニエルの境遇は活き活きと描かれる。行きつけのバーの女店主ミッシェル、70代の隣人ベス、秘書のケリー、調査員のウィル。癖がありながらも優しさに包まれた境遇はきっとヒロイン自身の人柄の反映であるのかもしれない。
しかし、そんなダニエルは孤独にも苛まれる。ふとした浮気が元で離婚され、元夫ステファンは全米ライフル協会を代表するような狩猟マニアのタフ・レディとの再婚を待つばかり。一人息子のジャックともどもハッピーかつゴージャスな生活を送っている。そのジャックはなぜかダニエルに対して以上に優しく大人びて見える。ダニエルは完全な人格どころかアル中一歩手前の破滅的な生活で危ういバランスを取りつつ日々を送っているのだ。
そのダニエルと事件の渦中にある少年との出会いが本書のすべてである。彼女自身も捨て子という過去から、自分を投影するが、テディはさらに黒人で知的障害である。そして彼はコカイン取引の首謀者として逮捕される。証人は四名。警察も検察も判事もすべてが敵という四面楚歌。
作品世界はユタ州ソルトレイク。架空の町フーヴァー郡は、かつて犯罪者どもを隔離した町とのことで、州法も及ばないくらい警察や法廷の力が強い。さらに人種、人権などでの差別化を広げようと画策する権力者たちの動きが事件の背後に見えてくるにつれ、本書はリアリティと重さを増す。
本書の作者は実際にユタ州で刑事弁護士を務め、日々権力と闘い、弱者たちを救うことに命を賭けている当事者であるそうだ。道理でリアリティのあるアメリカの法解釈の病的な問題ににかくも鋭いメスを入れてきたわけだ。
ダニエルやテディのどこまでも魅力的な人柄と、まっすぐな正義を求める浪花節的プロット、巨悪に立ち向かう心意気。人間と人間が激しく情動を闘わせつつスリリングな展開に終始する熱い一気読み作品。
最近お気に入りのロバート・ベイリーと言い、今やアメリカン・ミステリ独自の売りどころは、<胸アツ小説>と言って良いのではなかろうか。
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「コロナによる自粛」のために「対策」として買った2冊の単行本は、読むタイミングを逃し。
そのままズルズルと文庫本を読み漁る日々に戻る。
で、読んでみるとこれが「人種差別」を扱うタイムリーな話だった。
(2020年07月)
麻薬取引の容疑で少年が逮捕される。少年に不利な証拠が多く、まともな証人もいない。少年は知的障害を持ち、厳重な売人とのコネや、計画的な犯行が不可能なのだが…
弁護士のダニエルは、調査員ウィルの手を借りながら奮闘する。
司法制度や、人種差別についてはカバーの見た目からの印象よりだいぶ重たいテーマを真面目に扱っています。
根の深い問題、巨大な敵に主人公がどのように立ち向かうのか!?で読ませます。
そしてなんといっても主人公をはじめとした登場人物が魅力的
ダニエル・ローリンズ
本書の主人公、モテ女、連日二日酔い、ボロボロのスニーカー、
元夫のステファンが、めっちゃ好き
ステファン
ダニエルの元夫、ペイトンと婚約中
ペイトン
ステファンの恋人、狩猟が趣味
ウィル
ダニエルの調査員、イケメン、実業家
ダニエルのこと、めっちゃ好き
テディ
ダニエルの依頼人の少年
スポンジ・ボブがめっちゃ好き
(他にも妙な奴が色々出てきますがひとまず)
ダニエルの悪態のつき方やセンスが好き。(嫌いなペイトンにつけるあだ名が毎回変わるのも面白かった)
ウィルは男でも惚れるくらいの快男児
ダニエルは、結構感情で突っ走るタイプ、「駄目だ」と言われてもやるし
「無理だ、やめといた方が」と言われてもタックルをかますヤツ。
最後まで諦めない姿が、帯通り
読み終えてスカッとした。
2冊連続だけど、続編や
この著者の作品をもっと読みたいので
星五つ
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知的障害のある黒人少年が麻薬密売の容疑で逮捕。弁護することになったダニエルは疑問を抱く。正しいことが通らないなかダニエルの真っ直ぐさと不器用さがもどかしいほどで、でもその人柄がとても魅力的。少年ソーンの造形もよく二人の交流も読みどころで楽しい。ソーンが関わった出来事の裏にあるものや、差別、偏見を利用しようとする人たちの怖さを感じる。ダニエルのプライベートも色々あったりと読み応えがあってシリーズ化にしてほしいくらいの面白さ。
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ソルトレイク・シティの刑事弁護士ダニエルは、元夫の再婚が決まり、連日二日酔い出廷中。そんなある日、麻薬密売容疑をかけられた知的障害のある黒人少年の弁護依頼が。未成年なので簡単に不起訴処分に持ち込めるかに思えた。だが、いざ調査を進めてみると、少年は誰かに利用されたとしか思えないのに、何故か検察も判事も実刑判決にする気満々で…酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士が社会の闇を吹き飛ばす!
日本では初登場の作家らしいが、本国ではかなりの多作らしい。痛快な本作だけでなく、他の作品も翻訳を希望する。
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面白かったぁ!著者が作り上げた架空の郡の法制度にヤキモキさせられる舞台で、自分が浮気したくせに元ダンナに未練タラタラで深酒しまくる主人公が、嵌められた知的障害のある少年を助けるために立ち上がる!とにかくダニエルの軽口が気持ちいい!これは読んで良かった!
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おもしろかった〜!麻薬密売で逮捕されたのは知的障害のある黒人の少年。明らかにおかしいのに検察も判事も警察も彼を成年として裁き、有罪にしたがっている。権力持った人たちに目の敵にされると個人なんてひとたまりもないな… そんな中で身も心もボロボロになりながら、法廷で闘うダニエルに涙。カッコいいヒロインのさらなる活躍に期待してます!
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主人公は、女性の刑事弁護士ダニエル。
元夫の再婚話に落ち込み、毎日二日酔い。そんな弱い面を持ちながら、知的障害のある黒人少年の弁護依頼に、全身全霊で取り組む。
法を自分たちの良い様に解釈する司法の姿は、リアルなアメリカの司法の姿なのでよしょうか?
弁護士の思い込みにより、最後になるまで真実への道をたどらせないが、そんなところも、経験に基づいて展開されているのだろうかと思っていまう。
主人公とその周囲の人は魅力的なので、シリーズ化してもらいたい。
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MWA賞(エドガー賞)最優秀長篇賞の最終候補作品。
バツイチで大酒飲み、別れた夫に未練のある弁護士のダニエル・ローリンズ。
ダニエル(ダニ)は重度の知的障害のあるテディ、17歳(もうすぐ誕生日)が麻薬の取引をして逮捕された事件の弁護をテディの里親に依頼されます。
ダニは、テディは全くの無実で幼なじみのケヴィンたちに、嵌められたとして調査を始めます。
ダニも里親を転々とした身の上で、今は弁護士として働いていますが、テディをほっておけず、ダニは自分でテディの保釈金まで支払います。
そして、ダニはある日テディがホームレスたちのシェルターで暴力を受けているのを発見します。
テディの家に行ってみると、両親は、ユタ州では18歳以上の子どもの養育の義務はないと言われ、テディを自分の家に連れて帰ります。
テディは身体は大人でも中身は子供のままでした。
ダニは周りからテディを守ろうと必死になります。
テディの純真無垢さには心を打たれました。
表紙の絵や主人公ダニのキャラクターなどから、最初はコミカルな印象をうけましたが、大きな社会問題(人種差別)をリアルに描いた作品でした。
社会派のリーガル小説です。
最後は事件にもダニの恋愛にも大きなどんでん返しがあります。
ただ、事件の問題解決の理由が、最初に提示された社会問題とかなり異なっていることに違和感を覚えたので、星の数は減らします。
★このレビュー、最初に間違えて電子書籍で登録してしまったので、2度目です。
いいね!してくださったフォロワーの皆さまごめんなさい。あちらは削除させていただきました(__)
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人種問題が浮き彫りになってる今だから一層リアルに感じた。しかも容疑者は孤児で知的障害を持っている。主人公のダニエルに私は最初、良いイメージがなかったが、熱くて真っ直ぐ、何より自分に正直な点に好感が持てた。ミステリーとしてのミスリードも良かった。
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素晴らしい。
リーダビリティが高いの一言。
ライトな語り口ながら背景には重みがある。
もっと楽しい本かと思ったけど良い意味で裏切られた。
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読み終えて思わず、ヒュー!と口笛が出たよ。
気の利いたジョークで進んでいく軽い読み物のつもりで読んでいたのだけれど…ラスト60ページほどが読ませます。スピーディで手際いい語り口ながら、重い現実も盛り込んで、ぐいぐい来ます。
ミステリとしての弱さは少々あるけれど、シメも見事で、楽しかった。
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リーガル小説で、アメリカの司法、裁判制度についての知識が得られる。
それと共に黒人差別の深刻な根深さも知る事が出来る。
そんな結構なバックグラウンドなのに主人公は、飲んだくれの女性弁護士で、
自身の浮気の所為で家庭を壊しておきながら離婚した夫に未練が有るという。
でも周囲の登場人物から言わせると美人らしい。ふうん。
調査員で金持ちで、若くして(32歳?)フィジーでリタイア生活をしようとしているウィルはダニエルにぞっこん(へ~え)
話しは深刻な筈なのにコミカルな場面が続くという、もう何か凄い設定。
主人公の弁護活動もハチャメチャな感じで、法廷で検事や判事をコケにしたり、
刑務官に暴力を振るうとか、おいおい懲戒制度って無いのか?と
知的障害者である黒人少年が麻薬取引をしたということで逮捕されるが、
それを利用して少年法を変えようとする検察や、それに協力する判事の陰謀を阻止すべく、孤軍奮闘するダニエル。
形勢は不利ながら最後は勝利するんだが、ご都合主義すぎるだろ?と。
破天荒リーガル小説ってジャンルになるのかな?
内容(「BOOK」データベースより)
ソルトレイク・シティの刑事弁護士ダニエルは、元夫の再婚が決まり、連日二日酔い出廷中。
そんなある日、麻薬密売容疑をかけられた知的障害のある黒人少年の弁護依頼が。
未成年なので簡単に不起訴処分に持ち込めるかに思えた。
だが、いざ調査を進めてみると、少年は誰かに利用されたとしか思えないのに、何故か検察も判事も実刑判決にする気満々で…酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士が社会の闇を吹き飛ばす!
著者について
アフガニスタン、カブール生まれ。
ユタ大学法学部卒。検察官を経て、刑事弁護護士に。
《ユタ・ビジネス》誌において「マウンテン・ウェスト地区でもっとも名誉ある弁護士」のひとりに選ばれる。
2011年『The Extinct』で小説家デビュー。
2019年に本書でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞にノミネートされる。
その他50冊以上の小説の著書がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
メソス,ヴィクター
アフガニスタン・カブール生まれ。
ユタ大学法学部卒。検察官を経て、刑事弁護士に。
“ユタ・ビジネス”誌において「マウンテン・ウェスト地区でもっとも名誉ある弁護士」のひとりに選ばれる。
2011年The Extinctで小説家デビュー。
2019年に『弁護士ダニエル・ローリンズ』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)