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投稿者:ツクヨミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「アノニム」、それは美術品をそれがあるべき場所へ戻すことを目的とした義賊団。舞台は学生運動で熱をおびた香港。ジャクソン・ポロックの幻の作品がオークションにかけられることに!そしてその町にはアーティストを夢見る高校生の少年がいて…。
今まで自分が読んできた原田マハ作品とはかなり毛色の違う、何だかハリウッド映画みたいなノリの小説でした。読んでいると「このキャラにはこの俳優が似合いそうだ」とか「監督は誰がいいだろう」とか想像してしまう。ちなみにジェットは金城武で(笑)。
…正直、突っ込みどころは色々あるのですが、あっという間に読んでしまったってことは、それなりに面白かったってことでしょうね。続編書くなら、ゼウスの描写をもう少し欲しい。敵の目的が分からないと、主人公たちが何で頑張ってるのか伝わってこない。オークションの場面は、スリリングで面白かった。その後に更にスリルがあったらもっと良かったか…誰か映画化してくれ!
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投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな話なのかと思いましたがレビューを書かれている皆さんの意見にも多く見受けられるように原田マハさんの今までの作品になかったようなものになっていると思います
それはそれで良いと思うのと少し前の香港の緊張した現状とあいまっていて香港の未来は心配だけど作品としては楽しいものになっていると思います
コロナでもなく香港の人達が望む未来を手に入れたそのときに是非に香港に行ってみたいなと思いました
その時にはミュージアムだったりギャラリーに行きたいですオークション…はムリですもんね(笑)
あとシリーズものになったら嬉しい
アートはわかるわからないじゃないんだよね、きっと。
2021/02/21 22:01
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
わからないなりに、とりわけ現代美術が好きな私なのだけど、何が好きって、1つの言葉で言えないところかな。作者は何を考えているの、どうしてこれを作ったの、なんでこんなことに、え!、みたいな気持ちがたくさん出てきてそれを受けた自分や誰か周りの人の中に小さな波がうった時、やっとメディアとして成立するんじゃないかな。「すごく古くて新しいメディア」は私の中ではラジオだったのだけれど、ラジオは一瞬でアートはその何万倍も長ーく時間が必要なメディアだと思う。
作家としての柔軟性を感じさせる良作
2020/08/30 23:22
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
香港で行われるオークションで出品されるポロックの名品をめぐる一晩の駆引きを描いた作品。美術に造詣の深いメンバーで組んだオーシャンズ12的義賊のコンセプト、オークションの掛け合いが面白かった。終盤の展開を「暗幕のゲルニカ」に似せていた所もファンにはたまらない。
楽園のカンヴァスや暗幕のゲルニカとは違った、ラフさとスピード感を前面に出したアート系ノンストップサスペンスで手軽に楽しめる良作。
オークションの仕組みが分かる
2020/08/25 19:58
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投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブックカバーのプレビューを読んだときは「暗幕のゲルニカ」風のギャング団が出てくるのかと思いきや天才集団の心優しい直し屋さん達。香港のことにも鋭く記載しているわけではないけどアートを通じてどのような状況か伝わってくる。今まさに読むべき一冊。
個性的なキャラクター
2021/12/25 08:32
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ美術がテーマでも、先日読んだ楽園のカンヴァスとは全く毛色の異なる異色作。ページを開けると、登場人物のイラストがまず目につきます。で、タイトルのアノニムって何だ?というと、『アートで世界を変える。世界を変える力を持つアートを救う』という理念の下、盗まれたアートを奪い返して持ち主に返還する集団のこと。残念だったのは、せっかくの個性的なメンバーなのに、全体的にサラッとしてて、もう少し一人ひとりの背景について深掘りされてほしかった。アノニムがメインなのか、舞台背景となっている、香港の学生運動の熱気とアートに情熱を燃やす一人の学生のことを取り上げたかったのか、焦点が定まっていなかった印象を受けました。
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オーシャンズ○○ か スパイ大作戦か
英才君との絡みが何のためかよくわからなかったけど、彼も成長していくんだね。オークションの場面は本当にドキドキした。ゼウスとヘロデのその後が気になるけど、根本が悪い奴のことはほっとこう。
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盗難にあった美術作品を人知れずに元あった場所に戻すという謎の集団「アノニム」(←作者不詳という意味)。
今回の任務は、ジャクソン・ポロックの未発表作「ナンバーゼロ」をある人が最高落札価格で落札させて、なおかつ贋作とすり替えること。ある人とは、闇マーケットや窃盗など悪事お繰り返しているディーラー。
「アノニム」の人たちは、どのようにしてミッションを成功していくのか。
原田マハさんの作品ということで、文章の雰囲気が、今まで読んだ作品とは違い、エンタメ性が強く、ポップに書いているので、ちょっと驚きました。原田さんの新たな一面を垣間見たようで意外でした。
表では、建築士や修復士など美術関係に携わっている人たちですが、裏では結集して鮮やかに美術品を取り戻すというルパン三世やキャッツアイを彷彿とさせるような雰囲気を醸し出していました。
ただ読み進めてみると、映画「オーシャンズ○」のようなチームワークでミッションを遂行していて、面白かったです。特にオークションシーンが鮮やかでした。
しかし、登場人物がほぼ外国人で、さらに「アノニム」独特のコードネームのような名前も登場し、個人的にはわかりにくかったです。(「アノニム」のメンバーは最初の部分でイラスト付きで解説しています)
今回の注目は、ジャクソンポロック。あまり名前は存じ上げなかったのですが、実際に絵を見てみました。独創的で自分もできるのでは?という安直な感想でしたが、ポロックの絵を詳しく解説することで、勉強になりました。
こういった絵の歴史が、原田さんの小説を通じて学べるので
、色々お世話になっています。
一つの映画を見たようで、爽快感がありました。
ちなみにヘロデはその後、どうなったか気になりました。
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マハさんには珍しいのかな?若者向けの内容だった。スリルのある絵画泥棒(と言ってよいのか?)の話だった。
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2020年7月31日
登場人物多過ぎ。
まるで009のような仲間たち。
それぞれに特技を持つその技の第一人者、
それぞれがとてつもない金持ち。
現代のICTを駆使してミッションをやり遂げる。
でもそれは盗品を元の持ち主に還すこと。犯罪でありながら、世の為、人の為という行為。
仲間がそれぞれの自分の役割を攻めていく感じがたまらない。
豪華なシチュエーションを映画化したら楽しそう。
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ちょうどよいフィクション加減。
架空の人を実在した人間の中に描くよりは
はるかにいい。
「ナンバーゼロ」という名の架空の作品。
しかし人間とは違い、実在の可能性を
ほのかに感じることはできる。
未だ発見されないままどこかに眠っている
芸術作品…そう思うだけでワクワクできる。
エンターテインメント性の強い作品だが
フィクションに振り切ったからこその
最大のメリットだと思う。心から楽しんだ。
しかし…贋作をつかまされた側とアノニムたちの
その後の物語がまったく出てこない。
なぜ?何かの意図?
そのせいなのか、何か欠けているような
物足りないような読後感にモヤモヤしている。
それでも、このところの原田マハ氏の作品に
よく見られた「架空の人物を狂言回しに仕立てる
手法」が、この作品にはなかったことには
正直ほっとしている。
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原田マハ作品らしい、読んでいてワクワクする、芸術作品を巡る小説である。
暗幕のゲルニカや楽園のカンヴァスが非常に面白く、以来、原田マハ氏の芸術モノをよく読んでいるが、この2作に比べると、面白みが薄い(贋作を買い取った彼らの結末は…?)というか、物足りないところはある。
しかし、芸術品義賊とでもいうべきアノニムが、オークションにてゼウス側に高値で買い取らせるミッションを遂げていくところが特に秀逸。読んでいるこちらもオークション会場の熱に巻き込まれていくような、不思議な心地がした。香港を舞台にしているからこそ、なのだろうか、熱っぽく、魅力的な作品であることは確か。
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ジャクソン・ポロックの絵をキーワードに、香港の若きアーティストを見いだし、その内なる力を引き出していく。
芸術を愛する謎の集団【アノニム】
面白かった~
芸術品を悪徳収集家から盗み出し、あるべき処へ戻す。
かっこええ~♪
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図書館本。
原田マハさんの本は、だいたい読んでいるが、この作品も面白かった。美術への愛情がたくさん詰まっていると思った。
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原田マハさんのアートをテーマにした小説(2017年6月単行本、2020年7月文庫本)。今回はアメリカ現代美術の天才アーティスト、ジャクソン・ポロックの作品「ナンバー・ゼロ」を巡る物語で、香港を舞台にした数百億円の攻防のオークションの始まる前から終了までの間の表の息詰まる駆け引きと裏の本当の目的、そして香港の若者の熱い闘いが同時に描かれる。
物語は盗難にあった美術品を修復して持ち主に返す活動をしている8人の義賊窃盗団「アノニム」が、「ナンバー・ゼロ」をホテル王の悪徳冷血コレクターにオークション史上最高価格で落札させた上で奪うという手のこった物語。しかもこのミッションの本当の目的は冷血な悪徳コレクターへの制裁でもなければ、希少な美術品の獲得でもない。これからの若者にアートの可能性、勇気や希望を確信させ、世界を変え、世界を豊かにする力があることを植え付けることだった…と結末にちょっと共感できなかったのは私の未熟なせいだろうか…。
ボスは世界有数のアートコレクターで大金持ちのIT長者の台湾人(通称ジェット)。メンバーは香港の巨大美術館のメインアーキテクトで建築家の日本人女性(通称ミリ)、絨毯店経営者で世界的な美術史家のトルコ人(通称エポック)、ニューヨークでギャラリーを経営するイタリア人女性(通称ヤミー)、ラグジュアリーブランドのオーナーでファインアートのコレクターのフランス人(通称オブリージュ)、世界屈指の美術品修復家のイギリス人女性(通称ネバネス)、天才エンジニアで億万長者のメンバー最年少インド系アメリカ人(通称オーサム)、そしてオークション会社の花形オークショニア(通称ネゴ)。とアニコムのメンバーがアート業界の表と裏のスーパープレイヤーを揃えて凄い。このメンバーを見ただけでこれから何が起こるのかワクワクする。
舞台が香港というのがまたいい。20年以上前の香港映画「恋する惑星」の描写が 文中で出てきて、思わず昔観たDVDを引っ張り出してきて懐かしく観てしまった。今正に世界が注目する激動の香港、自由と民主主義が奪われようとしている香港。政治も世論も群衆の力も世界のメディアも止められない自由と民主主義の危機をアートはその流れを変えることが出来るのか。マハさんは凄い問題提起をしてしまった。
単純にこの凄いメンバーが活躍する、多彩なアートを教えてくれるような物語をもっと見てみたい気がする。
「アノニム」のシリーズ化を期待しているが、今作の続編にすると簡単ではなさそうな感じ…。でも期待したい。