ジーキル博士とハイド氏
医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって凶悪な人物ハイドに変身するが,くり返し変身を試みるうちに恐るべき破局が….人間の善と悪をみごとに描き,二重人格の代名詞にもなった古典...
ジーキル博士とハイド氏
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商品説明
医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって凶悪な人物ハイドに変身するが,くり返し変身を試みるうちに恐るべき破局が….人間の善と悪をみごとに描き,二重人格の代名詞にもなった古典.
目次
- ふしぎなドアの話
- ハイド氏をさがせ
- 落ち着きはらったジーキル博士
- カルー殺人事件
- 手紙のこと
- ラニョン博士の身に生じたこと
- 窓辺の出来事
- 最後の夜
- ラニョン博士の手記
- ヘンリー・ジーキルは告白する
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それは、それは「秘密」じゃないのかー!
2007/06/30 22:21
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先入観や予備知識なしに本書を読める人が羨ましい。(そんな人が現代日本に、そうそういるとも思えないが)
仮に、19世紀の発表当時に本書を読んだとすると……
弁護士のアタスン氏は、友人ジーキル博士から奇妙な遺言状を預かる。博士が死亡するか行方不明になった場合は、ハイドという男が全財産を譲られるのだ。偶然から、アタスン氏は、そのハイドなる人物が実に邪悪な男であることを知る。ジーキル博士とハイドの関係は? 博士はハイドに弱みを握られ脅迫されているのだろうか?
アタスン氏は不気味な夜のロンドンに、謎のハイド氏を追う。ジーキル博士の抱く謎を推理するうち、深まる謎。やがて明らかになる真実に恐怖と怒りを感じ、涙する。
という感じで、読者はアタスン氏と共に作品の謎を満喫できたのかと思うと、ちょっと悔しい。
「ジーキル博士とハイド氏」と言えば、二重人格の代名詞だ。彼らが○○○○なことは、今更、隠しようがないらしく(でも私は隠したい)、出版社も解説者も開き直っている。
ちなみに本書の背表紙には作品紹介文が載っているのだが、その内容というのが「(前略)ジーキル博士は、暗い欲望にとらえられ、自ら発明した秘薬によって別の人物に変身する。が、くり返し変身を試みるうちに恐ろしい破局が……(後略)」
いくらジュニア向けとは言え、そこまでストレートに秘密をばらしていいのだろうか。
まあ、しかし、設定が衝撃的な作品の場合、知っているのは設定のみで結末は知らないこともあり得る。例えばカフカの「変身」で、主人公がある朝目覚めたら虫になっていたことは大抵の人が知っているだろう。だが、彼が物語のラストでどうなったか、ちゃんと覚えている人はどれだけいるだろう。
ちなみに私は、結末こそ覚えているものの、主人公が変身してしまった虫が、芋虫タイプだったか、ゴキブリタイプだったか記憶が怪しい。
「ジーキル博士とハイド氏」もそんな作品だ。有名になりすぎた小説の悲劇。ジーキル博士の運命を、多くの人は知っているつもりで、実は知らないのかもしれない。
若い人こそ!
2023/07/24 19:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
とくに、若い方に読んでいただきたいです。ジキル&ハイドというと、二重人格の代名詞ですが、なぜそうなったのか、その後、彼らは(彼?)どうすべきか、これは、高校生くらいが、一番いいと思います。
別人ではなく分身
2002/03/25 21:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人の心に潜む善と悪。高潔な紳士ジギルと殺人までを引き起こす邪悪な性格のハイド…彼らは1つの体を共有し、薬によって入れ替わる。だけど ここで肝心なのは2人は決して別人ではなく、分身であるということ。つまり2人は結局は同じ人間であり、誰だって心に善と悪を持っている。それを作者は分かりやすく人格を極端に変え、薬という小道具を使って表現した。タイトルを知っていてもラストを知らない方、是非ラストを御覧下さい。いろんなことを考えさせられます。
“魔がさす”という言葉がある。どんな瞬間に理性が消え、抑圧された悪が表面化するか分からない。私達だって人事では済まされないのかもしれない。