紅衛兵とモンゴル人大虐殺 ――草原の文化大革命
著者 楊海英
文化大革命で、中国政府は内モンゴルのモンゴル人34万6000人を逮捕し、2万7900人を殺害した。実際には30万人が犠牲になったとの調査もある。このモンゴル人虐殺に、毛沢...
紅衛兵とモンゴル人大虐殺 ――草原の文化大革命
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商品説明
文化大革命で、中国政府は内モンゴルのモンゴル人34万6000人を逮捕し、2万7900人を殺害した。実際には30万人が犠牲になったとの調査もある。このモンゴル人虐殺に、毛沢東の中国政府は、学生たちを中心とする紅衛兵を使った。彼らをジェノサイドに駆り立てたものは、いったいなんだったのか。ほとんど公開されていない『紅衛兵新聞』などの貴重な一次資料をもとに、内モンゴル出身の著者が大虐殺の真相を解明し、世界から無視されてきた文化大革命の負の側面に光を当てる。
目次
- プロローグ 本書の目的と構成/序章 文革研究の現状が示す世界の中国認識/1 欧米と日本にとっての文革/2 紅衛兵新聞とは何か/3 紅衛兵新聞が反映する文革期の思想的潮流/4 毛沢東と紅衛兵新聞/I 学生造反派の民族観と思想/第1章 内モンゴル草原の造反派と保守派/1 誰の「人民」、どこが「祖国」?/2 北京を模倣した造反/3 党中央の前に立ちはだかる草原の造反派/4 政府が撒く民族間対立の種/第2章 造反派新聞が描く初期文化大革命/1 民族問題と国際問題への関心/2 天帝崇拝と擬似女性化/3 批判運動の深化/4 造反と保守の衝突の中のモンゴル人批判/5 解放軍の進駐とモンゴル人の災難/第3章 「フフホト市第三司令部」の誕生/1 太陽神の彼女/2 中央政府に支持されたウラーンフー批判/3 否定されるモンゴルの近現代史/4 全国紙への道/第4章 煽動されたジェノサイド/1 民族全体を攻撃する手法/2 大量粛清のスタート/3 氾濫する「太陽神」崇拝/4 発見された「反革命勢力」/第5章 内モンゴル人民革命党員の粛清/1 造反派と滕海清将軍/2 逃げ道のないモンゴル人/3 「内モンゴル人民革命党粛清」任務/4 捏造された内モンゴル人民革命党の歴史/第6章 暴力と抗争、そして動揺/1 モンゴル人の抵抗/2 植民地たる内モンゴル/3 異端への転落/4 造反派の二面性/第7章 消滅される造反派/1 信用されなかった造反派とモンゴル人/2 毛沢東の「ブラック・ハンド」/3 造反しない『紅衛兵』/4 造反派の弱い反撃/5 毛沢東の著作とモンゴル人の「罪」/6 動揺に動揺を重ねる/第8章 第九回全国党大会の開催/1 党大会に花を供える/2 情勢の変化と造反派の反応/3 紅衛兵運動の「正しい方向」/4 『呼三司』への回帰/II 労働者と知識人、農民の造反/第9章 立ち上がる労働者/1 労働者の思想たる『工人戦報』/2 工人の風雷/3 工人の政治任務はモンゴル人粛清/第10章 知識人の『魯迅』と『新文化』/1 ぎこちない『魯迅』/2 揺れ動く「知識分子」/3 文化が創出する暴力/4 民族全体の潰滅を狙った「文化」/第11章 暴力の総結集/1 農村の『農民運動』/2 暴力を総結集した『聯合戦報』/3 「モンゴル帝国の復活」/4 都市から草原、農村への拡大/5 大虐殺の「革命的功績」/第12章 モンゴル語の中国的変容/1 言語の問題は祖国の問題/2 国家主導の翻訳/3 中国の政治言語に中毒したモンゴル人/第13章 加害行為が物語るジェノサイドの規模/1 「のし上がった幹部」たちの罪/2 加害者陣営の様相/3 分割統治と強制移住/4 社会に根を下ろした加害者たち/エピローグ 「夷を以て夷を制す」現代中国/謝辞/参考文献
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