【電子オリジナル】うずたか氷(苺)を君と
著者 雪舟えま
甘酸っぱくも切ない男子高校生の緑と楯の恋、その後のゆくえは――。大学進学で未来東京を離れ、未来京都で暮らす緑と地元の大学に通う楯。距離ができたことでより一層想いを募らせる...
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商品説明
甘酸っぱくも切ない男子高校生の緑と楯の恋、その後のゆくえは――。大学進学で未来東京を離れ、未来京都で暮らす緑と地元の大学に通う楯。距離ができたことでより一層想いを募らせる緑と相変わらずマイペースな楯は夏休みに再会の約束をして……。まだまだ拙い二人のその後を描いた電子オリジナル短編。カバーイラスト:紀伊カンナ ※本作品は「小説すばる」2018年3月号掲載の短編小説を電子書籍化しました。
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布教したくなる二人
2021/01/10 03:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kaya - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は『緑と楯』の続編にあたる短編です。
読み終えた今、私の胸は「みどたて」の愛で
ほっこほこで、いとおしい気持ちでいっぱいです。
いま、私めちゃくちゃ満たされてる…
前作で、兼古緑は高3の秋、ひょんなことから同級生の荻原楯と親しくなり、
彼への恋に落ちた緑はストーカー紛いの猛アプローチの末に楯と結ばれました。
けれど、その後、進学し【未来京都】に住み始めた緑と
【未来東京】に残って大学生活を送る楯は遠距離恋愛に。
今回はそんな絶賛遠恋中の二人の夏の3日間の再会が描かれます。
離れ離れの間もこれは楯と食べたい、ここには楯と来たい…と
事あるごとに楯を思い浮かべ、相も変わらず、猛烈熱烈激烈に
楯に恋い焦がれる日々を送る緑。
自分の方からアクションを起こさないと連絡も寄こさない楯に
一人悶々としたり、楯のホログラムを自作して慰めにしたり、
だけど、楯からの返信ひとつで明るい気持ちになれたり、
ほんとに緑はブレることなく楯が大好きすぎなんですよねぇ♪
そして、遂にやってきた再会の日!
きっと情熱的な感動の再会になるんだろうなぁと思っていたのに、
なんだかぎこちなさを感じる二人。
以前と変わらず柔らかく、優しく笑う楯。
緑が楯をいとおしく感じる気持ちも変わらない。
だけど、久々の逢瀬の歓びを噛み締めながらも、
会えなかった時間が緑に楯との間に距離感を感じさせてしまう。
緑がずっと気が狂いそうなほど会いたかった恋人を前にして、
触れ合うことも出来ず、雰囲気の変わった楯に戸惑い、
今の楯が自分をどう思っているかわからない、もう恋人じゃないの?とか、
告白する前に戻ったみたいだ、なんて不安でそんなことを考えてしまうのが
切なくて、もどかしかったです。
一方で今回は楯の視点も加わっていて、前作では謎めいていた楯が
何をどう感じ、どう考え、緑のことをどう思っているのかが明かされます。
楯も少なからず緑の想いを感じ取っていて、緑の激しい愛に対して
どうすることが彼を大切にすることなんだろう、と柄にもなく
考え込んでいたりしているんです。
だけど、それは緑をどうやって愛せばいいのか
という迷いであって、緑を拒む意思は感じられない。
気持ちがすれ違い、楯から愛されていないと不安がる
緑に教えてあげたかったです…
そして、旅の中で緑との関係に答えを見つけた楯。
緑との関係はこの先もずっと続き、何があってもだいじょうぶ、だと。
いつもはぐいぐいと恋に暴走しまくりの緑でしたが、
今回はキスもハグもいらないから何か証が欲しい!なんて
健気で意地らしく悩んだり、乙女メンタルでした。
(家に来た楯の姿や声を録音・録画したり、冷蔵庫の表面のビジュアルを
楯の画像に設定したり、その執着を超えた盲愛っぷりは怖すぎだけど(笑))
最後は楯の「だいじょうぶなんだよ」の一言で手懐けられてしまって、
ポジションは攻めですが、メンタル的には案外楯の方が優位なんだな、と
認識を改めたり。
これも惚れた弱みってやつかな?
一歩戻って、また一歩進んで。
まだまだ始まったばかりでこの先の未来を感じさせるところで終わりです。
続編が読めたのは嬉しかった…けど、
夏の3日間だけじゃ、全然足りません!!
もっと緑と楯のお話が読みたい!
いつの日か、また続編が執筆されて、このお話も紙媒体で読めますように。
うーん
2021/01/09 20:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回楯視点もあってちゃんと好きってことが分かりましたがそれにしてもそこまで甘くなく、なんだか精神世界的なお話になってしまっていたのでもっと楯にも緑を切望する感情を見せて欲しかったなぁ