作家たちの銀英伝
2023/11/09 22:47
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
名だたる作家たちが描く『銀英伝』。特徴が出ていて面白かった。
好きな先生の作品をあさっていて見つけました。「こんなの書いてる・・・」って。
本編『銀英伝』も好きなので、ちょっと驚きつつ読みました。
それぞれの作家たちも凄く楽しんで、自分の好みを物故んでるのが伝わってくる。
オルタンスが座間味くんみたいで楽しかった。
オーベルシュタインの話が結構好き。
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
田中芳樹の手によるものではないが、銀英伝の新作が読めるのは至福だ。
原作の1シーンから、また史実の狭間から紡がれた物語はどれも良質だった。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀河英雄伝説のために気鋭の書き手を集めて編まれた一冊。
トップを飾る小川氏の作品だが、将来のエミールについての記述はいらなかったと思う。
ファンが「そうならいいな」と願う事を原作者監修のトリビュート本でプロの作家が書くのは少々野暮。
それとその後の戦艦ブリュンヒルト。お金払うとラインハルトや艦長の声が聞けるとか、いろいろと勘弁して欲しかった。
自分としては学生時代のヤンを書いた2作品が気に入った。
キャゼルヌ夫人の聡明さが光る「士官学校生の恋人」、ヤンが演劇に挑戦する異色作「星たちの舞台」は良作。
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ユリアン「・・・」
ヤン『どうしたんだい、ユリアン。そんな浮かない顔をして』
ユ「て、提督。この報告書を読まれましたか?」
ヤ『あぁ、なかなか良く出来てるじゃないか。何か不満でもあるのかい?』
ユ「そりゃ、ヤン提督は活躍が報告されてますけど、僕は、言え、私の事はどこ
にも書かれてないんです。不公平じゃないですか!」
ヤ『そうは言うけどね、ユリアン。あのキルヒアイスやロイエンタール、
ミッターマイヤーについても書かれていないよ』
ユ「で、でも提督。あのオーベルシュタインなんて、大活躍じゃないですか」
ヤ『確かに。ユリアン、君は何歳だい。今回報告されているのは、それなりに
年齢を重ねている人の昔話がメインなんだ。君はまだ若い』 『それに、キャゼルヌ
少将のを読んだかい』
ユ「もちろんです、それにしてもキャゼルヌ夫人、すごいですね、
少将もかたなしって感じでした」
ヤ『キャゼルヌ先輩は、本来とても優秀な人だ、なのにあの描かれようだ』
ユ「私は、まだこれからと言う事でしょうか」
ヤ『まぁ、そう言う事だよ。ただあまり期待してはいけないよ。他にもまだまだ
優秀な人材はいるからねぇ。シェーンコップはもちろん、ビュコック提督なんて、
若い頃の話を探し出したらキリがないはずだよ』
フレデリカ ❛私なんて、エル・ファシルにいた頃、当時のヤン中尉にサンドイッチ
とコーヒーを差し入れた話しぐらいしか思い出話が出てこないのよ。これでも
士官学校を次席で卒業してるのだから、他にももっとありそうなものでしょ、
そうは思わない、ユリアン?❜
ユ「・・・」
ヤ『・・・』
フ❛あら、わたし、何か変な事を言ったかしら❜
とまぁ、こんな短編集です。
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6人の作家による銀河英雄伝説公式トリビュート・アンソロジー。
原作が完結してから何年?1989年の完結?30年近く経て、トリビュートされるのは衰えない人気の証明。
嬉しい。
タイトルに列伝1とあるからには、今後も刊行の予定があるという含みと思います。銀英伝の世界が、銀河の歴史が1ページ、また1ページと増えてゆくわけです。これは嬉しい。
「竜神滝の皇帝陛下」
エミールのラインハルトへの心酔っぷりを評して、釣りをしている時も宇宙を釣り上げているようでした、という一文があったことを思い出す。そこからふくまらせた作品。日常生活というか余暇を楽しむことができないラインハルト。彼の数少ない日常の光景を垣間見える、と言いたいところだが、そう上手くはいかない。違う作家の文言ではあるが、彼に『目指せ一般市民』はできないのである。
エミールがラインハルトとの約束を果たしている将来も伺えてニヤリとする。帝国一の信頼と忠節を持ち合わせる医師であったのでしょう。
「士官学校生の恋」
魔法使いは、いつでも魔法使いだった。ヤン艦隊に欠かすことのできない重要人物アレックス・キャゼルヌ。彼が風邪をひいたらイゼルローンが風邪をひく、そう言わしめたキャゼルヌ。その彼が頭が上がらない人物であるオルタンス夫人。彼女なくしては、ヤン艦隊は成り立たない。
女は何でも知っているのよ、とウインクされたら、ホールドアップ。探偵オルタンスの続編希望。
「ティエリー・ボナール最後の戦い」
題名のボナール少将の活躍と引き際の良さもいいのだが、在りし日のウランフと、未だ何者でもないルビンスキーの存在に、目を引かれてしまう。
ボナール少将の軍人としての終わり方は、ひょっとするとヤンが描いていた理想系なのでは。過不足なく職務を勤め、悠々自適な年金生活を送るという。二人の天才を筆頭に紡がれた、激動の時代が始まる寸前にリタイアするという、この時代で最も幸福な人生を送った人物の一人か、ティエリー・ボナール。
「レナーテは語る」
あのオーベルシュタインが犬を飼っているだと!あのオーベルシュタインがか。
その遠因になったであろう事件の物語。登場した最初から退場の最後まで憎まれ役を担い続けたオーベルシュタイン。人間臭さというものを感じるエピソードがほとんどなかった彼に、唯一あるのがあの犬。
また、彼を偲んで語り合うという構成がいい。これをロイエンタールあたりが見かけたら、なんと思ったことか。皮肉の一つでもいうのだろうけど、きっと無表情で受け流されてしまうのだろう。ヴァルハラでも、相変わらずの相容れない関係。
「星たちの舞台」
ちょっと入り込めなかった作品。個人的には、悪巧みに奔走するアッテンボローを見たかった。ヤンとヒュパティアの掛け合いに、何を見出すか読み取るか、が自分の中にあれば違った感想になっていたはず。
小さなものでも、誰かにとって大事な存在であれば蔑ろにしない、というヤンの主義、というほど大上段ではないが、はこの頃から変わらないのだと嬉しくなる。それを表現できるから、同盟と共にあったのだから。
「晴れあがる銀河」
ルドルフ登極直後の銀河帝国。晴れあがるというタイトルとは裏腹に、作品通じて感じるのは不透明な空気。新しい時代が始まったはずなのに、新たな時代の夜明けに立ち会っているはずなのに、闇が押し寄せてくるような不安。
その違和感を感じている少数の人間が、避難するべく選んだのが後の、という作品。
晴れあがってゆく世界に残った微かな影。その存在は、どぎつい光で宇宙を照らそうとしたルドルフの帝国に何をもたらすのか。その影の中には、深い闇が潜んでいるとは、知るはずもないこと。おもしろい。
ポプランを主人公にした作品がなかったのは意外。本伝後のポプランだと、宇宙海賊サーガになってしまいそうではある。
早く2巻を読みたい。さらなる銀河の歴史のページをめくりたい。
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私の読書のきっかけとなった銀河英雄伝説のトリビュート短編集。
ミステリ的であったり哲学的であったりと作者によってテイストが少し異なるのが非常に面白い。
いかにも銀英伝らしいのは「ティエリーボナール最後の戦い」。唯一艦隊戦が描かれている。
気に入ったのは「士官学校生の恋」。キャゼルヌ夫人の才が本編のイメージを損なう事なく描かれている。
初めて読んだのは多感な高校時代。ヤンやポプランに憧れ、軽口を叩きながら楽しく生きたいと思った。もうとっくにヤンの年齢は追い越したが、思いは変わっていない。次は是非ポプランを主役に誰か描いて欲しい。
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銀英伝トリビュート。執筆陣が豪華。
やっぱりヤンの若いころのお話とかがすきだなあ・・・。
「士官学校生の恋」が気に入った。
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カテゴリは合ってます(歴史だもんね)
作者に太田忠司先生がいるだけで「買います」だが他の作者さんも銀英伝好きが溢れてるお
作者公認の二次創作を嫌う人は多い、イメージが異なるからだと思うが40年も付き合っている作品ともなると別な一面を見る機会を逃す筈がありません
そもそも歴史はそんな一面だけで理解したつもりになってはいけないのです
太田先生の「レナーテは語る」
あのオーベルシュタインが這い上がる基礎を築いた事件です(ネタバレ)突然オーベルシュタインから遺産が当るとなれば人類なら等しく恐怖を覚えるだろう、そんな状況になったレナーテが情報処理課にいた頃「上司で名探偵」でもあったオーベルシュタインとの思い出話
事件の犯人こそ分かったが名探偵のチェスのような緻密な手腕に感心し、ラストのしゃれた話は気持ち良い
「星たちの舞台」ヤンの女優デビューですww
士官学校戦史研究科廃止阻止署名活動をした行動力を買われ、音楽学校学生寮敗死を阻止すべく立ち上がるヤン・ウェンリー(笑)演劇に使われる謎技術は感心したが、ヤンの性格を高島雄哉先生は見誤っていないか(爆)
目的を達成したか全然読み取れない読者ですまぬ
「晴れあがる銀河」は本編500年以上前で、銀河航路開発に監視&優性保護で我が身が危なく、避難する展開へ(鬼滅の刃の隠し村)を航路上で生み出した蔭にはフェザーン初代自治領主ラープ商会があるという禁断の歴史
「士官学校の恋」ある士官候補生の恋の裏にはとてつもないゴールデンバウム朝銀河帝国の陰謀があった
石持浅海先生、噂にたがわぬ力量の推理小説です
ミスマープルを彷彿させる作中の人物、恋バナを延々読まされたと思いきや!ヤンの先輩キャゼルヌが付き合いだしたオルタンス(本編ではただの良き妻)が紐解く
スパイってこういう陰謀をするものではないのですが、アガサクリスティ作品としてなら満点です
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いわば二次創作なので読もうか迷っていたのですが、店頭で見かけちゃったのでつい買ってしまった…(笑)
正伝外伝の新しい供給がないので列伝に手を出してしまうのも致し方ない…が、やはり二次創作なのでイマイチイメージ違うなぁというのもあり、その辺の嫌いな方は読まない方がいいのかな。
執筆されてる作家さん全員を知ってるわけではありませんが著作を読んだことのある方もいて、それぞれの個性が出るものだなぁと。
石持浅海さんの描くオルタンス嬢がすごくすごく碓氷優佳さん(石持氏の作品のヒロイン)っぽかったです(笑)。オルタンス嬢を探偵役に持ってくるところが上手いなぁと。
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銀河の歴史がまた一ページ。
公式アンソロジーというものが好きなので、有無を言わずに入手。オーベルシュタインの安楽椅子探偵などと聞いたら読むしかなかった。しかしそれ以上に女装して演劇するヤンにびっくり。しかもミス・マープルもびっくりな安楽椅子探偵がもう一人いらしたという。1となっていますが、ぜひ続けてほしい企画。
「竜神滝の皇帝陛下」ギャグですか。ヒルダとエミールに対して一生懸命になったとき、途端に面白い超天然陛下になるラインハルト様の魅力がたっぷり。思わず吹き出してしまうくらい。
「士官学校生の恋」名探偵オルタンス・ミルベール。未来のキャゼルヌ夫人が華麗に推理を披露する物語。相変わらずヤンに"利用されてる"キャゼルヌ先輩が拝めます。キャゼルヌ先輩推しの方にとてもオススメ。
「ティエリー・ボナール最後の戦い」この人もなんだか伊達と酔狂で生きているような。こういう二次創作アンソロジーには珍しい感じの艦隊戦。
「レナーテは語る」名探偵オーベルシュタイン。ハードボイルドです。多分。レナーテさんがこういうタイプの探偵に組み合わせられるワトソン役として定番のキャラクター。揺らがないオーベルシュタインのキャラクターには安心感があります。みんな大好きオーベルシュタインの犬も登場。
「星たちの舞台」ヤン・ウェンリー、士官学校生時代の人助け。アッテンボローやキャゼルヌ先輩も活躍。ラップとジェシカももちろん登場。しかしこの話はヒュパティアを好きになれるかどうかが肝。フレデリカに思い入れがあるとちょっとショックかも。
「晴れあがる銀河」ラストであっ!となる銀河帝国過去の話。ルドルフ大帝に対するスタンスと、相手を認める大切さ。
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良い意味で、銀英伝本編のキャラたちの印象は変わらないので、おすすめですね。
個人的には、艦隊戦の描写が見事だった「ティエリーボナール最後の戦い」! 読んでるうちに、本編を読み返したくなりました(素直な読者)
そして、もっと読みたかったのが、最後の「晴れあがる銀河」。ラストが、ここからが思い白いんじゃないですかっ、続きは!? 続きー???? と絶叫したんですが、あえなく終わっている。いや、これ、ここで終わりはないんじゃ?(愕然)
・・・今後の発刊も期待しています。
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二次創作なので賛否両論はあるでしょう。要は気に入るかないか。気に入ったのは士官学校生の恋、レナーテは語る。キャゼルヌ夫人恐るべし!オーベルシュタインの犬キター(゚∀゚*)
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これは嬉しい(^^)♪もう読む前から1っていうことは2以降も続くんだよね?o(*゚∀゚*)oと気持ちが昂る♪そして登場人物達の意外な一面が続々と…あぁたまらん( *´艸`)一番衝撃的だったのはルビンスキーの頭(髪)Σ(-`Д´-;)次回はアンネローゼ様とか帝国女子の話が読みたいな~♪
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普段アンソロジーは手にとらないのですが、銀英伝トリビュートとくれば話は別です。
ファン必読の書と言えるでしょう。
列伝1とあるので、今後2、3と続いてほしいです。
では、簡単なエピソード紹介を。
①竜神滝の皇帝陛下(小川一水さん)
ラインハルトの新婚旅行中の数日が描かれます。
僕は最後の作者自身による注釈を見るまで気づきませんでしたが、原案はあの超有名な漫画の1エピソードらしいです。
冒頭のエピグラフに続いて、史書あるいは史家の論文と思しき記述があってから本編に入るという銀英伝らしさ溢れる構成に、一話目から胸が熱くなります。ラストに年表形式で語られるエピローグもいい。
②士官学校生の恋(石持浅海さん)
正伝でのお気に入りキャラの一人であるアレックス・キャゼルヌが主人公の、なんと安楽椅子探偵もの。
といっても、キャゼルヌの役回りはワトソンで、安楽椅子探偵は彼に縁のある一人の女性キャラなんですけどね。
ヤン・ウェンリーはまだ士官学校生で、ロベール・ラップやジェシカ・エドワーズも登場します。
③ティエリー・ボナール最後の戦い(小前亮さん)
宇宙歴791年、帝国歴482年。銀河史に燦然と輝く二人の英雄が姿を現す少し前の、とある艦隊戦が描かれます。
ルビンスキーも、まだフェザーンの自治領主補佐官として登場し、彼らしい暗躍ぶりを示します。
④レナーテは語る(太田忠司さん)
ほんの短い間、オーベルシュタインの部下だった女性レナーテの回想によって語られる、彼女の同僚の死をめぐるミステリー。
鋭すぎる切れ物オーベルシュタインの意外な一面も窺える良編です。
⑤星たちの舞台(高島雄哉さん)
士官学校卒業の直前、音楽学校の女子学生との二人芝居の舞台に立つヤンが描かれます。
とっても青春してるエピソードです。
⑥晴れあがる銀河(藤井太洋さん)
皇帝ルドルフの治政下、正伝には名前も出てこない数名の人々が、ルドルフの命令によって航路図を作る様が描かれます。
合わせて帝国の優生思想政策の萌芽も描かれており、帝国内の一般人にとっての暗い未来を容易に予想させる一編でもあります。
ラスト一行はニヤリですね。
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様々なジャンルに関する名言が読める。ラインハルトは、カッコいい。又、小説の世界でのタンクベッドなど想像力を大きくさせる面白い表現もあって楽しい。