見方の転換を促す本
2022/09/17 09:13
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
お金に視点を据えて経済を見るのでなく、「誰が、誰を幸せにしているか?」という視点で見ると経済がわかるという説明が平易な語り口で書かれている本。腑に落ちたとまでは言えませんが、発想の転換にはなりました。ただ、この著者の考え方でいうと、病気や障害で働けない人は誰をも幸せにできないという失望を味わうのではないでしょうか。その辺には配慮されていないように思いました。
人がいなければ、お金は流れない
2022/03/18 21:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シルビア - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生は「お金がすべて」だと言う人がいるが、決してそうではない。
お金があるのは常に人が関わってきて衣食住が成り立っている。その事だけは忘れてはならない。
お金について関心が中高生にぜひ読んでもらいたい。
敬遠していた経済がこんなに面白いとは思わなかった
2021/11/07 20:59
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ayaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
頭の体操に出てくる「謎」からはじまる、新感覚の経済本。
一つ目の話「なぜ、紙幣をコピーしてはいけないのか?」
そんなこと私でも知ってるよ、インフレでしょ。なんて思って読んでいたら、浅かった。
全部の話が3択問題ではじまるから、次こそは当ててやろうという気になるんだけど、きっと三分の一も正解できてない。それだけは絶対違うでしょっていう選択肢が正解で、「なんでなんで?」という気持ちで次々にページをめくり、最後には腹落ちする。
最後から二つ目の話は、日本政府が大量に借金しているけど破綻しない理由。この話は、いろんな偉い経済学者がそれっぽいことを専門用語で語っているけど、どれも全く意味がわからなかった。ところが、その謎についてもスパッと説明されていて、「なるほど、そういうことか!!」とストンと落ちた。そして最後は年金の話。お金をためても、実は根本的な解決にならないという結論に、唸らされた。
だけど、将来に対しての不安が増したのではなく、ほっこりした気分になった。自分たちの選択次第で、明るい未来がやってくるのかもしれない。経済ってこんなに面白いんだ。難しい言葉で語る経済学者たちに任せるんじゃなくて、自分の行動をよく考えなきゃいけないんだ。心からそう思いました。
そして、お金を使うときの考え方が大きく変わりました。
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元GSの方が紹介してた、元GSの方が書いた本。
単に“経済を分かりやすく説明する”にとどまらない、とても良い本。
最後の問いに対する今の私なりの答えは、
“目標の中に楽しみを見出して、日々努力すること” かなあ。
非日常を強いられた人々に、いかに日常を担保できるか。自分も社会の一員として。
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・誰かが働いて、モノが作られる
当たり前の事だけど、お金を中心に考えると忘れがちな概念。無駄な労働をさせる(する)とみんなが損をする。
・モノの効用が人を幸せにする
人を幸せにするのは、GDPでもなくてモノの効用。しかし、効用は人それぞれであり、測るものさしがない。そのためGDPで代用している。GDPでなく、モノの効用を通して経済をみるとシンプルになる。
・誰が働いて、誰が幸せなるのか
現在の自分がお金を使えるのは、同じ空間の中に働いてくれる人がいるから。
その人たちが働くことによって、自分の生活が豊かになる。
・お金の価値は、将来、誰かに働いてもらえること
貿易黒字は今の生活を豊かにすることではなく、将来のために「労働と資源の貸し」を作ること。
しかし、いつも公正で公平な貿易が行われているわけではない点には留意しないといけない。
・お金の価値は増減せずに、移動する
国の借金も国内を財布の中とみれば国から国民や企業移動しているだけ。
財布を世界に広げて貿易で考えても同じ。
誰かの財布から誰かの財布に移動しているだけ。
ただ、誰が借金をすると総量は増える。
実際、国内には120兆円の現金しかないが、個人と企業の預金残高は1253兆円。
保険の積立金などを合わせると約1800兆円にも上る。
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お金の本質を考え始めるのに良い本。やさしく書いてくれているから分かるけど、今まで考えたことがないことだから追いつくのが大変。
内容を理解したとして、それをどう、一人ひとりが活かすのか。そこはそれぞれが考えるべしということだと思うが、これがなかなかに難しい。
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【もう少しで完全に理解できそうなのに・・・】
日本国民の預金が日本政府の借金となっているということですが、国の借金が増えているということはその分預金が増えていることになるのか?
日本の預金=日本の借金
こういうことなのでしょうか?
ー 輪の中だけでめぐる ー
例えば、
橋を造るために国が1000億の借金をする。
お金は移動するだけで消えないとすると、そのお金は大手ゼネコン→下請け→孫請け、建築資材屋さん、労働者のための弁当屋さん、近隣の食堂などかかわる労働者に均等ではないが分配され流れていく。そして労働で得た賃金は労働者の口座に預金される。
途中でお金は消えてなくなることはない。
国の借金1000億円は個人、企業の預金に変化していくことになる。
こういうことだと理解します。
この仕事で孫請け業者の一人が給料の全てを競馬で使ってしまった。その人の口座にはお金が無くなっている。しかし、競馬関係者あるいは馬券が当たった人にはこの人が負けたお金がわたっている。
お金は消えたわけではなく移動しているだけなのだ。そして、競馬関係者、馬券が当たった人の預金はその分増えている。
こう考えると国の借金がいくら増えても、国全体の預金もその分増えるので問題が無いことになります。
ー 輪の外に流れる ー
国の借金に比例せず預金が少ない場合は輪の外側(国外)に借りができていることになります。
輪の外側に借りができると必ず返す必要があります。家庭内で家族に掃除、洗濯をしてもらってもその借りを返す必要はありませんが、家政婦さんに頼んだら、家政婦さんは輪の外にいる人なので、その分の支払いは必ずしなければならなくなります。
先程の橋を造るために国が1000億円の借金をしたが、働いた人が日本国民であれば1000億円は国民の預金となり、日本国全体としては1000億円は相殺されます。
橋ができたあとの未来の効能、人々が行き来し易くなり、流通も活発となり両地域の経済も発展するという効能も得ることができます。
建設するための初期費用をゼロ(相殺)にして、未来の効能を得ることができるのです。
ただ、これだけ国際的になった状態で、輪の外に出る分を完全にゼロにすることは不可能です。
鉄筋コンクリートの鉄は日本製鉄から購入したかもしれませんが、原材料の鉄鉱石は中国から輸入しているかもしれません。鉄を製造する製造工程の機械も完成品は日本製ですが、部品は中国から輸入したものかもしれません。
少なからず輪の外の人に働いてもらっています。
ー 国の借金をチャラにできなくなる? ー
その通り、この1000億円の橋をつくる事業だけではチャラにはできませんが、日本は長い間、貿易黒字国です。
いままで輪の外に借りをつくっているのです。この借りがあるために一つの案件で完全にチャラにできなくても問題にはならないのです。
ではどうして破綻する国があ��のか?
1.国民が働かない(労働力がない)
2.いままでの累計で貿易赤字となっている
橋を造るために国が1000億円の借金をしたが、国民が高齢者ばかりで労働力がないので外国の人に働いてもらったとすると、輪の外の人に貸しをつくったことになります。輪の外の人には貸しを返す必要があります。ここで国が貿易黒字であればいままでの借りがありますので補うことができます。
つまり、輪の外の労働力を使用して、その使用に見合うだけの貿易黒字(貸し)がなければ破綻することになるのです。
ー お金を刷って国民にバラまけばいいのでは? ー
ただお金を刷ってバラまくだけでは労働が産まれません。お金はもともと流れるだけなので必要なのは労働です。
何もつくられず、何のサービスも産まれず、何のシステムもつくられないとすると未来の効能は得ることはできません。
さらに、お金だけあっても働く人がいなければ、食料も買えない、外食もできない、旅行も行けないことになります。
労働がなければ意味がないことになります。
(「労働」の定義はまた別で述べたいと思います)
これが、膨大な借金があるのに破綻しない日本のわたしなりの解釈です。
間違っているかもしれませんが、現状ではこのように理解しておきます。
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Q 日本中の人が紙幣を使い始めるようになったのは、どうして?
1 金に交換することができたから
2 税金を払わないといけやいから
3 日本銀行がその価値を保証しているから
Q 次のうち政府が集めた税金で解決できる問題はどれだろうか?
1 貧困問題
2 年金問題
3 政府の借金の問題
Q ハイパーインフレが起きているとき、人々の生活を苦しめている根本的な原因は次のうちどれ?
1 お金の価値が下がること
2 社会が混乱すること
3 労働が足りなくなること
Q 僕たちの抱える老後の不安を解消する方法は次のうちどれ?
1 他の人よりも多くお金を貯めておく
2 外国に頼れるように外貨を貯めておく
3 社会全体で子どもを育てる
『投資とは将来のために使う労力』
『僕たち一人ひとりが、子どもを育てているという意識を持ち、子どもたちに対して寛容になる必要がある』
『お金を払うだけで解決する問題など1つもない』
専門用語なしで凄くわかりやすく経済を学べる本。
経済とはお金ではなく労働である。
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分かりやすい比喩や例え話で説明しているのでものすごくわかりやすい。
日本の生産性がものすごく落ちているけれど、日本人は無駄なお金を消費するために無駄な労働をしているので社会の生活がどんどん豊かではなくなってきたんだろうと思う。
147ページの「ヘタな投機はただの恥だが、ヘタな投資は多いなる罪だ」という一文が非常に記憶に残った。
この労働、この支払いの先、背後に多くの人たちがいるという根本原理を知らないと、人はいくらでも傍若無人に振る舞うようになる。
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「食べ放題で元を取ることはできない」の章が面白かったです。
確かに世の中で売られている何もかも、 自然界にある資源で0円だよな、と。
気付きと学びの多い本でした。若い人にぜひ読んでもらいたい。
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最終章は出色だった。
前半は、わかりやすく書こうとして、噛み砕きすぎたかもしれないが、それでも若い人には読んでほしい1冊。自分の子供にも時が来たら、読ませたい。
自分の頭で考えるという当たり前のことをきちんと主張している筆者の試みは素晴らしいと思った。
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違う視点でものをみることが出来るようになる。
うすうす気付いていたことが、分かりやすくまとまっている。
若いうちに読みたかった。でも今読めてよかった。
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経済への苦手意識から学ぶ楽しさや自信がつきました。
難しいという感覚をほとんど感じさせず、専門用語じゃなくわかりやすい言葉で書かれていてスラスラと読めました。
そして、経済と言えば常にお金を絡めてそこからモノを考えていましたが、お金だけで考えるばかりだと本当に大切な事に気づけず、いつまで経っても経済=お金の頭になってしまい、疑問が残ってしまう。
お金は増減せずに移動しているだけで、疑問に思っていた国の借金についても、色々な事が理解できて自分の頭の中の点と点が一気に繋がっていき、気持ちが良くスッキリしました。
誰かが働くから成り立つ、当たり前のような事でも流してしまう部分など、人と人の繋がりの大切さが改めてわかりました。
最後に、自分はこちらを意識してやっていこうと思います。
一人ひとりの力は微力だが、無力ではない
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なんとなく思っていたことを言語化してくれた感覚。経済の見方が変わる。株式投資はほとんどチケットの転売と変わらない、新規の株式発行は取引総額744億円のうち2億円しかないとは。。流動性ってそんなに守る必要あるのか?と思う
経済の範囲をどこまで広く捉えられるか、というのは本当に難しい問題。いろんな社会性で仲間と他所者を分けてしまう。
効用と外部不経済を入れた価格の再設定が必要だと思う。あと雇用というか労働機会、お金の獲得機会の在り方の見直しというテーマがありそう。
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経済というよりかはお金についての話が中心に感じたが、分かりやすく解説してくれている。
・どうして家の外ではお金を使い、家の中ではお金を使わないのか?
・株とは何か?
・投資とギャンブルは何が違うのか?
・価格があるのに価値がないものは?
・なぜ、借金が多いのに国は潰れないのか?
などなど、普段気にしないことだが、言われてみれば「????」のことを例を用いながら、計算も使わないように解説してくれている。
お金の説明をすることで、経済の説明につながり、働く人の説明に繋がっている。
色々な角度から経済を見ることの大切さがわかる1冊