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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学受験について、善悪でない視点から分析されていて、よかったです。得られるものが具体的に示されていて、わかりやすかったです。
中学受験のメリットを説いた1冊
2022/02/02 10:27
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
受験関連に詳しい著者が、中学受験をするメリットについて説いた1冊です。
全部で4章ありますが、各章末に親御さんと著者との対談が掲載されています。
日本の受験勉強に対して著者が疑問を呈しているのが良かったです。
『なぜ中学受験するのか』
2022/01/27 20:23
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学受験を「親子にとっての人間的な成長をもたらす機会」ととらえる気鋭の教育ジャーナリストが、豊富な知見を駆使して高い視点から中学受験の意義を語る
〈残念ながら、本書を読んでも偏差値を上げる方法やお得な進路がわかるわけではない。〉
では何が書かれているか
私立中高一貫校に通う意味
〈中高一貫校に通う意味は、失敗と葛藤に満ちた豊かな思春期を謳歌できること〉
中学受験勉強の最中に得られるもの
〈中学受験勉強の日々は親子にとって、ハプニング連続のスリリングな大冒険〉
これから中学受験を考えるときはもちろん、受験勉強が始まった4、5年生の親も、そして真っ只中にいて苦しんでいる6年生の親も、自分たちが何をめざしているのかを見つめ直す機会として読んでおきたい中学受験の決定版
各章末にはVERY NAVY連載「悩めるママのための、受験進路相談室」から4回分を「Column」として収録
第4章の不登校の子の母とのやりとりには著者の教育観の真髄があらわれている
有名な教育ジャーナリストによる中学受験論
2021/12/18 10:30
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投稿者:まらりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の中学受験観がよく分かった。新しい発見もあって、読んで良かったと思う。中学受験を持ち上げすぎかな、とも思うけど……ただ、中学受験の負の面も書いてあるのは、良かった。
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ますます少子化が進む社会で受験文化はなくならないのだろうか?多くの人間が働かなくても生きていける時代になるとして、受験産業は継続するのだろうか?今後の社会を支える人間を育成するのであれば、受験よりも課外活動の方が大事ではないか?中学受験ブームに一石を投じる論者はいないのだろうか?そんなことしても意味ないんじゃないですか?と言える人はいないのだろうか?かといって、現代の親として、ブームを横目に中学受験を回避する勇気は持てない。
子どものときにクリアしなければならない関門みたいなものがあり、中学受験はその1つだと思っていた。その関門を通過しなかった人、あるいは、中学受験して大学付属に入学し、そのまま大学に進学したので大学受験をスキップした人、つまり、どこかで「さぼった」人は、結局、社会人になってから苦労しているという印象がある。本来であれば超えられたはずの壁を越えられず、得られたであろうチャンスを逃し、する必要のない苦労をしているように私からは見える。それは不幸というほどひどいものでもないし、何気なく通り過ぎてしまうことであり、人生に多大な影響を与えるものないかもしれないが、そういう人をそばで見ていると我が子には同じ想いはさせたくないと思ってしまう。
一方で、中学受験で御三家に入学し、大学受験を経て難関大学を卒業している人は、良い悪いの議論は別としても独特の魅力を携えているように見える。それが本書でいう「ハビトゥス」なのかもしれない。
私が子どもに中学受験させたいのは、ブームに乗っているだけなのかもしれない。けれど、少なくとも3年間はある大事な中学受験期を無為にゲーム漬け、動画漬け、漫画漬け、遊びほうけさせるのではなく、私がそうであったようにそろばん・習字・水泳・ピアノの方針なき習い事漬けにするのではなく、目標に向かって真剣に取り組み、挫折や失敗や苦難を乗り越える経験をさせたい。
ブームに乗っているということを自覚しつつ、ハビトゥスを意識した志望校を探し、子どもにはその学校をそれとなく目指すように洗脳し、中学受験を駆け抜けていきたいと気持ちを新たにした1冊。
どうやって洗脳するのか?それが問題だ・・・
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・有用性 ★★★★★
・具体性 ★★★★★
・分かりやすさ ★★★★★
・オリジナリティ ★★★★
・テンポ/構成 ★★★★★
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スポーツを頑張れば褒められるけど、受験では褒められない。
同じ頑張りなのだから、褒める量は一緒。
親も3年間頑張ったのなら褒められるべき。
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中学受験に向き合った子どもを持つひとりとして、時にそれは目先のことへ目先のことへと視線が集まり視点が集中してしまうものである。あらためてその目的は何なのか、もう少し早いところで本書を読んでおきたかった、そのような一冊である。
いろいろなことがある。けれども最後、入学試験の会場に入っていくのは受験する本人だけではないか。誰の力も頼れない、自分自身だけが頼りというその瞬間を迎える。そこへ至る時間をどのようなものに作りだしていくのか、あらためてそのことを考えたのである。
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中学受験の本でとても参考になると思いました。
以下私にとって心に残った言葉。
•どんな学校にでもいじめはある。
でも起こっていないことに過剰に反応するのではなく、うちの子はどんな学校に行っても大丈夫だからって自信をもって送り出せるように育てるのが親の役割。
•学校選びでは子供自身目が輝いているか、体が躍動しているか、心が安らいでいるか....。
小さい頃からいかに自分のこどもを見る目を養ってきたかが重要。
•「やらないよりはやったほうがいいかも」を積み重ねていったらきりがない。一方、子供の時間も体力も有限だ。負荷が多すぎて子どもが潰れてしまうよりは、多少余裕があるくらいの子どもはいきいきする。余裕がない状態にまで追い込んでいたら、やる気を出す暇もなくなる。
•親子で未熟さをさらけ出し合い、正しさについて話し合い、新たな信頼関係を結び直すことで、それが親子双方の人生を支える。
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第四章については、何度も読み返したい言葉がいくつもあった。もともと、中学受験のメリット・デメリットを知りたくて、本書を読んだが、それ以上に子育てとはどういうことかを考えさせられた。
自分自身の価値観・何に喜びを感じるのかを問い続けること、それが教育であり、子育てなのである。そして、子どもにとっての価値観の足がかりとなるのが学校であり、家庭なのである。
以下、メモ
◆中高一貫教育の意味
小学生は遊ぶことが大事!と言う人もいる。しかし、中学受験生の遊び時間は15分しか減っていない。減っているのはメディア(スマホ、パソコン、ゲーム等)である。であれば、目標に向かって努力する中学受験という経験に、その時間をあててもいいのではないか。また、「10歳以降は、脳はほとんど大人と同じになるから、ガンガン勉強させて構わない」と、脳科学者の林成之氏は言っているそうだ。
難関国立大学の進学割合では、内進生が7.6%であるのに対して外進生は0.8%と大きな差があった。
いい大学への近道として中高一貫校をとらえ、そのために中学受験するのは、3つの意味でナンセンスだ。
1.筑駒の東大合格率が示すのは、東大に進学するポテンシャルを持った子どもたちが筑駒には半数いるというだけのことだ。
2.いい大学に行くことを目的とするならば、最も効率がいいのは学校に行かないことだからだ。学校など行かず、朝から晩まで予備校に通って、問題集を解きまくればいい。
3.中学受験をした子としなかった子が、同じ小学校を卒業して、結局同じ大学の教室でクラスメイトとして再会したら、一方の子が中学受験をした意味はなかったことになってしまうのか。そんなはずはない。結局同じ場所にたどり着いたとしても、そこに至る道のりが違えば、人生における意味合いも違う。ただし、どちらの道が優れているかを客観的に評価することはできない。どちらの道かを決めるのはそれぞれの価値観だし、さらに言えば、どの道を選ぶかよりも、選んだ道をどう歩むかのほうがよほど大事だからだ。
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中学受験をさせることで、高校受験をさせなくていいというメリットがあることに改めて気づいた。そして、中高一貫校の私学に積もった文化の魅力もあるなあと思った。
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我が家は夫婦ともに公立育ち。かと言って公立がとても良かったと思っているわけでもない。
中学受験は気になるものの、お互い私立中高への知識はゼロ。
そんな状況で手に取った一冊。
著者は中学受験をメインフィールドに長年取材を続けている教育ジャーナリスト。本書はその著者の「中学受験観」を凝縮した一冊である。
本書では大きく4章にわけて受験の意義が語られる。
①中高一貫校に入る意義、②私学に入る意義、③受験を通して子が得るもの、④受験を通して親子が得るものの4点である。
結論を言ってしまえば、
①大学受験対策ができること以上に、豊かな思春期を恵まれた環境で謳歌できることの意味が大きい
②その学校でしか得られない生きる指針を授かり、卒業後も教育力が持続すること
③数々の試練を経験し乗り越え、ひととして成長するための大冒険であること
④親子で正しさを話し合い、新たな信頼関係が結ばれ、それが親子双方の人生を支える
となる。
各章に著者のこれまでの経験を活かし、様々なデータと生の声の両方を駆使した著述でなかなかに具体性に富む。
著者の受験観は一貫して、高偏差値信仰を排して「偏差値では表せない果実に目を向ける」べし、である。
①~④の結論にそれがにじみ出ている。
「親がべったりつきっきりにならず、そのぶん偏差値が多少低くなってしまってもそれを良しとして本人の頑張りで入れる中高一貫校に入り、そこで豊かな思春期をすごすのが、私のおすすめだ。」それが著者の中学受験観だという。
中学受験というと、名門校に子を入れるために(子以上に親が)血と汗と涙を流す狂騒曲、というイメージすらあるが、その受験観では親子ともに幸せにならない。
ということである。
本書を読んでぼんやりした受験へのイメージはまた一つ明確になってきたように感ずる。得るものは多かった。
さて、ではこうなると、次は「世の中にはどんな個性の学校があるのか?本当にわざわざ苦労して進むべき学校が世にあるのか」が気になってくるのである。
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教育ジャーナリストとして有名なおおたとしまささん
2021年11月初版
以下は気になった話題
・超進学校が幾何と古典をやる理由
幾何を早い段階で徹底的にやることで数学的な素養が高まる。論理的な思考が鍛えられる
古典すなわち古文や漢文を学ぶことは、外国語を学ぶことに似ている。
日常的に無意識で使ている日本語を相対化することで、日本語の論理的構造が認識でき、日本語を論理的思考の道具として使えるようになる。
→思考のOS性能が高まる
・高校受験は世界的に見ても珍しい
14歳からは抽象的思考の次元が高まり、本格的に哲学や科学が出来るようになる年頃。反抗期もある。この大切な時期に入試対策で子どもを追い回すのは得策ではない。
・高校募集を始める私立校が増えている
高校入試を行う私立難関校は減っているが、同時にいわゆる私立中堅校が高校募集を再開する動きがある。オオテメディアは難関校の入試動向しか報じないが、一面的な報道には惑わされないで欲しい
・5歳差の先輩から学べること
中高一貫校では12歳の時点で5歳上の先輩の姿を間近に見られる。
中2や中3でたとえ反抗的な態度を取っていても、高3になる頃には落ち着いている。先生もその成長を知っているからこそ6年間を見通した対応をしてくれる。
中学と高校で分断されない利点の一つ。
「ハビトゥス」
・その学校らしさとは「学校の文化」であり「ハビトゥス」(特定の集団に共通してみられる思考やふるまいのパターンを生み出す諸要因の集合)
・教員が異動しないのも私学の魅力
学校の中で生じた小さな成功体験や失敗体験が建学の精神に結び付けられ、学校全体の共通体験として生徒や教員の中に積み重なり、学校全体にとっての当たり前の水準を押し上げる。こうしてつくられた学校ごとの当たり前がハビトゥスの正体だといえる。
・公立学校のハビトゥスは地域の文化を反映したもの
特に戦前からの公立名門校には、地域の文化や風土、期待や誇りが凝縮されている。
・創立者の伝記と学校の沿革は要チェック
・校長の佇まいと国語の課題文を見る
説明会で校長が何を語るのか以上に、どんな佇まいで語るのかを見てほしい。言語よりも非言語的な情報が重要。その雰囲気を見て、わが子にも似たような佇まいを身に付けてほしいと思えるかどうかがポイント
・子どもに損得勘定を刷り込むな
「将来何がやりたいんだ?そのためにいま何をすべきなのか?」と尋ね、結局勉強するしかないという結論に誘導する大人は多い。
しかし、思春期の時点で抱いていた価値意識が高齢期の幸福感を予測する」という研究によれば思春期の時点で「金銭や安定した地位を大切にしたい」のような外発的動機による価値意識が強いと、高齢期に幸福感が低くなる傾向があるということ
「興味や好奇心を大切にしたい」という内発的動機をはぐくむ教育環境を作っていくことで高齢期の幸福感、自己満足感が増す
・ベストな学校がどこかにあるはずだって幻想を抱いている保護者は多い。
でもそんなのないよって。ど��の学校も良いところと悪いところがあって、悪いところすら子どもは肥やしにしていくもの。
自分が適した環境に行けば、人間はおのずと目が生き生きしてくる。
学校へ行った時の子どもの様子を見ることが大事。目が輝いているか、体が躍動しているか、心が安らいでいるか
・スキル偏重教育は大人たちの不安の裏返し
「どう美しく生きるか」を伝える学校と「これからの時代はこういうスキルが必要だと」という学校の二つに分かれる。今、スキル系の方に人気が集まっているのは、今の世の中の大人たちの不安の裏返し
・受験エリートの落とし穴
「いい学校」に行けば、確かに就ける職業の種類が増えたり、就活の書類選考で有利になったりはするかもしれない。しかし、「いい学校」に入って増えた選択肢の差分からしか人生を選べなくなることがある。たとえば「せっかく□□中学に入ったのだから、出来れば東大・京大・最低でも早慶」のような
無限にあったはずの人生の選択肢をむしろ狭めてしまうのだ。
さらには自分の選択未満の選択肢を選んだ人たちのことを、無意識で自分未満だと見下す視点を持ってしまう危険すらある
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いずれ来る我が家の教育問題の一つとして、中学受験の是非を考えるために本書を手に取る。ハウツーに落ちない、親が持つべき考え方や基本姿勢を丁寧に綴る良著。学んだことは、メモに整理して血肉にしたいと思う。
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古代から教育の重要性は何度も指摘されてきている。国の競争力の観点、個人の知識力や創造性の観点など様々。
しかし、人間をかたち作るということはとても神聖なことであり、それに対して日本の現状は多くのひずみがあることがわかる。それは親と子の接し方もそう。子供のために読むつもりが、自分に跳ね返ってくる話が多く参考になった。