短いのでさっと読めます。今こそ参考にすべき本。
2017/11/06 15:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカのトランプ大統領や日本の安倍首相、中国の習近平国家主席など、今こそ世界に広がっている圧政に対して、きちんと向き合い、抗うために、歴史から私たちが学ばなければならないことを、エッセンスの形で提示してくれています。
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自分自身で情報を吟味せよ。他者を批判する言葉しか垂れ流さない人物の言うことには、十分な注意が必要だ。自分の自由を売り渡すな。
という事なんでしょうか?
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政治を良くするには、国民一人一人が自立した考えをもって自身の幸せを考えるところから始めないといけないんだと思う。与えられることを期待するのではなく、何かを作り出していく気概が必要になってきているのではないか。
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人は歴史から学ぶことができる。しかし、真剣に歴史から何かを学ぼうとし、学んだ教訓を日々の生活の中で活かせる人間は遥かに少ない。
自分への戒めとして、数年に1度読み返す本の一つになりそうだ。
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プロローグでいきなり「「歴史は繰り返す」と言われますが、そんなことはありません。」とあり、確かマルクスは「歴史は繰り返す。最初は悲劇として、二度目は喜劇として」のようなことを言っていたのじゃないかと思ったりしたので、マルクスへの挑戦状かとも思いました。スナイダー氏は歴史から多くを学びなさいと言われます。日本の為政者にはどうも歴史を軽視する姿勢が見られます。いや、己の信条に合致するところだけを都合よく解釈するようにも見えます。そして、わたし達は『忖度による服従はするな』や『自分で調べよ』が大事なのです。
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FB友達の日佐子さんから勧められた一冊。表紙見開きのト書きから引いておきます。
ファシストはその日々の暮らしのささやかな〈真実〉を軽蔑し、
新しい宗教のように響き渡る〈スローガン〉を愛し、
歴史やジャーナリズムよりも、つくられた〈神話〉を好んだ。
事実を放棄するのは、(自由〉を放棄することと同じだ。
ファシズム前夜―
いまこそ、本を積み上げよう。(事実)があるのを信じよう。
歴史の教訓に学ぼう。
気鋭の歴史家ティモシー・スナイダーが、現在、世界に台頭する
圧政の指導者に正しく抗うための二〇の方法をガイドする。
これから読み始めます。まずは「1.忖度による服従はするな」…まさに日本の官僚諸君に読んでいただきたい本かもしれない。(2017/12/23)
年を跨いでようやく読み切りました。この本を読んでPCに向かっているというのもちょっとなんだかな、と自分に嫌悪するところもなくはないのだけれど、それがなぜかというのはこの本を読んでいただけばわかると思う。
タイトルに有るように20の短いセンテンスを鍵に20世紀の歴史から読み解いた「暴政とはなにか、それをいかにして防いでいくべきなのか」というレクチャーですが、この本をよむのに2週間以上もかかってしまったその訳は、僕に歴史の知識が少なすぎて、いちいち他に飛びながら学ばないとなんともならない状態だったためです。でも、ツカエツカエしながらでも、兎にも角にも読み通し、巻末に付けられた解説、そして訳者あとがきまで含めて読んで、少しはわかったんじゃないかな、という気がします。20の項目を諳んじて挙げられるわけではないけれど、何かしら自分の接する政治状況に対して違和感を感じた時には、この本にもう一度戻ってみようと思います。
解説にもあった言葉ですが、この本をポピュリズム政治家を支持する人たちにも読んでいただけたらと思う。そして、書かれたことに賛同するか、共感を覚えるか、あるいは反発を覚えるかどうかは別として、こういう歴史的な背景と分析について何かしら議論をすることで、ポピュリズム支持者・不支持者の間を区別・分断するのではなく議論し合うことで一体化されていったらいいなと思う。
この本はまた時をおいて改めて読むことになるでしょう。そのときに感じたことはまた改めてここに書き足していくつもりです。(2018/01/08)
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本来なら昨年の内に読んでおくべきだった一冊。現大統領の誕生がどれだけ著者や米国人知識階級にショックを与えたかが伝わってくる。TwitterでもS.Waltが舌鋒激しく呟いている。著者が本書内でその名を述べずずっと「現大統領」といっているのが正直怖買った。ヤン=ヴェルナー・ミュラー「ポピュリズムとは何か」と共通する主張も所々に見られる。また一部で言われている「今日の世界はWWIとIIの戦間のグローバル化の反動と同様な様相」という認識も見られる。大慌てで記されたような筆致であるがそれだけ危機感を感じていたのだろう。米国市民向けであるが読んでおくべき一冊だと思う。できれば日本でもパンフレットのような本(岩波ブックレットなど)で出して欲しかった。
正直読了後はあの狂乱の選挙とその後の混迷ぶりを突きつけられた気分でぐったり疲れてしまった。
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現在の社会や政治の状況を考える際、過去の歴史に学ぶことはとても大切なことだ。
著者は、特に1930年代のヒトラーの台頭とそれに続くホロコーストから私たちが学ぶべきことを、現在世界を覆いつつあるポピュリズムや、いくつかの国々で見られる専制政治へ目配りを、20の簡潔な提言にまとめて訴えている。
それぞれ、私たちが忘れてはならない重要な提言なだけに、パンフレット的に広めるのなら、もう少しこなれた訳文にしてほしかった恨みはあるが、常に座右に置きながら、何かおかしいと感じる度に紐解くようにしたい著作である
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トランプ大統領がアメリカ国民の政治的支持を取り付ける手法は、粗野な共感を増幅させ、その中心に居ることを印象づけるというやり方であった。
考える習慣を忘れた集団に対し、「ココロの声を聞け」とか「信じるところに従って行動せよ」というのは、デモクラシーではなかろう。
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各章がコンパクトにまとめられ読みやすかった。
現在が「ファシズム前夜」なのかどうなのか。本書を読むと切々とした危機感が伝わってくる。
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"Blackearth"や”Bloodland"の著者Timothy Snyder教授による、市民として暴政に退行するための心構え。第一にいきなり「忖度による服従はするな」とあるのが本邦の読者としては耳に痛い。
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トランプ大統領を念頭において書かれた本だが、アメリカに止まらないドキッとするような内容。
1933年2月27日の国会議事堂放火という「例外的」「緊急事態」という一瞬の騒動により、12年間に及んで自由を差し出し、殺戮を許すことになったという歴史を忘れてはいけない。
コロナという「例外的」「緊急事態」という言葉をよく聞く昨今、大義のある制度・自由への侵害に警戒しなければいけないと思う。
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暴政がいかにして生まれるのか、それに抗うには何をすべきで、どういう心構えを持っておくべきかを様々なモデルケースを元に描いた指南書。
著者のブラッドランドを読んだ身としては、過去の為政者がいかに国民をコントロールするために様々な脅威や不安を利用してきたかを知った。それに伴う最悪の悲劇も。
現代でも形を変えて同じようなコントロールが行われているのが垣間見えるし、情勢が不安定になればなるほど暴政の登場は避けられないのだろうか。
だから、権威が望むような忖度をしない、想定外のことが起きても平静さを保つ、勇気を振り絞ること、自分の意思を貫くこと。
こういった著者の教えを強く心にとどめておき、さしあたって私は人と違う意見を持つことを恐れないようにしていきたい。
暴政の誕生は国民全員が選択した結果なのだから。
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ウクライナ情勢を理解するための本を探して、著者の「ブラック・アース」(いわゆる黒土地帯=ウクライナ?)が良さそうだなと思って、買うのにあわせて、こちらも買ってみた。
まずは、薄めのこちらの本から読んでみた。
20世紀の歴史、全体主義から学ぶべきことをわかりやすく20の項目にわけて説明。と言っても、わたしたちが日頃生きていくなかで、心がけることというか、覚悟を呼びかけている感じ。
本のなかでは、しばしばハンナ・アーレントについて、言及されている。歴史研究家の間では、思想家ではあっても、歴史家ではないアーレントはあまり重要視されていない印象をもっていたのだが、どう具体的に生きるかということになるとやっぱアーレントは大事だな〜。
さて、この本は、トランプ大統領の就任などを踏まえて、アメリカが全体主義に近づいていることに危機意識をもって書かれているわけだが、今、ウクライナで起きていることと、強く共鳴していて、いい意味で重い感じ。
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成田悠輔の『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり 政治家はネコになる』の中で、30分位で読める名著として一部が引用してあったので読んでみた。 30分とは行かず、2時間位掛かったが、トランプ政権発足後に緊急出版された本だけあって、ポピュリストに警戒せよ、というメッセージが、20世紀の欧州政治の歴史を参照しながら、抑えた筆致で吶々と語られる。
ナチスが、クーデターによってではなく、選挙の結果により合法的に政権を奪取し、合法的にファッショ化していったことは、よく知られているが、それ以外でも20世紀の歴史上の大概の悍ましいことは、民衆の同意を得ながら進められていることが多い点には、正直ぞっとした。